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日本で餃子がおかずとして食べられているのはなんで?

突然ですが、餃子は食べますか?
その餃子は日本ではおかずとして食べていて、中国では主食として食べています。
では、なぜ日本では餃子をおかずとして食べられているのでしょうか。
この疑問について、日本人と中国人留学生が感じた影響について調べてみました。


日本における餃子の歴史とは

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明治から平成までの餃子の歴史について表にまとめました。明治時代には中華料理店が存在していました。そして日本が「餃子」を本格的にたべられるようになったのは比較的最近で第二次世界大戦争後です。
現在の餃子にはニンニクが入っていますが、これは日本人の口に合うように入れられたそうです。

日本の餃子と中国の餃子の違い

では、日本の餃子と中国の餃子の違いについてみていきましょう。

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上の写真は中国の餃子です。特徴は次のようになります。
・「水餃子」が主流、主食として食べられる。
・小麦粉に水を加えて薄くのばした皮に、細かく刻んだ野菜(白菜、キャベツ、ニラ、ニンニクなど)や豚ひき肉などの具材を包んで調理したもの
・中身の種類が豊富(ニラ、豚肉、トウモロコシなど)
・「香醋」、「陳酢」と呼ばれる黒いお酢をかける

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次に日本の餃子についてです。特徴は次のようになります。
・ラーメン屋や中華料理店などでよく見かける「焼き餃子」が主流
・ご飯やラーメンと食べることが多い
・中国の具材に「ニンニク」を加えている
・酢やポン酢などかけるものはさまざま

結構違いがありました。留学生からすると、餃子は主食と思っているので、ラーメンやご飯と一緒に食べるのがよく理解できないそうです。
では、なんでそう分かれるのでしょうか。日本では餃子がおかずとして食べられている影響とは何でしょうか。2つの視点で考察することにしました。

食文化説 (中国人留学生視点)

1つ目の視点は留学生からみた影響は米文化についてです。栄養豊かで食味が良く、多産性の米は、伝来以降日本人の食生活の基本になりました。米は日本の文化で特殊な意味があります。昔は米を口にできるのは荘園領主など身分の高い人です。庶民が主に食べていたのは雑穀や麦、芋などです。

江戸時代になると大規模な新田開発が行われて米の生産量が大きく増し、庶民も米食が中心になりました。第2次大戦後、アメリカからの食料支援で小麦が入り学校の給食でパン食が広まりましたが、主食としての米の地位は揺るぎませんでした。

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留学生からすると、日本人は餃子とご飯、ラーメンなど一緒に食べるということに日本人は米の信仰があると思います。焼き餃子というのは、日本の食文化と合わせた物です。その中で中国のギョウザ文化の部分もあり日本の文化と融合したのだと思います。

企業努力説 (日本人学生視点)

もう1つの視点は、商品から受ける影響についてです。商品を買うとき、パッケージやその商品がおかずにするのに手軽に調理できるものかなどを考えるときがあると思います。なので、味の素の冷凍餃子の歴史をもとに商品の受ける影響について調べてみました。

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1972年、電子レンジの普及率は5%未満。この時の冷凍食品の開発が考えらえていました。開発コンセプトは、比較的食卓に並ぶ頻度が高い、家庭で手づくりしにくい、家庭の調理器具で簡単に解凍調理が出来るという3つです。開発された冷凍食品12品の中に餃子が入っていました。

☑電子レンジの普及率は低いが、冷凍食品の開発がされ電子レンジを使用するコンセプトになっていることがわかります。

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1980年の中盤からバブル景気で日本全体が活況となり、お客様の「食」へのニーズが多様化しました。1985年今晩のおかずシリーズ、1987年おかずシリーズと改称されました。ここで、昭和から平成になり今までの家事の担い手であった女性が社会で活躍するようになり、調理簡便性の高い冷凍食品に対するニーズが高くなります。

☑食のニーズの多様化、女性が社会で活躍することで冷凍食品のニーズが高まるなどの時代の変化が影響しているように見えます。またここで、餃子をおかずシリーズと示した影響がある??

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1997年には、「油なしでパリッと焼ける!」味の素独自の製法の開発!餃子市場に大革命を起こしました。

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2003年に食品安全基本法が施行されたこともあり、消費者は食への安全性に関心をもちました。それにより2008年には餃子の原材料を当社指定農場産にして、管理を徹底しました。2009年には、「おいしい安全、自社工場から」をパッケージに掲載、国産キャベツなど自社工場での生産をアピールしました。

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2012年に、羽根の素の技術開発で油なし水なしでパリッと焼けるギョーザが出来ました。
2018年にはパリッパリッの王道のギョーザに加え、しょうがギョーザを新定番として登場させた。引き続き永久改良に取り組んでいます。

☑餃子の油なし水なしでの羽の素による、パリッと焼けるギョーザが定着している。

数か所チェックを設けましたが、歴史から読みとれることは2つありました。1つは時代よってニーズが変化することです。もう1つは冷凍食品で簡単に羽根つき餃子は作れるという餃子イメージが定着したことだと思います。

最後に

2つの視点から考察して結果、日本で餃子がおかずとして食べられているのは、留学生がみた米文化の影響が前提にあると思いました。また、商品からの影響というのは、時代で変化する食へのニーズに適した商品の開発がされているので、消費者はその影響を受け購買行動をしているのではないかと思います。餃子というものがおかずであると定着されているので、ラーメンとセットになったり食卓のおかずの1つになったりしているのかもしれません。

参考文献

とくなび福岡、2020/05/19
味の素冷凍食品株式会社、2020/05/20
手作り餃子歴史、2020/05/19
特選街web、2020/05/17
日本人吃饺子、拉面时,为什么要配上米饭呢?、2020/05/18
今さら聞けない餃子の食べ方、2020/05/23


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