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冬の川柳 行事の多い季節なり

病床びょうしょうにサンタクロースの背が曲がり


手がれた熱さ感じる歌留多かるたかな


年賀状自筆の思いあいうえお



 白熊杯に参加します。


自作解説

 病床の子どもは、どんな病気なんだろう。その子は、どんなプレゼントをほしがっているのだろう。そして、背を曲げたサンタクロースはどんな思いでいるのだろう。
 そんな想像のできる句をつくりたい。五七五の短い言葉の奥にあるものを想像する。言葉をもつ人間だからこそ想像力を働かすことができる。AIの使う言葉とは違う、人間が人間である言葉によって想像をふくらます。
 言葉で思いを句にしたい。


 カルタは百人一首だろう。いろはかるたでは「痛っ」という熱さしか感じない。人の思い、熱さを感じるのは百人一首だろう。人の思いを表す和歌が言葉で書かれているから。歌の意味を知れば、また楽しさも増す。人の知恵を表すいろはかるたには、また別の熱さがある。
 どちらにしても、一人ではできず、周りに人がいてこそのもの。

カルタでは手の触れ合うもまた楽し


 郵便受けを見る。機械で描いた文字ではなく、肉筆の文字と絵が人の温かさを伝える。手書きの年賀状が今年も送られる。1枚のはがきに思いがこもる。言葉と絵が思いを運ぶ。絵もある意味「言葉」だ。
 センスのよいしゃれたものではなくとも、思いが伝わる。
 江戸時代には絵と文字で描く、今のマンガのような黄表紙と呼ばれる作品があった。そんな伝統のある日本の文芸も忘れたくない。



 川柳といいながら、自作は俳句っぽい作品になった。
 江戸時代の川柳は古川柳と呼ばれる。川柳という名のもととなった柄井川柳の「誹風柳多留」に集まった作品を並べた記事を書いている。川柳としておもしろい。今の我々と同じような思いの江戸の庶民の姿から学ぶものも多い。

上記の記事では 今までの私の「誹風柳多留」記事をまとめています。


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