同じ雲なのに、見る場所によって違って見える。

　ちょっとだけ視線をずらしただけで、違ってしまう。

　下の方を見ると、またまた違う。

　雲が少ない場所を見ると、さらに違う。

　「ワイドナショー」で、松本人志が手書きの「キリトリ記事禁止」のボードを置き、「あくまでも個人の意見で、テレビ局の意見ではありません」と言っていた。この番組での発言が、ネット記事になり、一部分しか書かれないことへの抗議らしい。
　雲の姿と同じように、切り取る場所によって違って見える。

　キリトリ記事だけでなく、新聞各社も、同じ記事でも見出しがかなり違ったりする。政府自民党に対しては、好意的な読売、フジに対して、批判的な朝日、毎日。同じ内容の見出しが全然違ってくる。
　「中立」なんて言わずに、各社の主張を言えばいいのに。ネット全盛のこれからは、そうなっていくのかな。

　日曜日は、「ワイドナショー」を見ている。その前の「ワンピース」から続けて見ている。じじいが見るなと言われても、おもしろいから見ている。「ワンピース」の前は「ドラゴンボール」を見ていた。「ワイドナショー」の前は、関西では円広志まどかひろしの「よ～いドン」をやっていた。

　「よ～いドン」は毎日放送しているけど、その中の「となりの人間国宝さん」がおもしろい。円広志、月亭八光つきていはちみつ、ちょっと前には織田信成おだのぶなりが街ブラをしながら、無名な「人間国宝さん」にインタビューする。街録チャンネルの小型版みたいな番組。平日は見られないので、日曜日のダイジェスト版を楽しみにしていた。視聴率もよいので続いていたのに、ついに全国ネットの「ワイドナショー」に時間帯を奪われた。

　全国民が「ワイドナショー」を見ていると思ったって、ちょっと前まで関西では「よ～いドン」、「人間国宝さん」だった。TVerでやってなかったら、他の地方の人は知らないだろうな。
　同じ時間帯でも見る地域によって違う、違った時間が流れていた。