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試乗ノート#9 メルセデス・ベンツ EQS450 4MATIC SUV EV専用プラットフォームながら継承されているセンスと価値観

・メルセデス・ベンツの新型EV。SUVタイプで、3列7人乗りシート。2モーター4輪駆動。航続距離593km。

・EV専用のプラットフォームが使われている。そのために、プロポーションがエンジン車と異なって独特。

・試乗車の車両本体価格は1542万円。オプション合計額280万5000円、合計1822万5000円(消費税込み)。

・ダッシュボードの端から端までがモニターパネルでカバーされている。これまでのメルセデス・ベンツでもスケボーのようなメーターだったが、こちらははるかに長大なサーフボード。

X「サウンドエクスペリエンス」なる機能を設定から選ぶと、アイドリング時や加速時に擬似エンジン音が車内に聞こえてくる。すぐに飽きて使わなくなるのでは?

◎輸入車では稀な給電機能(V2H/V2L)を備えている。ソーラーパネルで発電した電気を貯め、クルマから家庭に給電できる。

○試乗車はスリーポインテッドスターマークが、車内のあちこちにまるで象嵌細工のように加工されていた。オプションのブラウンマグノリアウッドインテリアトリム(メルセデス・ベンツパターン、11万円)。EVでも、ガソリン車のMBの延長線上にあるかのようなデザインが施されている。別の試乗車では、高級ヨットのようなラインが埋め込まれているデザインで、そちらも魅力的だった。

○他にも、内装の素材遣いや配色、ステッチ、エアコンルーバー類の造形や配色など、あらゆる部分が丁寧にまとめられている。また、その作法がEVだからといって突飛なものに変わってしまわずに、エンジン車の延長線上にあって安心できる。

◎走らせると、静か、穏やか、速い、上質な乗り心地。極上の走りっぷり。標準装備されたエアサスペンションならでは。

・セルフレベリング機構によって走行中の車高を一定に保つ他、走行モードによっても車高を変更できる。

◎スポーツモードでも荒々しくない。硬過ぎない乗り心地が大人っぽい。

・リアアクスルステアによって、後輪が最大10度切れる。これによって、最小回転半径が5.1メートルの小ささに。

◎Apple Musicアプリがインストール済み。ドルビーアトモスによる音響効果も大きく、EVならではの静かな車内と相まって、車内は非常に高音質なオーディオ空間に。

◎ADAS(運転支援機能)も新しい。ACCを作動させると、複数の車線の増減も把握している。速度差のある後続車の接近警告などもモニター内の自車で確認できるなど最新のインターフェイス。

◎“インテリジェント回生”を行う「D AUTO」モードが優秀。BMW iXやアウディ・eトロンなどにも同じ発想の機能あり。

◎ライバルとなるBMW iXがEVとしての新しさを強くアピールしてエンジン車との違いをデザインやインターフェイスなどで表現しているのに対して、EV専用プラットフォーム上に構築されていながらも、エンジン車の延長線上にあるものとしてラグジュアリーを表現している。その違いは大きい。

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