金子浩久書店

「10年10万キロストーリー」「ユーラシア横断1万5000キロ」のキロキロ・モータリングライター金子浩久の投稿を平置き。

10年10万kmストーリー 第34回

手入れの痕跡はライフログだと思っている

マセラティ222E(1989年型)26年14万5000km

 今から40年近くも前のこと、マセラティ・ビトュルボの出現はセンセーショナルを巻き起こした。
 ボーラやメラク、さらに遡ればギブリやクワトロポルテなど、それまでのマセラティはみな流れるように麗しいスタイルをしていたのに、それらとはまったく似ても似つかない四角四面の出で立ちをしていたからである。

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10年10万kmストーリー 第34回                 優れたクルマと優れたユーザー       トヨタ・ハイエース(2000年型) 19年27万km

トヨタ・ハイエースほど、ユーザーと強固な信頼関係が築かれているクルマもないだろう。ユーザーの“大きな荷物を一度にたくさん運ぶ”という目的のために、メーカーが可能な限りそれに応えたのがハイエースというクルマなのだと思う。

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10年10万kmストーリー 第33回      ヒビ割れは愛着の痕跡

ロータス・エランS2 (1965年型)/ Lotus Elan S2(1965)

21年距離不明

 東京の新宿に世界堂という大きな画材店があって、地下が駐車場になっている。
 この店で、ミャンマーで購入した絵の額装を頼んで帰ろうとしたら、赤いロータス・エランが入ってきて、駐車スペースに停まった。
 エランを見るのは久しぶりだったから思わず見惚れてしまった。エランで画材店に来るなんて、どんな人な

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挫折の軍用車

ランボルギーニ LM002(1990年型)LAMBORGHINI LM002(1990)

 ランボルギーニ自身によってその存在が告知されていた新型SUV「ウルス」が発表されたのは2018年が開けてのことだった。
 ウルスがランボルギーニ初のSUVではないことは、モダンクラシックカーに詳しいトップギア読者諸氏ならばご存知のことと思う。
 ランボルギーニが1986年から1993年にかけて製造していた

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10年10万kmストーリー 第32回

「この色でお願いします」とソフトクリームを突き出した

フォルクスワーゲン・カルマンギア(1962年型)31年距離不明

 いつか自分のクルマを再塗装する時が来たら、自動車メーカーオリジナルのボディカラーにはとらわれずに好きな色に塗ってみたい。
 なにか自分の持ち物や縁のあるものだったら、なおさら良い。例えば、実際にトルコで買ったトルコ石のターコイーズブルーや、ずっと使っている万年筆のブルーブラッ

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若者はクルマから離れるのではなく、一体化する

ロータス・セブン シリーズ3
LOTUS Seven Series 3(1968年型)

 日本では、もうずいぶん前から「若者のクルマ離れ」が指摘されている。
 昔は、男も女も18歳になればほぼ全員が運転免許を取得し、全員と言わないまでもかなりの割合の若者が安い中古車などを購入してクルマを持つことが当たり前と考えられていた。
 地方は今でもその通りだ。移動手段を自分で確保しなければ生活できないか

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