10年10万kmストーリー 第29回                 昭和の夢、昭和の未来そのもの                         トヨタ・セリカXX(1984年型)       12年4万5000km

 最近は全国各地で古いクルマのイベントが盛況でとても喜ばしい。大切に乗り続けていたり、レストアが完成したものなどを好きな人たちに見てもらい、語り合い、喜びを共有できるのがイベントの醍醐味だろう。
 都内で開かれた大きなイベントに足を運んだら、とてもキレイなトヨタ・セリカXX(ダブルエックス)が並んでいた。
 ちなみに、セリカXXと言えば、2019年1
月14日にデトロイトモーターショーで正式に発表される「トヨタ・スープラ」の源となったクルマである。当時のセリカに6気筒エンジンを搭載した豪華版が「セリカXX」で、その輸出名が「スープラ」だった。
 こうしたイベントの参加車の中には、コンディションが今ひとつだったり、改造されていたりするものも少なくない中で、そのセリカXXはまるで昨日納車された新車のようだった。製造された1984年のいつの日かから現代にワープしてきたかのよう、とも喩えられるかもしれない。後光が射していた。


 最近では、セリカXXというクルマ自体が街で走っている姿をほとんど見掛けなくなってしまったし、こうしたイベントなどでも希少な存在となっている。
 また、外観が完璧にレストアされているだけでなく、ガラス越しに車内を眺めても、同じようにキレイだった。バーガンディのダッシュボードやステアリングホイールなども艶々だ。おまけに、レースのシートカバーまで掛かっていて、そのレストアの徹底ぶりとユーモアに驚かされた。
 あまりに見事だったので、僕はそのセリカXXをとても長い間眺めていた。周りのクルマを見ると、どうやら1980年代のトヨタ車を愛好するグループの一台として参加しているように見えたので、そのスタッフジャケットを着た人にセリカXXのオーナーさんを紹介してもらうように頼んだ。


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金子浩久書店

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10年10万kmストーリー

一台のクルマに長く乗り続ける人々のルポルタージュ。自動車ライター金子浩久が全国に出掛け、クルマ好きの喜怒哀楽を共有する。
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