映画『恋は雨上がりのように』を見てきました。忘れないうちにメモする、という感じで書きますので、文章がとっちらかったりして、これを読んで行くかどうかを決めようという人には向いてないかも。

あと、ネタバレ…多少あるかもしれないので、嫌な方はここで回れ右して下さい。

ざっとのあらすじを言うと、主人公は17歳の女子高校生、橘アキラ（小松菜奈)。陸上部の短距離走の元エースだったが、アキレス腱を切る大怪我をして以来、部には所属したままではあるものの、部活には行かず、その穴を埋めるようにバイトで放課後を埋めまくっている、ちょっと無愛想な女の子。

そのバイト先であるファミレスの店長、近藤（大泉洋）はバツイチで、息子が離婚した妻の元に１人。どこか風采の上がらない45歳で、客のクレームにもペコペコ、従業員にも毅然とした態度は取れず、なんとも情け無い中年男性……といった感じ。

その店長に恋をするアキラ。

ってこれだけ聞くと、年の差恋愛話のようだが、実際そういう面もあるのだが、見せ所はそこだけではない感じでそこがいい。恋愛だけの映画だったらわざわざ観に行く気も起きないしなぁ。まぁ小松菜奈ちゃんだけども。

その小松菜奈ちゃん、走る走る。のっけから。アキラは多分走るの大好きなんだ。でも、怪我以降、部活に出ようとはしなかった。向き合うのが辛いのだろう。前みたく走れない自分と。そこのウジウジ感。それが他人に対する素っ気なさ、無愛想にもつながっているのかもしれない。物凄いツンツンだ。友人ともギクシャクしてしまう。

店長に対しても、心の中では「好き……」と思ってても、冷たく睨みつけるような瞳でジーっと見る。最高な小松菜奈ちゃんだわ。

店長は他の人には冴えない、臭い（？）キモい（？）オッサン（ええ〜そうかなぁ）なのだが、アキラにとっては素敵な人だった。アキラにそう見える理由もあとでなんとなく出てくるのだが、まぁ、人となりは「いい人」だからね、店長。そんな店長にも、本当は小説家になりたかったという夢があって、その夢を叶えている友人も居て、自分はダメで、でもどこかで諦めきれなくて……それで離婚までしたけど、ファミレスの店長なんかやってる。

というね、なんとも身につまされるお話ですよ。ちょうど店長と同じくらいの歳だしね、こっちは。作家やクリエイターになれなかった人……なんてこの世にゴマンといるでしょうから、みんなしみじみしちゃうと思う……。ましてや友人は成功しちゃってて……ね。

いや、でもそんな悲観的な話ではなく、それぞれがそれぞれに、「今、向き合わなければならないもの」に、ちゃんと向き合って行く……という、とても爽やかな話で、私も励まされたし勇気もらったよ。

あーあ、だいぶネタバレしちゃったかな。すみません。でも、アニメでもやってたし、漫画もあるし、ネタバレと言えばもうそこいらじゅうネタバレしてるもんね。でもすみません。

店長と２人で会うシーンは雨のシーンが多くて、それも心象風景的に、しみじみきた。

あ、一個だけ文句言わせてもらうと、17歳という事は高2だと思うんだけど、高2で『羅生門』はやらないと思うんだよね。国語総合って1年だよ。理数科とかいうならまだ国語総合を2年でやってる場合もあるかもしれないけど2年からは現代文A、古典A（昔は１）あるいは現代文B、古典B（昔は2）とかじゃないかなぁ。多分、『山月記』とか『こころ』あたりなら高2でやる小説としては妥当だと思う。3年で『舞姫』ね。

そこだけはなんだかちょっと違う〜と思ったけど、多分店長が小説家を目指してた事と、『羅生門』がリンクしてくるから、多少仕方ないのだろう。別にカリキュラムやシラバスなんかはそんなにリアルじゃなくてもいいだろうしね。

という事で、以上です。

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