クライミングを題材にした漫画で一番笑ったシーン

一番面白い漫画は「アルパインクライマー」で間違いないし、一番可愛いのは「のぼる小寺さん」だと思うんですけど、意外と「ストロベリーキャニオン」も好きだし「山を渡る」のクライミングシーンは時折無性に見たくなってしまいます。

「のボルダ」も好きだけれど日常系のまま終わってしまいそう。同じ作者のロードバイクを題材にした「のりりん」がめちゃくちゃ好きで、あの尖り方を期待していたから少し残念。

ボルダリングを始めたばかりの主人公が昔ながらのボルダリングジムへ行って、まぶし壁に苦言を呈していたところを後にライバルになる常連クライマーから一笑に付され、なんやかんやでコンペで対決、可愛い女子高生クライマーも出るよ、ニッチな知識も満載、みたいな流れだったらめちゃくちゃ好きだった。今の方が一般向けはするんだろうけど。

特にインドアクライミングがメインだと漫画として描くには難しいんだろうなぁ。壁ひとつ描くにしても適当に描けないし。読む側は何気ないシーンでも課題として成立しているのかオブザベしちゃったりするもんね。

もう細かい描写は無視して漫画としての面白さに全振りすれば一般受けするんですかね。おっさん趣味を女子高生にやらせることでヒットした漫画もあるけどボルダリングはどうかなー、と思ってたらそんな感じの漫画が既にありましたわ。随分前に読んだから忘れてた。アニメ化もされたのに完全に忘却の彼方だった。

当時この漫画のこのワンシーンで爆笑してたんですけどね。

(引用元:漫画「いわかける! ―Climbing Girls―」2巻)

からの、こう。

(引用元:漫画「いわかける! ―Climbing Girls―」2巻)

忍者返しの岩対岸のトポにも乗っていない課題を観衆の注目の中完登したと思ったら、いきなりクライミングシューズを履いたまま激流に飛び込みこちらに渡って来る岩場で数々のレコードを持つ外岩のスペシャリスト。

こんなの笑うだろ。笑い死にさせる気か。意味わからんし上半身に比べて下半身が貧弱すぎるだろ。岩場のスペシャリストすぎてあらゆる常識の入る余地がないんか。そもそもとてもじゃないけど渡れないから。なんで直線で渡って来るんだよ。せめて少しは下流に流されてくれスペシャリスト。

涼しい顔して激流に飛び込んでる意味が本当にわからないんだけど。面白すぎて一時登ってる最中に「ガンバ!下にあるのは激流だけだ!」とか言うのが仲間内で流行っちゃったよ。なんで監修も入ってるのにこんなシーンが生まれてしまったんだ。

確かアニメ化した頃ジムにポスターが貼ってあった記憶もあるから、業界全体でこのアニメをきっかけにスポーツクライミングを周知させたかったのかもしれないけど。間口を広げる意味で。Amazonのレビューを見ると高評価の割にレビューが少ない辺りに何らかのパワーを感じる。

これで人が増えてもメイン層はオタクさんだろうし、基本も身についてないのに聖地巡礼とかで御岳に行って「あるのは激流だけだ!」しちゃったらどうするつもりだったんだろうね。過去に誰かが渡渉しようとして流されたって言う話も聞いたことあるから絶対に真似したらダメなんだけど。真似しないか。しないな。

この漫画はその他にも外岩初体験の主人公(元ひきこもりでパズルゲームの天才)が忍者返しの岩を一目見ただけで課題の数を言い当てる名シーンなどもあり、目が離せない展開になっております。

なので須く全てのクライマーには必読して頂いて、ボルダリング時には核心部で「下にあるのは激流だけだ」と言うメンタリティを持って完登へ繋げていって頂きたいと思います。

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