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【参考動画あり】はじめしゃちょーの動画を紐解いてみた 前編

「youtuber」という言葉が世間で話題になり、そして定着し、最近はやっとこさ落ち着いてきている気がする。昨日の記事でいう「常識」になってきた。

ぼくはyoutuberが好きだ。youtuberの魅力はまた今度ぼくなりに考えがあるのでまとめて記事にすることにして、今回のテーマはそのyoutuberのなかでも現在、日本のyoutuber界チャンネル登録者数数No.1

はじめしゃちょー

について書いていく。

youtuberにとって「チャンネル登録者数」というのはハッキリと数字で表される一番わかりやすいステータスであるが、今回とりあげたいのはそういった観点ではなく”作品”として彼の動画を紹介したい。

今やyoutuber業界では「実写動画」だけでなく「ゲーム実況」「商品紹介」「◯◯専門チャンネル」etc...

様々なジャンルのyoutubeチャンネルが存在する。

その中でもはじめしゃちょーのチャンネルをぼくなりにカテゴライズするなら「THE 王道のyoutuber」である。

では、youtuberにとっての「王道」とは一体何?と考えた時、説明することがむづかしい。そんな時に一番てっとりばやく説明するなら、

「はじめしゃちょーがやってる事が王道。」

とぼくは説明している。(勿論、他にも王道と言える方はたくさんいます!)

なぜ彼の動画は王道なのか。それは「youtuber」という言葉が生まれ、世間に広まっていく中でそれとともに彼の動画も進化してきたからだ。

では、話をもっと深く掘り下げていく。

まずはこの動画をご覧ください。

2016年9月6日に配信されたこの動画、「自分ではやらないくだらない事だけど誰かがやってたら見てみたい」という事を撮影して配信している。

正直、この動画が配信された時ぼくは度肝をぬかれた。

世のyoutuberとそのファンたちが「プレゼント企画」「コラボ動画」「登録者数◯◯人達成」「炎上騒動」等にふりまわされ忘れていたにちがいない。

youtuberってくだらない。だからいいんだ。

という事を。

まずこの企画自体が「くだらなおもしろい」。そしてこのくだらない企画こそが彼の本領発揮の場なのだ。いわゆる”やっつけ”で作ったくだらない動画ではないのだ。その理由はこの4:55の動画の中でどれだけの内容を詰め込んでいるかでわかってもらえるはず。

ここからは更に細部まで掘り下げるので是非↑のURLの動画を観ながら読んでほしい。

今回は特に掘るよ。

まず、ど頭の0:00から0:05の冒頭部分。

「前髪長くないですか?」から企画説明に入るまでの5秒間の間に5つの「音」を巧みに使っている。

①まず、動画を再生して最初に小さく「ぽッ」という効果音。これにより無言を際立たせる。

②少し間を空けて「前髪長くないですか?」という言葉。これにより「毎日投稿」という日記感覚の配信である事の醍醐味と「女性ファン」に向けてのちょっとしたメッセージ。また、コメント欄には前髪の話題を提供。

③間髪入れずに「ゔぉおおおお!」の叫び声。②の言葉のせいでぼくのようなリスナー(28歳独身男性)からは「ナルシストっぽくてキモい」と一瞬思われる可能性がある。無意識のうちに。しかし、その後間髪入れずにこのカウンターパンチである。「お、なんかコイツはアリやな。」と思わせる。また無意識のうちに。

④「ピピピッ」という効果音と共に、おきまりのカット編集である。毎日彼の動画を観ているファンはなんだかクセになっちゃう映像と効果音。アンディーウォーホルの「繰り返しの技術」に通じるものがある。

⑤そして本編スタートと共に机を「バーン!」これにより「さあ、ここから本編」とリスナーの思考を切り替えさせる。

わずか5秒間の出来事。

しかしこの5秒間の出来事をわざわざ効果音やカット編集を加えて作り上げる所に彼の「今日の動画」への気合いがみられる。また、長い動画は視聴者をあきさせるという事を十分にわかっているからこそ、5秒で済ませている。こんなに素晴らしい「動画の冒頭」はセンス無しにはそう簡単には作る事が出来ない。

そして本編。

電動ドリルの登場だ。ここで注目したい点はズバリ動画の

トリム編集能力。

これにより三脚固定カメラでのひとりきりの撮影による”動きのない動画”を解消。アップしたりズームしたりを定点カメラで撮影後、編集で行う手法はyoutuber界では今や当たり前になっている。その中でもはじめしゃちょーは特にこのトリム編集能力に長けている。この動画の全編を通してじっくり観てみてほしい。

次に

テキストワーク(字幕)能力。

TV放送などでもよく目にするこの編集技法。注目してほしい言葉や補足しておきたい事を音声だけでは伝わりにくい為テキストを表示することで補っている。彼の場合はテキストの字体と色を使い分ける事で動画の派手さを演出しながら自然にリスナーをのめりこませてくれる。

次に

カット編集能力。

本当に天才的。スピード感を出す為の演出には必要不可欠なこのカット編集。しかし、世のyoutuberたちの中にはこの「スピード感」というのを勘違いしている人もいる。ただ「はやく展開する」というのは二流、三流のやり方。彼が大事にしているのは”間(ま)”である。テンポよく短めのカットを幾つか重ねた後は少し長めのカットでこちらの興味を引きつける。かと思えば異常に短いカットを連発して驚かせてくる。(2:37部分のようなカット編集をぼくは勝手に"はじめんカット"と呼んでいる)

そして「冒頭」の部分でも紹介した

効果音BGMをつける能力。

トリム、テキスト、カットのテクニックによりリスナーに視覚的な刺激を与えながら"意識出来るか出来ないかのギリギリをつきながら"短い動画の中で信じられない数の効果音を採用している。TVの編集を見ていてもここまで神経質に"ギリギリをついてくる"ものは稀である。

また、BGMの挿入の仕方にもセンスを感じる。企画説明の間にバックで流れるリコーダーのほんわかしたBGM。しかしそのBGMもただ貼り付けっぱなしではないのだ。彼がおちゃめにふるまったり驚いたりした後の無言のシーンでは一瞬「無音」になるのだ。そしてまた話し出すとBGMが鳴り出す。BGMを使用するにあたり、動画を豪華にする為の足し算としてつけるだけでなく、逆に足し算されたBGMを消すことにより「無音」をも演出に変えてしまうこのテクニック。

以上を踏まえてもう一度最初の1分間だけでも見直してみると大量の編集がこの動画には施されていることがわかる。

そして次にいよいよクラッカーの登場だ。

とドンドン進めていきたい所だが、異状に長くなると思われる為、今回はここまで。

明日後編をアップしますのでお楽しみに。


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