【日本選手権2019】Deck Tech : 田澤雅之の『赤単アグロ』

2019年3月に行われたGP京都で赤単を駆り13-2の成績を残した『赤単スペシャリスト』田澤。今回も友人からパーツを借りまくった吸血鬼を直前で棄てて赤単を選択した。

―――まず、日本選手権のメタをどう予想しましたか?

《隠された手、ケシス》がトップメタで、次に多いのは赤単という予想です。そのため、赤単を叩けるグルールやジャンド恐竜も少なからずいるだろうと考えました。

―――メインボードの特徴を教えてください。

メインは《隠された手、ケシス》を意識して、《暴れまわるフェロキドン》と《溶岩コイル》を入れています。《暴れまわるフェロキドン》は威迫のおかげで結構ダメージを刻んでくれるので、最後の一押しとなる火力が以前より価値が高くなっていると考え増量しています。基本的にはクリーチャーでライフを9点まで削り、残りを火力で焼き切る構成を目指していて、《溶岩コイル》を2枚メインに採用しているのも、他の火力を本体にちゃんと打ち込めるようにするためですね。《ショック》4枚も普通に本体に投げます。

そういう意味では《舞台照らし》は最後の2ドローをすればよいカードだと考えており、4枚目の《舞台照らし》は《溶岩コイル》《山》のどちらかにするべきでした。序盤に《舞台照らし》を撃つタイミングが実は無く、4枚はリスキーだったかなと。

また、現環境の特徴として《実験の狂乱》が間に合うマッチアップがそもそも存在しません。そこで《実験の狂乱》をまず抜き、その後《実験の狂乱》ありきで強い《遁走する蒸気族》も抜けていきました。これらを抜いたことでデッキの柔軟性は上がったのですが、マナフラッドに対する受けがない点はリスキーになってしまいました。

―――サイドボードの工夫についてお聞かせ頂けますでしょうか?

メインの《ゴブリンの鎖回し》4枚に加え、サイド後は《炎の侍祭、チャンドラ》2枚と《軍勢の戦親分》4枚の計10枚で、先手3Tの《時を解す者、テフェリー》で盤面を更地にされた返しでも《時を解す者、テフェリー》を確実に落とせる構成を取っています。

実はメインの構成はタフネス1が多すぎて同型に対してあまりよろしくない形になってしまっています。なので同型で優位に立てる《凶兆艦隊の向こう見ず》を多めに採用しています。

《火による戦い》はジャンド恐竜およびグルール用です。ジャンド恐竜は認知度は低いですが、十分なデッキパワーを秘めていると考えています。それ以外にもこのカードは《隠された手、ケシス》《冒涜されたもの、ヤロク》《黎明をもたらす者ライラ》と対処できる範囲が広く《丸焼き》と散らして使うのに向いていると思います。

―――田澤さんとは思えない論理的な説明をありがとうございました。


環境における強カードにしっかり対処しつつ、クリーチャーと火力できっちり削り切れる構成を目指したと語る田澤。残念ながら自身が棄てた吸血鬼に負けて初日落ちした田澤であったが、勝負は時の運。今後も論理に裏打ちされた赤単を駆り、時には結果を残してくれるだろう。

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