ブーメランが過ぎるリテラ

つるの剛士が『ワイドナショー』で「五輪やってほしい」「コロナでも元気という人もいる」、“パクチー泥棒”差別ツイート“でも被害者ヅラ https://lite-ra.com/2021/06/post-5933.html @litera_webより

 この記事の中にこんな一文がある。

>事実であったとしても「犯人は外国人」とあげつらい、「外国人による犯罪」などと強調することは、それ自体がヘイトスピーチ

 この理屈が正しいとすると、外国人を別の言葉に置換しても同じことが言えることになる。
「犯人は日本人」「日本人による犯行」と主張すれば、それがたとえ事実であっても日本人へのヘイト。
「犯人はカナダ人」「カナダ人による詐欺」と強調すると、それ自体がカナダ人に対する憎悪。
「犯人は20歳くらいの男」「20歳くらいの男による暴行」と伝えれば、20歳くらいの男への憎悪表現。
「犯人は中肉中背の会社員」「中肉中背の会社員による窃盗」と言えば、中肉中背の会社員への差別。
「犯人は大学教授」「大学教授による痴漢」と報道すると、たとえそれが事実でも大学教授への蔑視。

 確かに「個人の特性と集団の属性を混同する」のは差別の一大特徴である。しかし個人の一特性を紹介・表現することが直ちに集団全体への差別・ヘイトになる訳ではない。
 もし常にヘイトになると解釈するのなら、差別をしているのは表現者ではなく、その解釈者自身である。これは「差別をするなと言っている人が最も差別をしている」というブーメランの典型例だ。その心底にあるのが外人差別なのか犯罪者差別なのかはたまた両方なのかは、解釈者本人に聞かなければ分からないが。
 因みに、「外人という言葉も差別だ」という言葉狩りも、同様のブーメランである。

 リテラの舌鋒鋭い政府批判記事は痛快なのでよく読むが、時々こういう冷静さに欠ける非論理的な記事を(特に差別問題絡みになると)書く記者がいるのが難。他の記事の信憑性にも影響を与え兼ねないし、何より「世のネトウヨ共を付け上がらせる」ので止めて欲しいのだが、何度指摘してもなかなか直らない。

 以前、「テロ・紛争の背景には貧困・格差がある」と主張するNHKのとある解説委員に、
「テロの背景にあるのは低水準教育であって貧困等ではない。どれほど貧乏でも倫理観のある人物はそれを理由にテロを起こさない。どんなに酷い差別を受けても問題解決力の高い人はそれを口実に暴力に訴えたりなどしない。従って貧困や差別を無くしたところで、低水準教育を受けた金持ちや差別主義者がテロ・紛争を起こす。メディアが誤解したままでは視聴者も勘違いする」
と何度か指摘したところ、その後「テロの背景に貧困が云々」とは一切言わなくなった。リテラももう少し読者からの意見に対する傾聴力を高めて欲しいものだ。


自称反差別主義者や自称愛国者が差別や自虐史観を声高に非難する目的は、自身の心底に潜在する劣等感・情緒不安の払拭
己の差別心や自虐的国家観を自覚なく敵対者に自己投影して同属嫌悪する偽善者ほど、自身の平等主義や自慰史観に心酔し正義面する

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