現象

 アイドルとか女優とか、女性タレントのオフショット動画がSNSに上がってくる時、マネージャーなのかプロデューサーなのか側近スタッフとして、小太りで半ズボンでオシャレ風にした中年男性が映り込んでくることがよくある。
いいとか悪いとかじゃなくて、まず、そういう現象ってあるよなと思った。
僕はあれがグロいと思ってて、勝手に苦しいと思っている。
天下一品に部下の女性を連れてくる上司に感じた苦しさと同じ種類のものだろう。



 夏が明けて気温が下がってやっと人間らしい生活をしていいのかもと思えるようになってきたが、毎年夏を超えるたびに、自分の中の何か感情を殺している感覚がある。
上手く言えないんだけど、その犠牲がないと生きていなかった感じがする。何を殺したのかもわからないし、なぜ今生きているのかもわからないけれどとにかく夏は暗い。辛かった。

◯読んだ本
杉田俊介「男が男を解放するために」
森博嗣「夏のレプリカ」
東雅夫 編「厠の怪 便所怪談競作集」
山口智美/斉藤正美「宗教右派とフェミニズム」
佐藤究「テスカトリポカ」
柚木麻子「とりあえずお湯わかせ」
遠野遙「浮遊」
ピエール・ルメートル「その女アレックス」
遠野遙「破局」
小砂川チト「家庭用安心坑夫」
向田邦子「思い出トランプ」


 娘の中学受験対策が始まり、家の中が勉強の空気になった。 僕は家の中で読書をしたりゲームをしたり楽器を触ったり自分の時間を過ごすことが好きだったが、全ての行為に勉強の空気なのにやっているという罪悪感がまとわりついて抑うつが悪化してしまった。

結果「やりたいことがあるから辛いのだ、やりたいことがなくなれば不足も感じないはずだ」という標語を自ら作り、家の中でリラックスすることを全て捨てるという決断をして、趣味や、自分の時間を過ごすことを全て辞めてみたら対症療法的に気鬱は改善したが、この結果がどう自分を壊して行くのかはこれから判明していくのだろう。
ひとまず、本を読むことも記録することもやめることにした。

 僕は人と距離をとることに命かけてるので誰とも親密にならないんだけど、絶対に距離が詰まらない安心感からか長く付き合ってもらえることは多いので、知り合いは多い。
誰とも必要なことしか話さずできるだけ親密にならないように心がけているけど、距離が遠い故の安心感とその距離でだけ育まれる「お互い頑張っているねの花」は結構咲いている。
この現象だけを糧に、一人の感覚で生きていく

サブウェイのアボカドベジー食べます