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韓国の学校給食法の日本語訳

韓国の学校給食法の日本語訳をアップします。
韓国の学校給食運動は2000年ごろから本格的に各地で始まりますが、最初の共同の要求が学校給食法の改正要求でした。これは外部業者への委託を許可している条文を改定して、学校の直営(校長の責任で運営する)を原則とするように改正を求める運動でした。
この要求は2006年に実現され、学校給食は学校ごとの直営を原則とする学校給食法の改定が行われました。そして学校給食運動は普遍的な福祉という考え方を背景に給食の無償化を要求していきます。
2010年に行われた地方選挙では韓国全土で2500余りの学校給食運動の市民団体や労働組合などが参加してネットワークが作られ、選挙に立候補した候補者と学校給食無償化の政策協定をそれぞれの選挙区ごとに結び、<学校給食無償派>議員が大量に当選します。
これらの給食運動にかかわった人たちの一部は各地の<学校給食支援センター>のスタッフとして働いている人も何人もいますし、学校給食の専門家として活動している人たちもいます。
ぜひ、3月28日から31日までの韓国オーガニック給食フィールドワークで韓国の給食運動の実態に触れてください。
(田中博 韓国草の根塾)
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学校給食法

[施行2022年6月29日] [法律第18639号、2021年12月28日、一部改正]
教育部(学生健康政策課) 044-203-6543

第1章 総則

第1条(目的) この法律は、学校給食等に関する事項を規定することにより、学校給食の質を向上させ、生徒の健全な心身の発達と国民食生活の改善に寄与することを目的とする。

第2 条(定義) この法律で使用する用語の定義は次のとおりである。
1. 「学校給食」とは、第1条の目的を達成するために第4条の規定による学校または学級の生徒を対象に学校の長が実施する給食をいう。
2. 「学校給食供給業者」とは、第15条の規定により学校の長と契約により学校給食に関する業務の委託を受けて行う者をいう。
3. 「給食に関する経費」とは、学校給食のための食品費、給食運営費および給食施設·設備費をいう。

第3条(国·地方自治体の任務)
1. 国と地方自治体は良質の学校給食が安全に提供されるよう行政的·財政的に支援しなければならず、栄養教育を通じた生徒の正しい食生活管理能力の培養と伝統食文化の継承·発展のために必要な施策を講じなければならない。
2. 特別市·広域市·道·特別自治道の教育監(以下「教育監」という)は毎年学校給食に関する計画を樹立·施行しなければならない。

第4条(学校給食対象)学校給食は大統領令で定めるところにより、次の各号のいずれかに該当する学校または学級に在学する生徒を対象に実施する。 <改正2012年3月21日、2019年12月10日、2020年1月29日、2021年3月23日>
1. 「幼児教育法」第2条第2号に基づく幼稚園。 ただし、大統領令で定める規模以下の幼稚園は除く。
2.「小中等教育法」第2条第1号から第4号までのいずれかに該当する学校
3.「小·中等教育法」第52条の規定による勤労青少年のための特別学級及び産業体付設中·高等学校
4. 「小中等教育法」第60条の3による代案学校
5. その他教育監が必要と認める学校

第5条(学校給食委員会など)
1. 教育監は学校給食に関する次の各号の事項を審議するためにその所属下に学校給食委員会を置く。 <改正2021.12.28.>
  1. 第3条第2項の規定による学校給食に関する計画
  2. 第9条の規定による給食に関する経費及び食材等の支援
  3. その他、学校給食の運営及び支援に関する事項として教育監が必要と認める事項
2. 第1項の規定にともなう学校給食委員会の構成·運営などに関して必要な事項は大統領令で定める。
3. 特別市長·広域市長·道知事·特別自治道知事および市長·郡守·自治区の区庁長は第8条第4項の規定にともなう学校給食支援に関する重要事項を審議するためにその所属下に学校給食支援審議委員会を置くことができる。
4. 特別自治道知事·市長·郡守·自治区の区庁長は優秀な食材供給など学校給食を支援するためにその所属下に学校給食支援センターを設置·運営することができる。
5. 第3項の規定にともなう学校給食支援審議委員会の構成·運営と第4項の規定にともなう学校給食支援センターの設置·運営に関して必要な事項は該当地方自治体の条例で定める。

第2章 学校給食施設·設備基準等

第6条(給食施設·設備)
1. 学校給食を実施する学校は学校給食のために必要な施設と設備を備えなければならない。 ただし、二つ以上の学校が隣接している場合には、学校給食のための施設と設備を共同で行うことができる。 <改正2021.3.23.>
2. 第1項の規定による施設·設備の種類と基準は大統領令で定める。

第7条(栄養教諭の配置等)
1. 第6条の規定により学校給食のための施設と設備を備えた学校は、「小中等教育法」第21条第2項の規定による栄養教諭と「食品衛生法」第53条第1項による調理師を置く。 ただし、第4条第1号による幼稚園に置く栄養教師の配置基準などに関して必要な事項は大統領令で定める。 <改正2009.2.6.、2020.1.29.>
2. 教育監は学校給食に関する業務を専担させるために、その所属の下に学校給食に関する専門知識のある職員を置くことができる。
3.  教育監は第1項ただし書の栄養教師の配置基準などにともなう幼稚園の中で一定規模以下の幼稚園に対する給食管理を支援すために特別市·広域市·特別自治市·道および特別自治道の教育庁または「地方教育自治に関する法律」第34条および「済州特別自治道設置および国際自由都市造成のための特別法」第80条にともなう教育支援庁に栄養教師を置くことができる。 <新設2021年12月28日>
 4.  第3項により栄養教師が給食管理を支援する幼稚園の規模および支援の範囲などに必要な事項は大統領令で定める。 <新設2021年12月28日> 

第8条(経費負担等)
1. 学校給食の実施に必要な給食施設·設備費は当該学校の設立·経営者が負担するものの、国または地方自治体が支援することができる。 <改正2021.3.23.>
2. 給食運営費は該当学校の設立·経営者が負担することを原則とするが、大統領令で定めるところにより保護者(親権者、後見人そ
の他法律により学生を扶養する義務がある者をいう。 以下同じ。)がその経費の一部を負担することができる。 <改正2021.3.23.>
3. 学校給食のための食品費は保護者が負担することを原則とする。
4. 特別市長·広域市長·道知事·特別自治道知事および市長·郡守·自治区の区庁長は学校給食に品質が優秀な農水産物使用など給食の質向上と給食施設·設備の拡充のために食品費および施設·設備費など給食に関する経費を支援することができる。 <改正 2019. 4.23.>

第9条(給食に関する経費の支援)
1. 国又は地方自治体は、第8条の規定により保護者が負担する経費の全部又は一部を支援することができる。
2. 第1項の規定により保護者が負担する経費を支援する場合には、次の各号のいずれかに該当する学生を優先的に支援する。 <改正2007年10月17日、2010年7月23日、2021年3月23日>
 1. 学生またはその保護者が「国民基礎生活保障法」第2条による受給権者または次上位階層に属する学生、「片親家族支援法」第5条の規定による保護対象者である学生
 2.「島嶼·僻地教育振興法」第2条の規定による島嶼僻地にある学校とそれに準ずる地域として大統領令で定める地域の学校に在学する学生
 3.「農漁業人の生活の質の向上及び農漁村地域の開発促進に関する特別法」第3条第4号による農漁村学校及びそれに準ずる地域として大統領令で定める地域の学校に在学する学生
 4. その他教育監が必要と認める生徒
3. 教育監は「災難および安全管理基本法」第3条第1号にともなう災難が発生し学校給食が難しい場合には第5条第1項にともなう学校給食委員会の審議を経て大統領令で定めるところにより生徒の家庭に食材などを支援することができる。 この場合、支援範囲は、第8条第4項及び第9条第1項の規定により国又は地方自治体が支援した給食に関する経費に限る。 <新設2021年12月28日>

第3章 学校給食管理·運営

第10条(食材)
1. 学校給食には品質が優秀で安全な食材を使わなければならない。
2. 食材の品質管理基準その他食材に関して必要な事項は、教育省令で定める。 <改正2008.2.29.、2013.3.23.>

第11条(栄養管理)
1学校給食は生徒の発育と健康に必要な栄養を満たし、正しい食生活習慣の形成に役立つよう多様な食品で構成されなければなら
ない。 <改正2021.12.28.>
2学校給食の栄養管理基準は教育部令で定め、食品構成基準は必要な場合、教育監が定める。 <改正2008年2月29日、2013年3月23日、2021年12月28日> 

第12条(衛生·安全管理)
1. 学校給食は献立作成、食材購買·検収·保管·洗浄·調理、運搬、配膳、給食器具洗浄および消毒などすべての過程で危険な物質が食品に混入されたり食品が汚染されないよう衛生と安全管理を徹底しなければならない。 <改正2021.3.23.>
2. 学校給食の衛生·安全管理基準は教育部令で定める。 <改正2008.2.29.、2013.3.23.>

第13条(食生活指導など)
学校の長は正しい食生活習慣の形成、食糧生産および消費に関する理解増進および伝統食文化の継承·発展のために生徒に食生活関連教育および指導を行い、保護者には関連情報を提供する。 <改正2021.12.28.>

第14条(栄養相談)学校の長は食生活に起因する栄養不均衡を是正し、病気を事前に予防するために低体重および成長不振、貧血、過体重および肥満学生などを対象に栄養相談と必要な指導を実施する。

第15条(学校給食の運営方式)
1. 学校の長は学校給食を直接管理·運営するものの、「幼児教育法」第19条の3にともなう幼稚園運営委員会および「小·中等教育法」第31条にともなう学校運営委員会の審議·諮問を経て一定の要件を備えた者に学校給食に関する業務を委託してこれを行わせることができる。 ただし、食材の選定および購買·検収に関する業務は学校給食条件上避けられない場合を除いては委託しない。<改正 2020.1.29.>
2. 第1項の規定により義務教育機関で業務委託をしようとする場合には、あらかじめ管轄庁の承認を得なければならない。
3. 第1項の規定による学校給食に関する業務委託の範囲、学校給食供給業者が備えるべき要件その他業務委託に関して必要な事項は大統領令で定める。

第16条(品質及び安全のための遵守事項)
1.学校の長とその学校の学校給食関連業務を担当する関係教職員(以下「学校給食関係教職員」という。)及び学校給食供給業者は、学校給食の品質及び安全のために次の各号のいずれかに該当する食材を使用してはならない。 <改正2007年4月11日、2009年6月9日、2011年7月21日、2021年11月30日>
 1. 農水産物の原産地表示等に関する法律第5条第1項の規定による原産地表示を虚偽で記した食材
 2. 農水産物品 質管理法第56条による遺伝子組み換え農水産物の表示を虚偽で記した食材
 3.「畜産法」第40条の規定による畜産物の等級を虚偽記載した食材
 4. 農水産物品質管理法第5条第2項の規定による標準規格品の表示、 同法第14条第3項の規定による品質認証の表示及び同法第34条第3項の規定による地理的表示を虚偽で記した食材
2. 学校長とその所属学校給食関係教職員および学校給食供給業者は次の事項を守らなければならない。 <改正2008.2.29.、2013.3.23.、2021.3.23.>
 1. 第10条第2項の規定による食材の品質管理基準、第11条第2項の規定による栄養管理基準及び第12条第2項の規定による衛生·安全管理基準
 2. その他学校給食の品質及び安全のために必要な事項として教育部令で定める事項 
 3 学校長とその所属学校給食関係教職員および学校給食供給業者は学校給食にアレルギーを誘発しうる食材が使われる場合には、この事実を給食前に給食対象生徒に知らせ、給食時に表示しなければならない。 <新設2013.5.22.>
 4 アレルギーを誘発しうる食材の種類など第3項による公示及び表示に関して必要な事項は教育部令で定める。 <新設2013.5.22.>

第17条(生産品の直接使用など) 学校で作物栽培·動物飼育その他各種生産活動で得た生産品やその生産品の売却代金は他の法律の規定にもかかわらず学校給食のために直接使用することができる。 <改正2021.3.23.>

第4章 補則

第18条(学校給食運営評価)
1. 教育部長官または教育監は学校給食運営の内実化と質的向上のために学校給食の運営に関する評価を実施することができる。 < 改正2008.2.29.、2013.3.23.>
2. 第1項の規定にともなう評価の方法·基準その他に学校給食運営評価に関して必要な事項は大統領令で定める。

第19条(出入·検査·回収など)
1. 教育部長官または教育監は必要だと認める時には食品衛生または学校給食関係公務員に学校給食関連施設に出入りして食品·施設·書類または作業状況などを検査または閲覧させることができ、検査に必要な最小量の食品を無償で回収させることができる。 <改正2008.2.29.、2013.3.23.>
2. 第1項の規定により出入り·検査·閲覧又は回収をしようとする公務員は、その権限を表示する証票を有し、これを関係人に示さなければならない。
3. 第1項の規定にともなう検査などの結果、第16条第2項第1号·第2号または同条第3項の規定に違反した時には教育部長官または教育監は該当学校の長または学校給食供給業者に是正を命ずることができる。 <改正2008.2.29.、2013.3.23.、2013.5.22.>

第20条(権限の委任)
同法による教育部長官または教育監の権限は、その一部を大統領令で定めるところにより、教育監または教育長に委任することができる。 <改正2008.2.29.、2013.3.23.、2021.3.23.>

第21条(行政処分等の要請)
1. 教育部長官又は教育監は、「食品衛生法」·「農水産物品質管理法」·「畜産法」·「畜産物衛生管理法」の規定により許可及び申告·指定又は認証を受けた者が第19条の規定による検査等の結果、各該当法令に違反した場合には、関係行政機関の長に行政処分等の必要な措置をすることを要請することができる。 <改正2008.2.29.、2010.5.25.、2011.7.21.、2013年3月23日> 
2. 第1項の規定により要請を受けた関係行政機関の長は特別な理由がなければその要請に従わなければならず、その措置結果を教育部長官または該当教育監に知らせなければならない。 <改正2008.2.29.、2013.3.23.、2021.3.23.>

第22条(懲戒) 
学校給食の適正な運営と安全性確保のために懲戒議決要求権者は管轄学校の長またはその所属教職員のうち次の各号のいずれかに該当する者に対して該当懲戒事件を管轄する懲戒委員会にその懲戒を要求しなければならない。 <改正2008.2.29.、2013.3.23.、2021.3.23.>
 1. 故意又は過失により食中毒等衛生·安全上の事故を発生させた者
 2. 学校給食関連契約上の契約解除事由が発生したにもかかわらず、正当な理由なしに契約解除をしなかった者
 3. 第19条第3項の規定により教育部長官または教育監から是正命令を受けたにもかかわらず正当な理由なしにこれを履行しなかった者
4. 学校給食に関連して不正が摘発された者

第5章 罰則

第23条(罰則)
1. 第16条第1項第1号又は第2号の規定に違反した学校給食供給業者は、7年以下の懲役又は1億ウォン以下の罰金に処する。 <改正2008.3.21.>
2. 第16条第1項第3号の規定に違反した学校給食供給業者は、5年以下の懲役または5千万ウォン以下の罰金に処する。 <改正2008.3.21.>
3. 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は3千万ウォン以下の罰金に処する。
 1. 第16条第1項第4号の規定に違反した学校給食供給業者
 2. 第19条第1項の規定による出入り·検査·閲覧又は回収を正当な理由なしに拒否し、又は妨害し、若しくは忌避した者

第24条(両罰規定)
法人の代表者若しくは法人又は個人の代理人、使用人その他の従業員がその法人又は個人の業務に関し第二十三条の違反行為をした場合、その行為者を罰するほか、その法人又は個人にも当該条文の罰金刑を科する。 ただし、法人又は個人が 務 び 怠がその違反行為を防止するため、当該業務に関し相当の注意及び監督を怠らなかった場合は、この限りでない。[全文改正2010.3.17.] 
第25条(過料) 
1. 第16条第2項第1号の規定に違反して第19条第3項の規定にともなう是正命令を受けたにもかかわらず正当な理由なしにこれを履行しなかった学校給食供給業者には500万ウォン以下の過料を賦課する。 <改正2021.3.23.>
2. 第16条第2項第2号または同条第3項の規定に違反して第19条第3項の規定にともなう是正命令を受けたにもかかわらず正当な理由なしにこれを履行しなかった学校給食供給業者には300万ウォン以下の過料を賦課する。 <改正2013.5.22.、2021.3.23.>
3. 第1項および第2項の規定にともなう過怠金は大統領令で定めるところにより教育部長官または教育監が賦課·徴収する。 <改正2008.2.29.、2013.3.23.、2021.3.23.>
4 削除 <2010.3.17.>
5 削除 <2010.3.17.> 6 削除 <2010.3.17.>
附則<第18639号、2021年12月28日>


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