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韓国の「学校給食支援センター ガイドライン」の日本語訳 その2

~~~~~~ 目 次 ~~~~~~~

第1章 学校給食支援センター概要·
1. 学校給食支援センターの考え方·
2. 学校給食支援センターの法的根拠
3. 学校給食支援センターの設置·運営
4. 学校給食支援センター運営上の留意点·

第2章 学校給食支援センターの機能及び類型·
1. 学校給食支援センターの機能·
2. 学校給食支援センターの類型·

第3章 学校給食支援センター運営方式·
1. 直営·
2. 委託·

第4章 学校給食支援センター運営委員会·
1. 設置目的·
2. 構成·
3. 役割 ·

第5章 学校給食支援センター :食材供給管理·
1. 食材供給品目及び品質基準·
2. 食材供給業者選定·管理基準·

第6章 学校給食支援センター: 食材配送管理·
1. 学校と学校給食支援センターとの契約·
2. 配送協力契約·
3. 配送業者の管理·監督 
4. 配送業者の契約解除·

第7章 学校給食支援センター:  食材安全管理
1. 食材安全性検査
2. 原産地確認及び履歴追跡·
3. 食中毒事故予防·管理·

第8章 学校給食支援センター:  食材の価格管理·
1. 食材のセンター買い取り価格管理·
2. 食材の学校供給価格管理·
3. 食材価格に対する異議申し立て·

第9章 学校給食支援センター:  補助金·
1. 補助金の目的·
2. 補助金の支援基準·

第10章  付録·
1. 学校給食支援条例(標準案)·
2. 学校給食支援センター活性化方策(研究要約)·
3. 学校給食支援センターの運営状況·
4. 国立農産物品質管理院事務所 現況
5. 学校給食関係法令(抜粋)



3. 学校給食支援センターの設置·運営

A) 学校給食支援条例などに設置·運営の根拠を置くこと。

○「学校給食法」第5条(学校給食委員会など)第5項では学校給食支援センターの設置·運営に関して必要な事項を該当地方自治体の条例で定めるよう規定。

○ したがって、現行条例に根拠規定がなかったり不十分な場合には、改正手続きを経て学校給食支援センター設置·運営の根拠を置かなければならず、運営に必要な基本的な事項を定めなければならない。

B) 学校給食支援審議委員会の構成·運営

○「学校給食法」第8条(経費負担など)第4項に基づき、特別市長·広域市長·道知事·特別自治道知事および市長·郡守·自治区の区庁長は学校給食に品質の優れた農産物の使用など、給食の質の向上と給食施設·設備の拡充のために食品費および施設·設備費など給食に関する経費を支援できる。

○ 第5条第3項では特別市長·広域市長·道知事·特別自治道知事および市長·郡守·自治区の区庁長は第8条第4項の規定にともなう学校給食支援に関する重要事項を審議するためにその所属下に学校給食支援審議委員会を置くことができるよう規定する。

○ したがって、地方自治体が一般会計予算から給食に関する経費を支援するためには、学校給食支援審議委員会を構成し、重要事項について審議を経て決定しなければならない。

○ これと共に、学校給食支援センターの設置および運営と関連して地方自治体の予算支援が伴う場合は、学校給食支援審議委員会の審議が必要である。


C) 所要予算の確保とセンター設立の推進

○ 学校給食支援センターを設置·運営しようとする地方自治体は、まず地域内の既存の
農産物総合流通センター及び産地流通施設(Agricultural Product Processing)
Center :APC) と供給業者を最大限活用し、学校給食支援センターの機能を遂行できるように運営方案を模索する必要がある。

○ 地方自治体は物流機能を直接遂行するセンターを新設したり、既存施設を拡充するなどの方案が用意されれば、所要予算を確保し、関連施設を備えるなど学校給食支援審議委員会の審議を通じてセンター設立を推進する。

○ 学校給食支援センターを設置·運営するにあたって、予算と人材が多く必要な前処理施設および低温倉庫などの物流施設や設備を必ず備えなければならないものではなく、既存のサプライチェーンの組織的な体系化を通じて学校給食支援センターの機能を遂行する効率的な事例もある。
※ (例)慶州市農業技術センター、済州市給食支援センターなど

○ 広域自治体単位の学校給食支援センターの行政支援機能は、関連行政組織内に担当部署(専担チーム)を設置して運営することができる。

○ 学校給食支援センターの名称は地方自治体別の代表性を示すことができるように地域名を使って「○○○市(郡·区)学校給食支援センター」と命名し、名称に「親環境」または「流通」等の特定形態に制限する修飾語を使用して、地方自治体の指定なしに学校給食支援センターまたはこれと類似した名称を使うことは消費者に混乱を与えかねないので排除することが望ましい。

○ 学校給食支援センターの主な利用者は学校なので、地方自治体は学校給食支援センターの設立過程および運営過程で教育庁と協議し、地域と学校が必要とするセンター、役に立つセンターを作らなければならない。

○ 一方、地方自治体長は公式に学校給食支援センターに対する地位を付与する行政行為を行い、センター設立および運営事項を地域内の食材消費先である教育庁と各級学校に案内するなどの広報を通じて関心と参加を誘導する情報共有の努力が必要である。


D) 学校給食支援センター運営委員会の構成·運営

○ 学校給食支援センターの運営に関する実務中心の重要事項を審議するため、地方自治体の長はセンター内に学校給食支援センターの運営委員会を設置すべきであり、学校給食支援センターの運営形態が行政型センターの場合には管轄教育庁と協議してこれを置かないことができる。

○ 学校給食支援センター運営委員会はセンターの効率的運営と利害関係者間の円満なコミュニケーションのための協議体で、食材品目別受発注管理、価格決定、配送管理、安全管理などに関する事項を審議し、その構成及び運営に関する事項は、第4章で別途詳細に提示する。


4. 学校給食支援センターの運営上の留意点

A). 学校給食支援センターの設置·運営の効率性向上が必要である
○ 学校給食は学期中の平日の昼食を原則として運営されることにより、年間190食(年間食事量の1/6)の提供に過ぎず、休みなどには供給が中断されるので、学校給食だけのための給食支援センターの運営は非効率的。
⇒ 学校だけでなく、地域内の保育施設や病院、企業、官公庁など食材の大量消費先(集団給食施設)全体を対象に給食支援センターを拡大運営できるように努力することが望ましい。

B)  学校給食支援センターで全品目を供給する際、既存業者との共生プランを準備
○ 学校給食支援センターが学校給食に必要な食材全品目を供給する場合、政府独占で食材市場を全面的にまたは大部分を支配することになり、競争者なしで行う地方自治体独寡占事業に移行し、その弊害が憂慮され、またこれは自由市場経済原則に衝突する可能性があり、既存食材供給業者らの抵抗と反発が憂慮される。
⇒ 学校給食支援センターでは地域で調達および供給が可能な優秀農産物の供給が基本趣旨であり、品目を拡大する場合は既存の食材のサプライヤーと共存・協力する方向で運営することが望ましい。

C) 地方自治体の補助金(差額)支援と食材購買は区分が必要
○地方自治体が親環境(オーガニック)農産物購入に必要な費用(差額補助金)支援を条件にセンター利用を誘導するなど学校長の食材購買契約権限を侵害する事例
⇒ 学校給食に必要な食材の購入は、学校長固有の業務であり、食材の調達方法は、学校運営委員会の審議を経て、学校長が決定すると規定した「学校給食法施行令」第2条及び「地方自治体を当事者としてする契約に関する法律」を遵守しなければなりません。


第2章 学校給食支援センターの機能、および類型

 1 学校給食支援センターの機能
 2 学校給食支援センターの類型

1. 学校給食支援センターの機能

☞学校に食材を供給する学校給食支援センターの主要機能は大きく行政機能と流通および物流機能に大別される。 行政機能は物流センターが円滑に運営されるよう計画し、指導・監督する機能であり、物流センターの機能は、学校と物流センター間の食材供給契約、受発注、生産管理、自宅配送などの機能のことである。

 A) 行政機能
○ 学校給食支援センター運営計画の樹立
○ 食材品目別使用量などの実態調査
○ 生産者組織と契約生産による生産調整および品目選定
○「地方自治体を当事者とする契約に関する法律施行令」第16条の2(情報処理装置の指定·告示)上の指定情報処理装置と電算連携情報共有システムの構築
○ 学校のユーザーに対するクレーム管理および精算プログラムの運営
○ 物流センター運営業者選定および指導・監督
○ 学校給食支援センター運営委員会の決定事項の履行および学校、管轄教育庁間の給食業務協議など
○ 学校給食支援センター内の施設·装備などの管理

 B) 流通および物流機能
○ 物流集荷場など物流センターの運営
○ 多数の給食学校に同時供給のためのサプライチェーン(流通体系)を構築
○ 生産者との契約栽培あるいは産地流通センター、系統組合、生産組織などとの協約(契約)を通じて安定的な食材物量を確保
○ 産地指導·点検及び搬入食材の検収·検品
○ 給食納品車両および作業場衛生教育と点検

2. 学校給食支援センターの類型

☞優秀食材支援のための学校給食支援センターの機能を円滑に遂行するためにセンターは地域実情により多様な形態で運営され、現在運営されているセンターを類型化すれば次の通り

A. 統合直営型
○ 学校給食支援センターの行政機能と物流、流通、前処理などの機能を統合し、地方自治体が直接運営するタイプ。

○ 地域で食材の生産が行われ、学校給食支援センターが給食学校への直接納品が可能な環境が造成される農村型地域の場合、上記のような形での運営が適している可能性がある。

○本類型は、地方自治体が学校給食支援センターを直接運営することにより、消費先である学校の立場で責任所在が明確で信頼性を確保できるが、施設投資及び運営において非効率が発生する可能性がある。 したがって、学校給食支援センターの運営主体である地方自治体は、教育庁と学校を中心に持続的な協議を通じて効率的な運営方案を模索しなければならない。

B. 統合委託型
○ 学校給食支援センターの行政機能と流通および物流機能を統合し、非営利または公共性を持つ団体などの機関と委託契約を通じて行政、物流、前処理、流通などの機能を統合的に委託、運営するタイプ。

○ このタイプは、委託事業者を通じた学校給食支援センターの基礎行政機能を遂行するとともに、生産者から食材需給および給食学校への食材供給機能を遂行することができる。

○ 地方自治体の条件上、行政および物流機能をすべて備えることが困難であったり、学校給食支援センターを効率的に運営できる適格な団体の運営を希望する場合、基盤施設及び機能が確保された委託事業者が統合委託運営することで専門性を図ることがでるが、運営が委託された学校給食支援センターの効率性確保と効果的な管理のために持続的な指導·監督および教育庁との協議が必要。

C. 部分委託型
○ 地方自治体は学校給食支援センターを設置して直接運営することができ、部分的に物流、流通、前処理などの機能については委託事業者との契約を通じて該当機能を遂行することができる。

○ 本類型は地方自治体の基礎行政機能と専門性を持った委託事業者の施設などを基盤とした物流、流通、前処理などの機能遂行でシナジー効果を通じて個別地方自治体に適した形態に替えて運営は可能であるが、統合委託型と同様に運営部分が委託された学校給食支援センターの効率性確保と効果的な管理のために継続的に地方自治体の指導·監督が行われなければならず、教育庁との協議が必要。

D. 行政型
○ 地方自治体は行政機能の学校給食支援センターを設置し、同センターで既存インフラを活用した食材供給業者の認証と指導・監督を行い、業務を遂行することができる。
※ (例)農林畜産食品部(国立農産物品質管理院)が推進している「食材優秀管理業者」など

○ この時、学校給食支援センターは食材の流通と関連して生産農家または卸売業者から食材を買い上げ給食学校に供給する流通業者を認証し、これらを指導·監督する役割を遂行しなければならない。(以下続く)


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