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黒ばっかり着る時

今日、気がついたら全身黒を着ていた。

バイト先にはドレスコードがあるので、白黒灰系にはなるのだが、上下を違う色に組み合わせてもよいので、普通はシャツが白、ズボン・スカートが黒になる。
その程度だが、今日の自分は帽子から靴下まで全部黒だった。

通りを歩いている姿が建物のガラス窓に映り、肌が露出しているところ以外全て黒の姿を見て「なんかつまらない」と思い、それと同時に「何かを恐れている」と自分に思った。

一人で生きていると「強くあらなければならない」という意識が生まれるのかもしれない。なめられてはいけない。颯爽としていなければならない。かわいい。なんて要素は無論必要ない。みたいな無意識の結果、全部黒を選んだ気がする。

個人的に全身黒にしてしまうという行為は、最も単純で最もつまらない判断だと思っている。(大学生の時に、そろいもそろって同じような黒シャツにリュックにスニーカーの連中が大量に発生してうんざりしたのがこの極端な思想を生んだ原点かもしれないですね。)

黒ばかりになると深層意識が逆に丸わかりというか、別に心理学とか勉強していないけれど、黒ばかり選んでいる時は特に自分の場合「何かが怖くて」それをカバーする装甲みたいな感じで黒を選んでいる。

何にでも合うし、派手な服に合わせやすいけど、それより装甲(アーマー)としての意味合いが自分の場合は多いにある。



新しいリュックサックを買おうと思っている。
敢えて奇抜な色のを一つ買ってみたが、奇抜過ぎてちょっと日常使いが厳しいことに買ってから気づいた…。
なので、使いやすい日常用にもう一つと考えているが、普通に突き詰めると黒が一番機能的であることにも気づく。
やはり、黒を買うしかないのか…。という気持ちもありつつ、気が乗っていないものをわざわざ買わなくても良いのでは。とも思う。


この地球上に住む人類は一体どういった思考原理で黒いリュックを選び、その(ありふれた)色彩と自分の内面との落差を埋めているのだろう。



今日の帰りにスーパーで見た子連れの母親も黒いグレゴリーのファインデイのリュックを背負っていた。
駒沢大学の前を通った時も、近所の高校の通学路を毎朝通る時も、彼らが背負っているのは約97%の確立でなんと「黒」のリュックである。高校生はノースフェイス、アディダス、マンハッタンポーテージ。大学生はグレゴリー、ニューエラ、アークテリクスなどが多い。
何故、何故そこまで皆黒いのか。

「周りが黒いから。自分も。。」というのがあるような気がする。
大名行列みたいな黒い背中たち。自分が学生だった頃はもう少しカラフルだった気がするけど、みんな背中が黒い。

その選択は自分が今日まさにした選択と同じなので、彼らの気持ちも少しは分かる気がする。

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