ローファーの問題
新入学シーズンを前に、通学用としてローファーの購入を検討されている方も多いと思います。そこで今回はローファーの問題点を取り上げてみたいと思います。
日本におけるローファーは女学生のマストアイテム、高校の下駄箱は○○○のローファーだらけ、故に生徒がローファーを取り違えることも多く、これを学校では○○○の“ローファー問題”、入学後によく起こるトラブルとのことです。
しかし、ローファーの問題はこれだけではないのです。
ローファーの歴史
Loafer(ローファー) は脱着が簡便で怠け者を意味しているのですが、1920年代に英国王室の室内履きとして誕生し外履きに転用されローファーとして定着、その後、1950年代にはアメリカ東海岸のアイビースタイルとして大流行、その流れは1960年代の日本でも、VANヂャケットを着て足元はREGAL、ジャーマン、ハルタのローファー、アメリカントラディショナルスタイルが流行します。
更に、1980年代になりハマトラブームなどを経てローファーが女学生のマストアイテムになってきた経緯があります。世界をみれば、女学生がローファーを履いているのは日本と東アジアの一部で本家の英国、アメリカではあまり履かれていません。
ヨーロッパの女学生はローファーを履かない?
ファッション性もありますが、ローファーの長所は脱着が簡便なこと、このことが靴を脱ぐことが多い日本で受け入れられた理由だと思いますが、脱着が簡単と言うことは、逆に靴内部での固定が弱く、歩くと靴が脱げたり足が靴の中で前滑りするのが短所になります。
一方、足の健康が重視されているヨーロッパでは女学生でも紐靴を中心に履かれています。靴紐の機能は足を確り固定して歩きやすくしてくれるのですが、靴を知っているヨーロッパでは紐靴を履くことはごく自然なことなのです。
ローファーは健康的な靴?
繰り返しますが、ローファーの短所は靴内部での固定が弱く、歩くと靴が脱げたり足が靴の中で前滑りすること、つまり、よほどピッタリ足にフィットしていないと歩くことに適さない靴なのです。
正しい歩行が出来なければ、足の筋力低下や膝や股関節の負担が大きくなり、靴内部で足が前滑りすれば、足にタコができたり、外反母趾になったり色々なトラブル要因になります。
これらのトラブルは直ぐに起こるのではなく何年も合わないローファーを履くことで発症するのです。実際、足にトラブルがあるにもかかわらず、学校で指定されているからとローファーを履かなくてはいけないと悩んでいる女学生もいます。
これも立派な#Kutoo(クートゥー)です。
ローファーを快適に履く為に最低限必要なこと
先ずは、足にフィットしたローファーを探さなければならないのですが、その為には思い込みではなく正確にご自身の足のサイズや特徴を知ることが重要です。
例えば、“中学生の頃に履いていたスニーカーが23.5㎝だからローファーも23.5㎝を買ったらブカブカだった”とは良くある話です。スニーカーとローファーではサイズ感も違うし、多くのローファーには調整具(靴紐・ベルクロ)はないのでピッタリ履かないと合わないのです。
また、日本で流通しているローファーの多くは足囲(足指の付根廻りの太さ)3Eの太目が主流、ところが現代の女学生の足は細くD~E程度なので仮に足長が合っても太さのミスマッチが生じています。
故に、ローファーがブカブカで靴が脱げないよう歩きづらそうにしている女学生を散見することになるのです。
これらの問題を解決するには、
正確に足を計測しローファーを合わせてくれる近くのシューフィッターに相談することを強くお薦め致します。
また、ローファーは必要に応じてバランスや靴の内部空間を調整することも大事になります。
真のローファーの問題
学校では同じデザインのローファーを生徒が取り違えることを問題としています。しかしながら真のローファーの問題は、
足に合わせることが難しい靴で足に合わないまま履き続ければ健康を害す可能性が高くなることなのです。
そこで調整具付き(ベルクロ)のローファーが欲しいところですが、キッズ向けには大手メーカーさんも販売してくれています。ただ、問題は中・高生が履けるタイプでは少ないのが現状です。
外反母趾やX脚、足部の柔らかい足は、制靴としてのローファーでは支えられないこともあります。そんな場合は動画でも履いてもらっていますが、グーテヴァールルッコラという見た目はローファーでもベルクロ脱着が可能なタイプもありますので参考にしてみて下さい。