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【学生向け】ブラックバイトでうつになって2留した自分が伝えたい「やめた方がいいバイト」

※今回の記事は主に4月から新生活を始める学生向けの記事です。北東北とは一切関係ない内容になります。ご了承ください。

 4月から1人暮らしを始める学生の大学合格おめでとう。

 恥を承知で告白すると、タイトル通りに自分は大学時代に労働環境が過剰に過酷なバイト、所謂ブラックバイトで心身を壊して2留した経験がある

 今回の記事は自分の体験を共有し、自分のような人間を2度と産まない為のものだ。
 特に初めての一人暮らしでアルバイト先をこれから探し始める学生は、ぜひ一読して欲しい。

 なお当記事は所謂ブラックバイトと呼ばれる過剰に労働環境が劣悪なバイトの話だ。
 最近問題になっている、闇バイトと言われる詐欺の受け子を始めとした完全に非合法のバイトについてはそもそも労働環境云々以前の問題なので今回は取り上げない
 自分のバイト先も合法かどうかで言うと色々とアウトだった気がしないでもないが、最終的にうつの病歴と留年のダブルパンチで就活で同級生よりも苦労したとはいえ、少なくとも前科がつくことはなかった点についてだけは闇バイトよりもマシと言わざるを得ない。

自分が働いていたバイト先について

 自分がうつになった原因のバイト先は、大学近くにあったローカルスーパーだ。
 以下スーパー名をスーパーBと表記する。
 なおこのBはブラックバイトのBであり、実際のスーパーの名前とはかすりもしていない名称であることは留意してほしい。

今思うとヤバかったスーパーBの思い出

・まともに給料が支払われない

 こういうところでアルバイトをしているなら、絶対に今すぐ辞めて欲しい。
 期日になっても給与が支払われなかったり、募集要項と賃金が全く違うバイト先ははっきり言って働く価値がない
 この手のバイト先に限って「働かせてやってる」という態度を剥き出しにしてくるので社会経験がない学生は勘違いしそうになるが、残念ながら最低限まともなバイト先では募集要項通りの額が期日に全額振り込まれる
 二束三文で自分の心身の健康と人生の上で貴重な学生としての時間を売り払うくらいなら、ボランティアをやった方が遥かにマシだ。こちらの方が将来的に就活のネタにもなるし、よっぽど社会勉強になる。

 バイト先Bの場合は、募集要項と実際の賃金が全く違った
 具体的に言うと募集要項では給与は1000円程度、深夜・休日手当ありとの記載であったが、働き始めて給料が振り込まれてから「この給与はアルバイトではなくてパートの賃金」と説明され、アルバイトには深夜・休日手当がなかった。なおこのスーパー、深夜はバイトだけで回していたのでそもそも深夜手当なるものが実在していたかすら怪しい。更に言うと試用期間の名目で全員がピッタリ半年間最低賃金で働いていたなど色々あった。
 職場によっては就労の際に指定された靴などの制服を最初に購入する必要がある場所などもあるが、基本的にこういった費用や細かい賃金の説明は最初の面接の段階で行われる。賃金が出てから聞いてた話と違うというのは、かなり危険なサインだ。
 残念ながら求人票に法的拘束力は現在のところないようだが、それはそれとしてまともなバイト先では募集要項通りの賃金が支払われることは改めて強調しておく。

・シフトの強要

 当然ながら、学生の本分は勉強である
 間違っても必修科目の時刻にシフトを入れさせようとしてくる職場や、試験期間にも連日深夜までシフトを入れてくる職場で働いてはいけない。
 特に試験期間、こちらも学生バイトにも関わらず「学生バイトばかりだから人手が足りない」と言って無理やりシフトを入れてくる職場もあるが、そもそも同じ大学の学生であれば試験期間が被るのは当然であるし、それを分かった上で学生ばかりを採用したのは職場側だ。その皺寄せを学生自身が受ける必要は全くない

 また、最初に絶対に無理なシフト (必修科目の時間など)を入れ、それを断らせた上で理論上は無理ではないがかなりしんどいシフトを入れさせてくる場合もある。
 これは「ドア・イン・ザ・フェイス」と言われる手法で、最初に過大な要求を行い、それを断らせた負い目に漬け込んで不利な要求を飲み込ませるのが目的だ。単純なミスの場合もあるが、こういうことが常態化している場合は向こうにそれなりの悪意があると思っていい。

 ちなみにスーパーBの場合、他にも数ヶ月前から毎月連絡を行っていた大学の研修のために2週間ほどシフトを入れれない期間について、前の月になってから「そんなこと聞いていない」と言い張って研修を断らせようとしてきたり、元々週3〜週4勤務の希望だったにも関わらず週5勤務が常態化していることについてシフトを減らしてほしいと頼んだところ、「勤務表上は週4勤務にして、その上で毎週『人手が足りないから今から入れ』と電話をしつこくかけてきて結局また毎週週5〜週6勤務になった」という悪趣味なコントのような事態に陥ったりした。
 おかげでスーパーBを辞めた後に見た映画の中に、たまたまスーパーB時代に自分の着信音にしていた曲が登場し、当時の記憶が蘇って映画館内でパニックを起こしかけたという笑えない事態になったこともある。
 現在でこそ寛解しつつあるが、辞めた後にもこういう形で苦しむことになることもあることは覚えておいてほしい。

・セクハラ・パワハラの横行

 若い頃の苦労は買ってでもしろという人間は、大抵苦労を押し売りする側の人間だ。

 上述の賃金関係の問題やシフトの強要も立派なパワハラであるが、これ以外にも虫の居所の悪い社員がアルバイトを理不尽に叱責したり社員が異性の若いアルバイトに付き纏ったりということも日常茶飯事だった。
「そのくらい気にする方がおかしい」などと言われるかもしれないが、まともな企業ならこれらのハラスメント関連に加えてSNSの使い方などといったコンプライアンス研修はしっかりと行うはずだ。

 また、これは後に就職して改めて実感したが、コンプライアンスに限らず法令や規則、マニュアルやルールというものは基本的に血で書かれている。
 勿論元々の目的が忘れられて形骸化したルールというものもあり、そういったものに対しては柔軟に対応することも求められる。しかし、基本的にルールは「何かあったからできた」と思ったほうがいい。それらを軽視する時点で、その職場における命や権利は軽い可能性がある。

・卒業ギリギリまで在籍している学生バイトがほとんどいない

 この辺りは絶対に危険だとは言い切れないが、ある程度の基準になると思う。
 他のバイトが短期間で辞めるバイトは大抵危険だが、逆に言えば条件のいいバイトならそのまま卒業ギリギリまで在籍していることも珍しくない。そして何より、卒業できる程度にはテスト期間や就活の時期に休みをもらえていることの証左でもある。

 面接時には「テスト期間には休ませる」と言いながらも実際はシフトを強要するのはブラックバイトの常套手段だ。言われたことを素直に信じるよりも、実際に周りの人はどうなのかを確認する方が確実な手段だ。

・面接後即採用

 これも100%ではないだろうが警戒したほうが良いサインとして、面接後に即採用を告げられるパターンがある。
 普通、新たに働き手を雇う場合は「その人が入れるシフト (シフト制の仕事の場合はこれが1番大事だと思う)」「本人の希望する担当」「面接した上での様子」など様々な条件を加味した上で考える必要がある。余程理想的な人材だとしても、万が一のミスマッチが起きないように再確認した上で後日改めて採用の連絡をするというのが基本だ。にも関わらずその場で採用を決める職場は余程の人手不足か、働く側の希望を聞く気が全くないか、その両方である可能性が高い。
 なお自分は面接の先に品出しや調理を希望していることを告げたにもかかわらず、完全に無視されてその場でレジ担当になり制服を渡された。今思えばこれが地獄の始まりだった。


 他にも細かい話だと休憩室のテーブルと椅子は社員が占領しておりアルバイトが使用すると怒られたり、確定ではないが辞めた後に賃金を計算すると実際に入っていた時間と合わずカラ残業をしていた可能性があること、辞める際にも揉めた上に上司の1人の嫌がらせで源泉徴収書がもらえず、最終的に会社本部に連絡して郵送してもらってことなきを得たなど実に様々な思い出がある。
 改めて書き出すと数え役満にも程がある。特に前者2つの給与が支払われない、或いはシフトが強要されるバイト先は、今学生が働いているならば絶対に辞めた方がいい。
 また、今回記事を書く際に出てきた情報であり流石のスーパーBでもそういったことはなかったものの、他のブラックバイトでは辞める際に違約金を払わせようとする、販売ノルマに達しなかった場合は自腹を強制するなどといったパターンもあるようだ。
 この辺りについては完全に違法なのでこの場合も辞めた方がいいし、払う必要もない。
 また、ある程度の規模の大学なら学生相談室がある。心身が疲弊した状態でこういったところに行くのは確かに大変だが、辞める際にトラブルになる恐れがあるなら早めに相談しておくといい。揉めずに辞められたならば「よかったね」で済むし、場合によっては無料で弁護士による相談も受けられるはずだ。無知な学生を騙そうとしているタイプの人々は、その後ろめたさのためかビックリするほど相応の知識と地位がある人間に弱い。


なぜ自分はバイト先Bを辞められなかったのか

 改めて書き出すとかなりえげつない職場だったことが改めて分かったが、同時に読んでいる皆さんは「何でやめなかったんだ」と思うだろう。
 正直自分も書いていて、すぐに辞めなかったことを強く後悔している。

 ただ実際にトラブルの類は、巻き込まれている本人と第三者からでは見え方が違うことも少なくない。
 特に今のアルバイト先の職場の環境に悩んでいる学生は、以下の「なぜ辞めなかったか」を読んでみて当てはまらないか確認してみてほしい。

・社会経験がなく、バイト先は全てこういうものだと思っていた

 はっきり言ってこれが一番大きい。
 スーパーBのような職場は、間違いなく異常だった。それでもあの異常な職場が成り立っていたのは、あそこが県外から引っ越してきたばかりで社会をよく知らない1人暮らしの学生が多い地域だったからだと思う。
 これはカルトや詐欺などにも通じる話でありブラックバイトに限らないが、1人暮らしを始めたばかりの学生というのは絶好のカモだという自覚を忘れないでほしい。

・「ここですら続けられないなら他のところでは働けない」と罵倒され続けて感覚がおかしくなっていた

 これはブラックバイトに限らず、恋人や配偶者などが行うモラルハラスメントの典型でもある。
 過剰かつ理不尽に自己評価を著しく下げることで依存させる極めて悪質な手口だ。

 街の規模にもよるが県庁所在地かその次か次くらいレベルの人口規模で、しかも比較的自由に時間が使える学生ともなれば基本的に買い手市場だ。
 最低限遅刻せず、身だしなみなどのルールなどを守り、かつ言われたことをやれるのであれば、多少接客が苦手だったり容姿が優れなかったりしようが必ずどこかしらバイト先はある。

 そもそも考えてみてほしい、本当に「他のところではまず通用しないような無能」なら自分のところでも持て余すはずだ。ならばやんわりと他の職場を勧めて辞めさせ、適当に放流したほうが絶対にいい。こういった暴言が吐かれるような対象は、本人の能力とは関係なく「こいつはどう扱っても言い返さない体のいいサンドバッグ」扱いされている人間だ。その上でこういった人間は、職場によっては真っ当に評価されることも珍しくない。

・激務で友人関係や家族関係が希薄になり、他のバイト先を探す気力もなかった

 これもカルト教団などでよく行われるという手口らしい。その集団以外との交流を絶たせ、他に居場所がなくなることで集団に依存させる手口だ。
 実のところ留年前までは同級生から彼らが働いている職場を紹介されるなど心配されてこそいたのだが、その時点で素直に辞めなかった為に留年し、彼らとも疎遠になってしまった。
 実家についてもほとんど帰省できず、そもそもLINEなどで愚痴を言ったところで「働くというのはそういうこと」「バイトくらい頑張れないのは甘え」というスタンスだった。
 だからこそ利用されたのだろうが、友人関係や家族関係が希薄な自覚がある場合は特に注意した方がいい。

・バイト先を転々とするよりも、同じバイト先に長く勤めた方が履歴書に書く際に有利だと思った

 これはバイト先が決まった際に家族から言われて鵜呑みにしてしまった言葉だ。
 同じバイト先にずっと勤めていたことで上がる評価とそれで心身を壊して最悪大学を中退するリスクとを天秤にかけた場合、圧倒的にデメリットの方が大きいことはいうまでもない。
 また、これについては一概に言えないが社会人になった後に振り返ってみるとバイト先を含めて様々な経験ができるのはむしろ学生の特権だと思う。

 社会人になってみるとおいそれと転職することは難しい。また、転職した場合も少なくない確率で前職と近い仕事をすることになり、一生似たような仕事をし続ける人間の方が大半だと思う。
 勿論、家庭教師のバイトなど気軽に辞めにくい仕事もあるが「様々なバイトをして多角的な経験を積む」というのも学生の働き方としては悪くないと思う。
 また、本人の勤務態度などに問題がなかったのなら、一度辞めて他のバイトを経験した後に、再び元のバイト先に戻ってくるという手もある。実際にそういう人も、後述するスーパーBを辞めた後に始めたバイト先にはいた。


じゃあどういうバイトが良かったのか

 以上を含めて、自分がもしも今当時に戻れるとしたらどういったバイトをするべきだったか考えた。飽くまでも失敗した人間の意見であり、参考程度に聞いてほしい。

・まずは単発バイトからがおすすめ

 特に働いた経験がない場合、まずは単発バイトから始めることをお勧めする。
 自分の場合は学生向けの人材派遣会社に登録して仕事を斡旋してもらったが、最近ならタイミーやバイトルのようなアプリなど利用するのも手だろう。

 前述した「様々な経験がしやすい」ことに加えて、後から長期バイトを始める場合にも全く働いた経験がないよりは例え単発バイトでも仕事経験がある人の方が面接に受かりやすい
 単発バイトは収入にムラができやすいことが欠点だが、大体ゴールデンウィークから8月の夏休みシーズンにかけてはそれなりにイベントも多く、収入も見込める。
 さらに9月になれば夏休み中に働いていた高校生などがバイトを辞めることも多く、そこで生じた欠員の募集に応募するというのも狙える。
 そして何より、単発バイトは仕事の種類が本当に多い。大学があるような地域ではよくあるのは試験監督のバイトだが、他にも各種イベントのスタッフや料理の補助や時期によっては選挙の投票の案内、地方では出荷する野菜の袋詰めなんてものもある。
 働く気がなくても、メールで来る求人やアプリの募集中の仕事一覧を見るだけでも楽しい。
 また、長期的に働かないと見えてこないものもあるが、様々な種類の単発バイトをやった上で自分の適性を見極めるのも良い。実際に働いてみたら思ったよりも力仕事が苦でないとか、接客業が苦でないとか、逆にあまりにも苦手なので絶対に続けられないというのを見つけられるチャンスでもある。

・友達や先輩が勧めてくれるバイト

 その友人や先輩が実は碌でもない人間で、宗教勧誘やら闇バイトやらだったというリスクも確かにある。でも少なくとも、何も知らずに飛び込むよりはまともなバイト先を見つけられる可能性が断然高い。
 逆にバイト先を続けるか迷っている場合の判断基準の1つとして「もし自分の友達が新しいバイト先を探していた場合、今の職場を勧められるか」は覚えておいていいと思う。


 長々とは書いたが、学生の本分は勉学であることされ忘れなければアルバイトも立派な社会経験だ。

 それに、単純に自由に使えるお金はあるに越したことはない。
 1人でも、友達や恋人や家族とでも、どこかに旅行に出かけるのもいい。特に長期の海外旅行となると、時間的に余裕のある学生だからこそ行ける場所も多い。また、就活や就職前に一度くらいは1人でパスポートやビザの申請、航空券の入手や搭乗手続きなどをしておけば、必要になってこれらをやる時にかなり気持ちが楽だ。
 そうでなくても興味を持った分野を勉強し、資格試験を受けるのもいい。他人に迷惑をかけずかつ生活に支障をきたさない範囲なら、趣味に没頭することも立派な使い方の1つだ。

 またスーパーBで働いていたことこそかなり苦い経験であるが、このスーパーを辞めた後に始めた映画館でのバイトでは上司や同僚にも恵まれ、今ではそれ自体が非常にいい思い出だ。

 これから大学生活を始める、あるいは今まさに大学生活をしている人がこれを読んでいるなら、その学生生活で1つでも楽しい思い出ができることを祈っている。


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