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六月は、雨の匂いがする。                 ~Episode1 涙

女らしくない女、だって。
察しの悪い女、だって。
がさつな女、だって。
デリカシーのない女、だって。

最後にわたしへの不満をごまんと並べて、あいつは私を振っていった。

女らしくないだって?
察しが悪いだって?
がさつだって?
デリカシーがないだって?

全部それの男バージョンにして、お返ししちゃうわよ。

悲しいのは、そんなことを言われても、心のどこかでまだあいつを好きだから。
悔しいのは、そんなことを言っちゃうあいつを、かなり本気で好きだったから。


眠れないまま迎えた朝。
ご飯を炊いて、きちんとダシからとったお味噌汁を作って、もりもり食べた。とにかく、食べた。
あつのせいで、やつれたなんて嫌だ。
わたしのささやかなプライドが、わたしを強くさせる。

外は雨。
六月が、私の代わりに泣いていた。


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