見出し画像

おっさんのマッタリ闘病記【8】

皆さんこんにちは。かんおさです。
毎度ながら、このような辺境までお越しいただきありがとうございます。

今回も、難病である視神経脊髄炎を抱える私の闘病生活を、ざっくばらんにお伝えできればと思います。

【あらすじ】
視神経脊髄炎の治療薬であるソリリスを投薬したものの、胸に痣が出てしまい、念の為に1日入院することになった私だが……?

そんな感じで、今回もお暇な方はゆるりとお楽しみくださいませ。

※注意
この記事は私の闘病生活をなるべくコミカルに表現してお伝えしております。
その為、人によっては不謹慎と思われる表現もあると思いますので、気になる方は読まないようにお願い致します。

やはり入院生活の問題は夜に起こる

前回の入院生活とは違って短いながら色々とあったが、そこはそれ。
多くの患者が集まるわけだから、それは色んなことが起こるのも当然だ。

そして、やはりというか、前回の入院生活でもそうだったが、夜は割とトラブル(ネタともいう)が発生する頻度が高い時間帯でもある。

今回は1日延長とは言え、数日の入院生活だったので気も楽だった。
あれから特に問題も起きてないため、明日の朝には即退院である。

そんな状況だったからだろう。私は完全に油断してたのだ。

その夜。

消灯時間も過ぎ、ステロイドの影響で眠りに落ちにくい状態である私だったが、そんな生活にも慣れていた。
流石に周りの生活音が気になるので、カナル型のイヤホンで完全に外界の音を遮音し、ヒーリング系の音楽で耳を癒しながら、少しずつ眠りに落ちていった。

しかし、ここは病棟。またの名を魔窟(勝手に命名)である。

うつらうつら……と、気持ちよく眠りにいざなわれて……。

「※〇◇☆!!!!!」

!?!?!!??!
突然、病室に響き渡る絶叫に叩き起こされた。

最初、何が起こったのかすら分からない位に不意打ちだった。
ガバっと起き上がれば、私以外の方も、身を起こしたのだろう。そんな様子が微かにイヤホン越しに感じられる。
本当に不意打ちだったため、早鐘を鳴らす私の心音が全てを塗りつぶす勢いで、耳朶を打っていた。

えっと、え? 何? 大丈夫なのか? 凄い絶叫だったけど。
しばし、様子をうかがっていると、それはまた起こった。

「まんぎょんぼんごう!!!!!!!」

身構えていても、ビクッと身体が反応してしまう位の大声だった。
は? 何、何なの? マジで、どういう事?

「まんぎょんぼんごう!!!!!!!」

流石に三回目ともなれば多少冷静に聞くことができるようになった。
えーっと、私の耳がおかしくなければ、万景峰号(マンギョンボンゴウ)って聞こえるんだが。

え、何それ、私、そんな懐かしいものに叩き起こされたの?
っていうか、何でチョイスがそこ?

一瞬、あの恰幅の良い北の将軍様が脳裏をよぎり、それと同時にあの威勢のいいピンクのアナウンサーが何かをあの威勢のいい語気で語り始める。
控えめに言って、私の脳内はカオスの一言だった。

どうやら結局のところ、あの向かいのPCおっちゃんの寝言だったらしい。

その後も、万景峰号の絶叫はしばらく続いた。
何度か叩き起こしてやろうかと考えたが、私は明日には出ていく身だ。
それにこの位なら、音楽でかき消して「万景峰号!!!!」あ、無理。

まぁ、実際は何と叫んだかは、今となってはわからないのだが、少なくともその時の私の脳内は寝言と言うには酷すぎる絶叫によって完全に将軍様達に支配された。

そして、とりあえず凄いなと思ったのは、私だけでなく他の方も無視を決め込んだ点だった。
普通の人ならブチ切れてもおかしくないと思うんだ、うん。

まぁ、こういうのって眠りが深くなれば落ち着くらしいから、その内、収まるだろうと、高を括っていた過去の自分の落ち度を、今の私は知っているわけだが。

そして、残念ながらその後1時間以上、この絶叫は続き、その間、何度となく叩き起こされる地獄を味わったのだった。

教訓:寝言が酷かったらナースコールを押しましょう。

おっさん退院する そして始まる通院生活

久々に入院生活で負の洗礼を受けたのだが、それはそれ。
朝の食事をもそもそと食べ、フラフラになりながらも看護師さん達にお礼を言い、サクッと退院した。

というのも、急に入院期間を延ばしたので、退院と同時に仕事だったのだ。
よっしゃー、ほぼ徹夜明けの勤務だー! ひゃっほぅー!(徹夜明けハイテンション)

久々に通勤ラッシュの時間に外に出たが、その日はラッキーな事に人も少なく、混雑に巻き込まれる事無く帰路につく。

相変わらず万景峰号ショックでフワフワしていたが、何とか業務をこなし、倒れ込むようにその日は終えたのを覚えている。

やはり睡眠は大事。うん。

そして、始まったソリリス生活だが、これは割と順調に推移した。

このソリリスというお薬だが、最初の投薬以降、4回は1週間ごとに、そしてその後は2週に1回、投薬が必要な割と厄介な部分もあるのだ。

この辺りは普通の生活を送っている方にはかなりの負担になると感じる。
何せ、2週に一回、点滴の為に来院しなければならないからだ。
当たり前だが、仕事の前や後の時間に点滴とか無理(病院が開いてない)なので、勤務中のどこかに抜け出す、もしくは休まないといけなくなる。

1か月に2回それが発生する上に、基本はずらせないので割とスケジュール管理に余裕のある方でないと、この投薬サイクルは厳しいと思う。

そんな訳で、2週間に一度、私は通院するようになっていた。
最初は、交通機関の乱れで割と通院時間がぶれまくったのだが、路線を工夫したり最近は慣れてきたので、割と狙ったタイミングで到着できるようになった。人間の適応能力凄いわー。

今日も見慣れた病院へと吸い込まれていく。
流石の大病院だけあって、受付も基本は自動である。
受付機に診察券を通せば完了。

そして診察時間15分前に受付へと向かうという流れになっていた。
だが、流石の大病院。そうは簡単に事は収まらない。

実は最大のネックがあるのだが……投薬するには毎回、医師の診断が必要なのだ。
つまり何が言いたいかと言うと、投薬時間だけ確保できればOKではないのである。診断される時間とか、諸々の時間を確保できないと、続けられないのだ。

そしてここは天下の大病院様である。
もう一度言う、大病院様である。

そうなのだ。病院の規模が大きいという事は、患者数も比例して多くなるという事である。
これが診療所レベルの小さい場所なら言ってもそこまで待ち時間は発生しないと思うのだ。
だが、ここは天下の大病院様である!(しつこい)

まぁ、何が言いたいかもうお分かりかと思うのだが……

めちゃくちゃ待つ。
それはもう、嫌がらせなんじゃなかろうか?という位には待つ。

具体的には、最低でも1時間は待つ。
じゃあ、1時間遅らせてくれば良いんじゃね?と、捻くれた私は思ったので実践したら、その分ずれるだけだった。
1時間待つ、という事象はどうやっても回避できないらしい。

何でそんな事になっているのかなーと不思議だったのだが、ずっと通い続けるうちに、何となくその構図が見えてきた。
結論から言えば、大前提として私が来院した時点で準備が始まるからという事っぽい。
前にも触れたが、このソリリスさんは、諭吉の後光が差すくらいにはお高いのだ。

それがどうした? と思う方もいらっしゃるかもしれないが……つまり、超お高い薬が局内でどう管理されているかに想いを馳せればおのずと答えが見えてくると思うのだ。

例えば大手の会社でめっちゃ貴重なものを預かる場所があるとする。
それは多分、厳重に管理されていると思うのだ。金庫とかならまだしも、セキュリティールームとか色々と大変なことになってるだろう。
そしてそこから貴重品を持ち出すわけだから、その申請やら管理体制がめちゃくちゃ慎重に組まれているのも想像に難くない。

しかもこのソリリスと言う製剤は冷蔵が必要な非常に管理が難しいものだ。そこらの末端の錠剤(失礼)とはわけが違う。
それを仮にだが、私が来院しなかったのに用意しておいて、実はいないので使えませんでしたーとかなったらどうするか? もう大損である。
常温に戻したらもう次は使えないだろうから、貴重な製剤が単なる水に代わるのだ。考えるだけでも恐ろしい。私が管理者なら卒倒する自信がある。

と言う訳で、来院してから1時間くらいは確実に待たされるのだ。これはもうどうしようもないと思う。

更に、ここが天下の大病院という事もあって、もう一つの弊害が生まれている事にも触れておこう。

これは担当医によって変わってくると思うのだが、私を担当してくれるお医者様は優しく温和な方だ。
いつも懇切丁寧に診てくれるので、私も気を楽にして診察してもらっている。
なので個人的には凄く感謝しているし、不満も全くない。

だが、それが時として仇になるという事も往々にして存在するのだ。
つまり、患者と真摯に向き合うがゆえに、延々と語る患者にも向き合ってしまうのである。

私はその辺りは患者さんの不安な気持ちも理解できるので、どうこう言うつもりはない。お医者さんに聞いてもらう事で、不安が解消されるならそれは良い事だし、必要な事だろう。

だが、ジジババ、てめぇはダメだ!!(超偏見)

ここは茶飲み友達の集うカフェではないんだよ。
先生を話友達の代わりにしてもらっては(主に私が)困るのだよ!
あと、私の可愛い看護師さんと受付の皆様に暴言を吐くのはやめて頂きたい!(ジジババ率8割超)

という感じで、時として空気を読まない上に自分の事しか考えてない患者がいると、酷いことになる。

1時間待ちが、気が付けば3時間待ちになった事も1度や2度ではない。
重ねて申し上げるが、ご自分の病気に関係ある件でお医者様の意見を聞くことは良いと思う。それは、そのお医者さんにしか答えられないことだから。

でも、家族の事とか友達の事とか、それ医者に聞くことじゃないから!?

そういう人に限って割と声が大きいので、ドア越しに全部聞こえてますからね。それを聞かされて、困りながら話を元に戻そうとして苦労するお医者さんもちょっとアレだなーと思わんでもないけど、それ以上に、どうでもいい事聞かされて待っている私達のこう、何だろうね、あの殺意の高まった感じ。
あの空気感だけで周りの生物を呪い殺せるんじゃないかって思えるくらいに殺伐とした感じは、あの場所じゃないと体験できないと思います。はい。

という訳で半分愚痴になってしまうけど、割とそういう事は起こるので、時間の使い方を工夫できる方や余裕を作れる方でないと、この治療は続けられないと実感している。

大病院に通って良く分かったけど、話を聞いてもらいたい人と、私の様に経過観察や結果だけ欲しい人との住み分けは必要だろうなぁと思っている。

これは命を預かるが故に、そう簡単に今までのやり方を変えられないという側面もあるのだろうが、希望者を募って試験的に分散してみるのはありなんじゃないかなーと思ってたり。

これは私見だが「カウンセリング」の部分と「医療的な判断」の部分がごっちゃになってるから、今のお医者さんへの負担が増大しているわけで、そこを別々に分業できれば、お互いにかなり楽になる気がした。

基本は、サポートセンターのやり方と同じで良いと思うのだよね。
あれは割と効率的なので、あの位まで分散すれば、私の担当医さんもあんな死にそうな顔で診療する状況にならんと思うのだが……本当にお疲れ様です。

で、最近は、アプリのお陰もあって呼び出しのタイミングとかもわかるようになったので、あの空間には直近まで近づかないようにして、心の平穏を保てるようになったよね。
別に診察室前に縛り付けられないなら、他の場所で楽に過ごすことも可能だし、何なら所用を済ませて時間を効率的に使う余裕さえできる。
やはり創意工夫は大事だなと感じた。

何はともあれ、そういう事で、ソリリス投薬の際には必ず診療がセットになっているので、待ち時間は割とかかるという話なのだ。
あくまで私の通っている大病院ではですが、以下のような時間感覚なのでご紹介しておく。

診療の待ち時間 1~3時間(状況で変わる)
投薬までの待ち時間 30分
投薬時間 1時間
清算待ち時間 30分~1時間

正味最低3時間からの時間拘束が発生してるのが、人によっては耐えられないかも?
清算の際も、これは大病院である弊害でもあるのだが、難病指定なため必要書類を毎回出さなければならないのだ。
いつも思うんだけど、これマイナンバーカードに統一してほしいんだよね。
カード連携させて管理すれば、処理もかなり早く終わると思うんだが。

この辺りは日本のIT活用度の低さが完全に露呈しているなぁと肌で感じる。

と言う訳で、長大な待ち時間を私はスマホでゲームしたり、マンガ読んだり、なろうを読んだりしているので、今のところは問題ない。
けど、これが仕事を残したまま投薬に来たサラリーマンとかだと、心がゴリゴリ削れて行く気がする。いや、休憩だと割り切れれば逆に楽しみになるのだろうか?

そして通院を重ねるにつれ、看護師さんとは顔なじみになっていく。
2週に一度の天国への扉が開かれるので、私としては楽しみでしか無い訳で!(変態)

いや、実際問題、いろんな看護師さんがいるのだけど、皆さんお優しいのだ。
本当は例の流行病の影響で、ズッタボロになっている方も多く、私も申し訳ないと思いながらもお世話になっている。
なんせ私の血管は見えにくいともっぱらの噂なので、どうせなら新人研修用に使ってくれていいのよ?と思わなくもない。
現時点の最高記録は6回だが、10回くらいまで更新する気概で良いと思う。

ちなみに、この点滴の上手さは完全に経験則に基づくらしく、個性が出るので面白い。
苦手意識のある看護師さんは、こちらに気を使いすぎる面があり、逆に応援したくなったりとか。

対して肝の座っている看護師さんは痛いよねーとか言いながらグリグリやってくる方もいて、割と個性がはっきりと見えて興味深かったりする。
ちなみにそういう人の場合は割と痛いです。けど、顔には出さないです。不安にさせるので。

ちなみにお局さんっぽい方は、やはり通すのがうまくて一息でサクッと終わらせてきたりと、ある意味で頼もしさすら感じるレベルの仕事を見せつけられることがあるのだ。

そう言えば、この前チラッと看護師さんのブログを目にしたのだが、色々と面倒な裏事情があるようで改めて大変なお仕事だと感じた。

と言う訳で色んな事があると思うのですが、私は看護師さん達を始め、医療従事者の皆様を全面的に応援しております。
特にこの流行病下においては、ますます大変な状況となっているでしょうが、心身の健康に気を付けて何とか乗り切ってほしい所存です。

そんな感じで、ますます大変なご時世と重なりつつ、今日も今日とて通院の日々が続くのでした。

今回の記事はここまで。
御読み頂きありがとうございました。

こんにちは! 世界の底辺で、何とか這いつくばって生きているアラフォーのおっさんです。 お金も無いし、健康な体も無いけど、案外楽しく生きてます。 そんなおっさんの戯言を読んでくれてありがとうございます。