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ゼレンスキー大統領は何を語ったか(答え合わせ編)

皆さん、こんにちは。かんおさです。

先日、以下の様にゼレンスキーさんがどのような事を語るか、勝手に推測してみました。

いやぁ、結論から申し上げますと、ゼレンスキー大統領は一枚どころか三枚も四枚も上手でした。私の浅知恵など超越してきましたね。

ゼレンスキー大統領の語ったことについて

まず、簡単な感想だけ先に述べますと、全体的に言葉と事例選びがとても日本人向けであったと感じました。と同時に、内容に関して簡単にまとめましたので、そちらの所感を含めてご紹介したいと思います。

※3月24日追記
まずは全文の日本語訳が出ておりましたので追記しておきます。


① チェルノブイリと福島原発を結び付けて、ロシア軍の蛮行を糾弾する

いわれてみれば御尤もな感じで、不法占拠されたチェルノブイリと福島の状況を上手く繋げて、窮状を訴えかけてきました。
放射能汚染に対するトラウマは両国共通の物ですからね。

② サリン事件に結び付けてロシアが化学兵器を使用する可能性を糾弾する

これも凄く納得で、これからロシアは追い詰められてくると核の前に化学兵器を使用すると言われております。
そうした惨状を訴えかけるのに、日本のサリン事件は記憶に新しい所です。
こちらもまた、私達日本人にとってのトラウマを呼び起こさせるには十分な内容でした。

③ 空爆については凄惨な状況のみを伝え、過去との結び付けは無し

更に凄いなと、心の底から感動したのは、私の予想したような日本の過去の数々の凄惨な体験には全く触れず、全て近代の事でお話を構成していた事です。
空爆に関しても、戦争の悲惨さに関しても、なるべくマイルドに仕上げようとしている節を感じました。
他の国への演説を見ていると、日本だけが特別扱いされている感じです。
これは、好意的に捉えれば、戦争を既に遠くの事として捉えている現代の日本人への配慮であるともいえますし、一方で、あまりに配慮されすぎていて政府による添削が入ったのではと、うがった見方もできると思います。

④ 経済制裁の継続を要請

こちらは、軽く触れる程度でしたが、日本こそがアジアで最初に制裁した国でありリーダーシップを発揮したとヨイショした上で、引き続きの経済制裁を求めておりました。
もっと強い形で来るかと思いましたが、この辺りも実にマイルドな表現にし住した感があります。

⑤ 災害からの復興を称え、ウクライナとの調和を求める

ウクライナへの侵略と言う津波」など、所々に災害を想起させるワードを盛り込みつつ、災害からの復興を見据えて日本への援助と連帯を呼び掛けておりました。実に、日本の気質をよく理解している表現であると感じました。

※同盟参加については、言及無し

個人的には意外だったのが、同盟への参加には言及しませんでした。
何か一言位はあるかと思いましたが、その辺りについては、私が聞き逃してないのであれば、全くありませんでした。

※3月24日追記 既存の安全保障体制に関して疑問を呈する

大事な事なのにこちらを聞き逃していたので、追記いたしました。

ゼレンスキー大統領は、現状の安全保障体制について、疑問を呈しております。ちなみに、これは国際連合についての事ですね。
勿論、皆様ご存じの通り、常任理事国にロシアがいることによって、このシステムが形骸化してしまっている事が今回露呈してしまいました。
歴史は繰り返すと言いますが、正に国際連盟の時と同じ道を歩んでおります。

前述したとおり、同盟への参加を呼び掛けることはありませんでしたが、更に大きな枠組みで日本の活躍を期待していると語りました。

総括 日本に配慮した無難なスピーチでした

激しい言葉をなるべく避け、始終近代の例のみを扱ったのは正直意外でした。でも、言われてみればその方がより理解がしやすいのは確かだな―と感じております。

一方で、他の国で見られたように激しい言い回しや例は使わず、今この時点での支援は期待していない部分は見え隠れしつつ、戦争終結後の復興に際して期待している旨は伝わってきたように感じます。

より過激にしようと思えば、北方領土問題や尖閣問題も取り上げて、センセーショナルに仕上げることも出来たでしょうし、先日私が予想したように過去の戦争と結び付けて語る事も出来たはずですが、あえてそれをしませんでした。

総じて実に上手い、そう思わせるスピーチであったと思いました。

今後も厳しい状況は続くと思いますが、早く戦争が終結し、平和な日々が戻ってくる事を、いち日本国民としてお祈り申し上げます。

最後に、同時通訳の方に最大級の感謝を。
この大舞台に置いて、多大なプレッシャーがかかる中やり遂げて下さったのは印象的でした。

今回の記事はここまで。
お読み頂き、ありがとうございました。

こんにちは! 世界の底辺で、何とか這いつくばって生きているアラフォーのおっさんです。 お金も無いし、健康な体も無いけど、案外楽しく生きてます。 そんなおっさんの戯言を読んでくれてありがとうございます。