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コードネーム U.N.C.L.E.

マグさんと見た!ガイ・リッチー監督作品が好きだから…見て欲しくて…。

選択が日本史Aだった弊害がでてる

しかもAだったから1600年から始まってたし…。

1960年代、冷戦中の時代が舞台でCIAとK BGがでてきて最後はイギリスも絡んでくる超熱い展開に対しておそらく予定されてるより「うおおおお」となれない勉強不足が見てる最中あったのがめちゃくちゃ悔しい。

時代と国による理念の違いとかもうちょっとわかった状態で見れたら楽しいだろうな〜!!!って気持ちと「いやこの監督は男男いがみ合いの都合のいい設定としか思ってないから別に気にしなくてもよくない?」がちょっとだけある。もちろんそんなことはないんだけど得点映像の「アクションとカーチェイスみた?!!!」の圧がすごくて…。

でもすっごい「このアメリカ人がよ〜!!」とか「ロシア人がよ〜!!」みたいなところはなかったと思う。気がついてないだけかもしれないけど。

それより所属先でも浮いてる異端のスパイである2人が、祖国にも他国にも居場所がないまま仕事を続けていて、その最中に出会ったお互いやギャビーの隣が思いの外居心地が悪くなくて落ち着かない。みたいなところが全体的にあったと思う。

どこにでも馴染めるし他人を籠絡できるし金庫も開けれるソロが隣を歩いてくれる人間の存在に気がついちゃったから、あるいは自分のコンプレックスを全て知った上で腕前を信じて「お前」に背中を預けてくれる人間がいると知ったから、2人で核爆弾のデータを燃やしながら酒を飲むラストだったんだと思う。

祖国への忠誠より、得難い人間と静かにベランダで酒を飲める平穏を選んだスパイとしては失格の2人と、その形しか知らないから当然みたいに受け入れるギャビーとのトリオ、めちゃめちゃ好き。どうして続編がまだないのか。

でも所属してる国の技術力の違い、みたいなのは顕著で面白かった。盗聴器のサイズが明らかに違うとか、カッターの精度に大きく差があるとか。でも鍵開けはソロの個人技能なので単にソ連がめちゃくちゃすごいだけの描写だったなあれ…。いや、アメリカのスパイって個人主義かつ放任だけどソ連側は技術は提供するけど都度脅しにもくるよ、と言う描写なのかもしれない。わからん、KGBとCIAあるあるとか何見たらわかるんだ。

逆にラストのギャビーの上司の「みんな彼女が好きだから助けたいだろ?」は「英国人がよ〜!!抜け抜けとよ〜!!」が強かった。勝手にお前の国の人間ではない女性を自国のスパイにするな。別にばれなかったら最後まで言う気なかったろお前。

洋画も好きだしフィクションの差別と偏見も好きなのに歴史に疎いの、かなり好きな要素を逃してる気がするのでちゃんと知っておきたい。最高の花婿(保守派のフランス人夫婦の娘3人が全員移民系の花婿を連れてくる映画)とかはかなり勘で見たからな…。

アクション

一緒に見てるマグさんが車がギュルンギュルンするたびに悲鳴を上げてたのかなり面白かった。

得点映像で語られてた、俳優陣が運転席にいるシーンのほとんどは車の上にハンドルを取り付けて撮影してるぜ!!!のやつ、できるからってやるのはどうにかしてると思う。普通に運転席にいたとしても困難な運転をそんな特殊な環境でやるな。

でもカーチェイスシーン、本当にかっこよくてハラハラして好き。

得点映像でラストにソロが乗り回してる車が時代考証とあってないけど使いたかったから使ったって言ってるの見てめちゃくちゃ笑っちゃった。ロマンに振りすぎている。

あと本人たちの鮮やかなスパイ行動からみると結構泥臭い喧嘩シーンとかもめちゃくちゃ好き。イリヤとかその辺の人を相手する時はワンアクションでのしたり行動不能にしたりするけどソロに対しては長い時間取っ組み合って殴り合ったりして対等なのが描かれるのとか何回見てもいい。この2人かなり背丈が違うけど筋肉のつき方も違うので腕の振り下ろす向きとか体の使い方とか変えてあるから見てて楽しい。

3人

関係性がね〜!!関係性がめちゃくちゃいい。

そもそもキャラクターと見た目と行動が良すぎる。俳優さんの見た目の甘さとか渋さのバランスも服装の個性も大好き。ソロの2枚目の具現化みたいな見た目とか立ち振る舞いと、明らかに一般人ではない背格好と厳しい表情をしてるイリヤと、その2人を完全に油断させた強かさと自分の見た目への理解が100%なので最高の服しか着ないギャビーがずっと魅力的だった。

あと基本的にペアで動いてるからどうにかなってたけど割とポンコツなスパイコンビもかなりいい。映画の上であまり完璧に仕事をしすぎると本作はアクションなので華が失われるため失敗を割とするコンビ、可愛い。出演作がオーシャンズとかの方向性ならもっと有能に描かれるのにね…。

イリヤの「なんかデカくて強い男が適当言ってる」みたいなシーンの多さとソロの「なまじ有能なので自分の仕事の結果を信用しすぎる」みたいな隙の多さ、2人でいると適当に補われるので最後うまく行ったけど1人の時とかどうしてるの???イリヤとか「目撃者を全員殺せばステルス作戦成功」とかしてそうだし、ソロはソロで「関係者を全員口説いて口封じしたら事件は起こってないようなものだし」みたいな処理してそう。かっこいいと面白いが8:2くらいのコンビが世界を救っていた。

そもそもこの映画、かっこいい音楽とかっこいい俳優陣が最高のアクションを決めて世界を救う最中になんか純粋に笑いをとってくる時間がある。優雅BGM背後爆破に関しては2回やる。かっこよくて面白い最強なだけの映画。

でもギャビーが関わってるシーンで面白いだけのことしないので単に2人が面白い男ってだけなんですよね…。

ギャビーとイリヤの同室シーン、なんか全部可愛かったな…。自分に見向きもしないし酔っ払っても他人行儀な男をビンタしてこっち向かせる強い女にあっという間にメロメロになるところとかちょろくて可愛かった。それはそうとレスリングは本気でやるしギャビーが動けなくなるくらいは本気で掴み掛かる負けず嫌いなところとかね…いいですよね…なんか単に私がイリヤ・クリヤキンのこと好きなだけだな…。

何回見ても「えっちなやつじゃないんだ」と思う「レスリングしましょうか」の後にくる大乱闘と、その後に自分の上にずり落ちてくるギャビーを避けないのに寝落ちたらため息つくイリヤ、めちゃくちゃ可愛い。

それはそうと男女恋愛はキスシーンが沢山あるので焦らしたりできる幅、妬ましいよ。同性愛描写もそれくらいあって欲しいし、男女が仲良くなったら恋愛に落ち着くしかない幅の少なさもなんか…どうにかならんか…。

あとこの2人の関係が特に何も言ってないソロに全部バレてるっぽいのもいい。まあ隠せないしな2人とも…。

ギャビーとソロの「油断ならないが信用はできる」みたいな関係も好き、2人ともイリヤの言うことは聞かないけどお互いの説得は受け入れてる感じがある。そもそもこの2人はかなり落ち着いて周りを見れるタイプであり、自分に冷たい人間性だから自分のことで100%怒れるイリヤとは相容れないところがあるけどその結果起こった事態に苛立ってる印象もないのでイリヤの感情的な部分に対して好印象なのかもしれない。短気なのは困るけど、この時代にスパイなんかやってる人間がまっすぐ自分のことで怒れる性格は貴重だとも思っていそう。

だからこそラストに核兵器のフィルムを燃やすラストがお互いへの信頼というより存在のありがたさとして描かれてる気がする。ここでこいつを殺してしまうこれからより、酒を飲み交わす今の方が尊いという判断がどのポンコツよりスパイらしくなく、人間らしくて自分勝手な行動だった。

平和とは一つの強い国ではなく均衡だ、ってスパイだからこそ思っているのかもしれないし。

こーどねーむあんくる、何回見てもアクションも音楽もストーリーも明快で好きだな〜!!って思います。

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