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プライドと偏見

マグさんと見た!グッドオーメンズと赤と白とロイヤルブルーの間に見たのでかなりベストだったと思う。いつもありがとうございます。

『祖』

初めて見た時も思ったんだけどストーリーラインの全てに見覚えがある。

本を読むのが好きで口がよく回る女性。守ってあげなきゃ行けない姉がいて、ちょっとうるさくも可愛い妹がいる。母親は結婚にうるさく、父親はそれを見守っている。

出会いの少ない田舎にお金持ちで顔のいい貴族が越してきて、でもその人はいけすかなくて、でも私の話を「生意気」ではなく意味のある言葉として受け止めて返してくれて—。

200年前に初版の小説らしい。嘘じゃん…。

『全部』すぎる。途中でコリンさんっていう「結婚相手を安定で選ぶ」って選択肢を拒否するのも、ウィッカムさんっていう「外見のよさ」で類を見ない男を選ばずに慎重にその人のことを見るのもダーシーさんを選ぶことへの布石だし、エリザベスの人柄が出ていて恋愛ものって相手が魅力的かどうかに肉薄するレベルで大切なのが「主人公が推せるか」だと思うので余念がなかった。

あと「主人公の親友」と「その相手」に描写を割くところもめちゃくちゃぽい。サブキャラの恋愛描写、欲しいよね。あと義理の兄になる人はいい人に越したことないしね。

エリザベスことリジーが何回見ても全員に噛みついてるのめちゃくちゃいい。この時代の女性って本当に「お淑やかで静かに微笑む」くらいが理想の女性というか求められてる像だと思うのでそこから逸脱する自分を認めて欲しい!もあると思う。この辺、自分の意見なんて言ってなんぼみたいな時代にというかアメリカで描かれる「内気な自分の前に誰かが」とかなり違う感じがする。だってはいからさんが通る!ってエリザベスだけど私の幸せな結婚ってエリザベスではないし…そういう時代の変化はある…。

ダーシーさん

今回吹き替えで見たんだけど、ダーシーさんの声が良すぎる。本当にいい。このまま一曲歌ってほしかった。2回目の舞踏会のシーンは「まるで2人しかいないみたい」の直接的なシーンがあったけど、ダーシーさんの声が良すぎて普通に喋るだけで何の演出もなくても周りの声が遠のく。序盤は声が良すぎて「話が入ってこないな…」の時間があった。

ダーシーさん、すごいかっこいいのは確かなんだけど周りの男性がもっっと美丈夫を用意してるの製作陣の気合いなのか私がウィッカムさんの顔が好みなだけなのか判断がつかない。正直ウィッカムさんの顔が好みすぎてちょっと困ってる。太陽みたいな男、よくないですか?その上浪費グセがあるのかなり乙女ゲーのキャラじゃないですか?

でもダーシーさんのこと、プロポーズ後からはかなり可愛い要素が増えるので困ってた。マグさんと「ほだ…ほだ…」と言いながら許せねえとときめくの天秤を揺らしていた。エリザベスは自分の意見をはっきり持ってる素晴らしい女性なので絆されるのに1時間かかりますがこっちはやわやわのメンタルなので妹を探したのに黙って欲しがったところとか、親友の家に来るだけ来て何も言えずに帰ったところとかもうだいぶ絆されてた。かわいかった。あの無愛想で不器用で感情の出力のない男、雨に濡れて「私を苦しみから解放してくれ」って言いながらプロポーズするのでずるいよ。

急にグッドオーメンズの話するんだけどアジラフェルは高慢と偏見みて「舞踏会のシーンが素敵」っていってて、雨に濡れて見つめ合うプロポーズのシーンのことは特に何も思わなかったんだなって思いました。まあ総合的には悲しいシーンだし…。

妹に優しい顔するのもかなりずるい。穏やかに笑って抱きしめて、外で会った素敵な人の話をやや盛って話してしまうところかなり「恋」でよかった。結婚したら「妻のピアノは人に聞かせたくないので」くらい言って欲しい。すみません急に二次創作して…。

あと親友とエリザベスの家に1年ぶりに来るシーンもかなりいい。プロポーズできない親友が「こんにちはジェーンさん」「…こんにちは」ってシミュレーションに付き合ってくれるのもかなり友達甲斐のある人だなって思いました。いや親友はかなりこう…意見を持ちなよという感じはありますが…。

この日の晩に起こる夫人の襲来と追い返し、エリザベスに聞くよりも前に信じている甥に噂の真相を聞いて安心したほうがいいに決まってるので多分ダーシーさんに先に真相を聞いた上で芳しくない返事を聞いてるから田舎に殴り込みにきていそう。

このシーンを初めて見た時、さすがにエリザベスも権力に屈するかなと思ったんだけど一歩も引かずに追い返したのでびっくりした。強すぎる。

朝日が昇る前の草原でダーシーさんと会うシーン本当に綺麗。この映画ずっと絵が綺麗でどこでもポストカードに耐えれるんだけどクライマックスなのもあってすごい綺麗だった。「君が心変わりしてないなら先に言ってくれ」のあと押し出すように言葉を続ける様が描かれるので夫人からエリザベスのことは聞いてない上でここに来てるのかなと思いました。愛が強いな…。

初めてエリザベスが屋敷に来て、馬車で帰る彼女を少しだけエスコートして手が触れ合うシーンが最後に効いていて、あの時触れた手を意識してたダーシーさんはそれからも手だけが映るシーンがあり、2人が触れ合ったのはあれきり存在しないのでそんな手をエリザベスから取ってキスするのがめちゃくちゃいい。良すぎる。ロマンスにぶん殴られた。そのあとおでこをくっつけて終わるのも幸せでいい…

とゾンビ

びっくりするけどゾンビが入り込む隙はある。まあゾンビ映画ってゾンビバースみたいなところあるけどプライドと偏見だって婚活バースみたいなところあるし親和性ある。ほんとか?なんか見たら本当だと思うんですよ。

でもこの作品が「シンデレラ」くらいの知名度があり、みんなどれだけ改変しても飛ばしてるシーンはわかるよね!?という信頼はあったと思うのでマジでこの作品教養なんだろうな…。

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