ハリー・ポッターと死の秘宝 part1

マグさんと見た!!
そしてマグさんが隣で死んでしまった…。

悪化の一途を辿る治安

こんなに治安悪かったっけ…?初めて読んだ時とか見た時の記憶がかなり薄く、治安の悪い世の中への理解もなかったので人攫いがその辺うろついてるのとかかなり嫌だった。

結婚式に乱入してくるデスイーターから逃げる形で始まった分霊箱探し、ずっとハーマイオニーのおかげでどうにかなっている。結婚式の前日にでていこうとするハリーに対してロンが「ハーマイオニーなしじゃ2日も持たない」って言ってて、ハーマイオニーが不在の自分たちのことよくわかってるし、よく考えると当然のように今出ていくハリーにロンがついていこうとしててめちゃくちゃ一蓮托生だな…。

そこから先も娘を誘拐されてハリーを差し出さなくてはいけなくなるルーナ父とか、毎日行方不明者を報告し続けるラジオとか、かなり人里を離れて行動してる3人にすれ違う人さらいとか、ホグワーツ内にデスイーターがのさばってたりとかしてて本当に空気が暗い。謎のプリンスあたりからずっと画面が暗くて人が死ぬ映画になっているのでもしかしたらpart2は劇場で見てない可能性がある。

魔法省が早々にデスイーターの手中に落ちるのも酷い。本当に早かった。アンブリッジがにっっこにこだった。
デスイーター、スリザリン出身者が多くて政治力に長けた人たちの集まりでもあるので権力から掌握しようとする的確さがあり、ハリー目線だから見えないのは仕方ないとはいえ反乱分子を出す暇さえ与えてなさそうなのがすごい。でもスリザリンって治安の悪さにフィットするタイプの悪なので平和な時代に生まれたマルフォイはこの状況に耐えられないの本当に可哀想だったな今回は特に…。
魔法省に潜入することになった3人の挙動不審で落ち着きがないところを別の俳優さんがやるシーン、どう見ても3人だったので演技力がすごかった。爆速で変身した本人の境遇を受け入れるロンが「僕の奥さんが尋問に!!!」「君に奥さんはいない」って諭されたり、水漏れを直せって言われてしっかり仕事して帰ってきたりするの相当可愛かった。こんなタイミングじゃなければハリーとハーマイオニーはグリフィンドールのあったかい談話室でこのことをロンに何回も蒸し返して怒られたりとかしてた。まあそんな時代ではないのでそんなことはないんですが…。

前作の最後に名前だけ出てきて今回、本編上の出番を総カットされたレギュラス・ブラック、兄とは折り合いが悪いけどブラック家に馴染めもしなくて…みたいなキャラだった気がする。嘘かも、シリウスに顔が似てることしか覚えてない。なんかかなりいい人だなって思った覚えはあるしハリーポッターでめちゃくちゃになってる人がレギュラスブラックに心を奪われてるの結構見るんだよな…。

アンブリッジから奪ったロケットにはつけてる人の心をかき乱す効果があり、そのせいで前半は3人がギスギスしててここがかなり心臓に悪い。
口が悪くなるハリー、塞ぎがちになるハーマイオニー、嫉妬で荒れるロンの三者三様の変わり方をするけどこれって悪い感情を強くする効果なはずなのでみんなそういうのを抱えてるんだなって思うとかなり旨味がある。
そもそもロンのハリーとハーマイオニーへの葛藤は一年目から示唆されてるしたまに顔も出してたんだけどロケットのせいでさらに前に押し出されて、その上、今やっと、6年目でやっと!!!!世界がヴォルデモートの手に落ちかけた今になって!!!!ハーマイオニーのこと好きかもって!!!自覚する!!!!
ハリーへの嫉妬が大部分を占めてたかもしれないけど、大切な女の子の横に自分は相応しくない気持ちとハリーが使命を背負ってここにいる事実と役に立ってない自分の現状を混ぜ合わせた結果「君たち昨日は一緒にいたろ」になってしまうの、タイミングが最悪なので愚かですがかなりかわいい。ハーマイオニーとハリーの隣にいる自分のこと誇ってるし常に負い目を感じてないと発生しないタイプの葛藤。

ロンの情緒には申し訳ないけどロンが出てったあとのハリーとハーマイオニーめちゃくちゃ良い。
クリスマスイブに2人で静かに踊り始めて、ぎこちない動きが滑らかになって顔に笑顔も戻って、テントの中が少しだけ明るくなっても音楽が終わったら元に戻ってしまうシーン、何も言ってないのに「喪失」だった。お互いにロンの不在とかこれからの不安を抱えていてでも口に出せるほど弱音を吐けなくて、弱音を吐くのはロンの役目で2人ともそれをいなして強くあれたから弱音の吐き方も解らなくて、本当に…ロンがいないと2人は泣くこともできない!!!!プライドがめっちゃ高いから!!!ロンに情緒の面で甘やかされ続けてたから!!そう思うとこの2人の相手がロンとジニーなの納得しかないな。この信じられないくらい不器用な2人を幸せにできるのはずっと隣で弱音吐いて笑ってくれるロンと6年かけて好きな男口説き落として「チャックあげてくれる?」って言えるジニーだけ。

ハーマイオニーが両親と昔行った森に行くシーン、マグさんがずっと死んでた。

「何もかも変わったのにここは変わらないわね…。ねぇ、ここでずっと一緒に暮らす?年をとってもずっと…」

大きくしちゃおう。あまりにもいいから。
変わりゆく環境に耐えられなくて、やっと弱音を吐いたハーマイオニーの口から「誰も知らない土地で変わらずに生涯を過ごそう」っていうプロポーズなの、ハリーへの友愛がでっかくでびっくりする。
ハリーとハーマイオニーって一切恋愛関係になくて、何があってもくっつくことはないんだけど絶対的な信頼関係はあるし隣にいて違和感がない関係なのでこれくらいの提案はする。停滞する日々に誘うくらいの許しが2人の中にはある。
あの3人って魂の片割れとか別れたレモンの半分みたいな湿度はないんだけど欠けると何もできなくなりがちなので歯車ではあるんだなって今回分かったのが良かった。冒頭のダンブルドアからの相続シーンで小さいソファーにギチギチに座るときにロンが真ん中なのもそうだけど、ロンを間に挟むと急にうまくことが動く3人組で、三人でやっと一人前。

妖精を野放しにしないほうがいい

やしきしもべ無双だった。
妖精ってやっぱり喋る天災、魔法を使う自然現象なので味方にいると心強いけど敵にいて欲しくないし、かと言って全員が快くやしきしもべと過ごせるわけがないので「服従させる」という手段で持って従わせるの、倫理的におかしいけど合理的で、まあ前の世代の魔法使いたちってまじで治安終わってるからそういうふうに落ち着くのもぎりぎりわかる。姿くらましを封じている建物にひょいひょい現れて戦い慣れしてるデスイーターをポンポン倒す存在がそいつらの好感度ひとつで敵になったり味方になったりしたらやってられない。
作者もそう思ったのかドビーは今回で死ぬ。まああんな強いのいたら「ドビーでいいな」ってなるし仕方ないね…。

ドビーが死ぬシーンで「ほら、寝てるみたいでしょ?」って瞼を閉じさせるルーナと「魔法を使わずに弔いたい」っていうハリー、それぞれの死の向き合い方で、2人とも大切な人の死が初めてではないから自分の中の向き合い方に折り合いがついている描写だったと思う。

グリンデルバルド

ファンタビから名前を知ったのでこんなに本編に出てくると思わなかった。というかハリー・ポッター時点で生きてるんだあの人。そうなんだ…。

ロンが2人と合流するシーンで「ハーマイオニーの呼び声が聞こえて居場所まで導いてくれた」ってシーン、ずっと黙ってるハリーが「いま告白した?ロンに限ってそれはない?いや今のは流石に告白じゃない?」ってハーマイオニーの様子を見てるところ含めて好きなんだけど、あのライターがダンブルドア作だと思うとなんかめちゃくちゃになる。
誰に使ったんですか?????誰に導いてもらい、なんの明かりをつけたり消したりしたんですか???

グリンデルバルドに導かれて居場所を突き止めて「君に導かれた」って微笑む過去が多分ある。

色々を思うとダンブルドアがニワトコの杖を持ってるの若気の至りの余波なのかな〜って思わなくもない。グリンデルバルドと志を同じくしてた頃の手紙に死の秘宝のマークがついているわけだし、2人で一緒に死を遠ざけようと思ったりしてたのかも。そうなのかも…。

明日は死の秘宝の2です。どう終わるんだっけな…もう何も…

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