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4年前までは投資信託でも半分の人は赤字だった?iDeCoは8割が赤字という噂〜投資の失敗談から学んでみる〜

新NISA開始が近づいている事で、毎日のように投資信託への投資を促す情報が氾濫しています。
昨日は、イーロン・マスクも投資信託のようなパッシブ投資の過剰な過熱状態に注意喚起していました。

さて、今でこそ「オルカン最高!インデックス最高!」というような称賛を受けている投資信託ですが、4年前の投資記事を見直すと、興味深い情報が乗っていました。

4年前の2019年6月の記事によると、銀行30行程度のまとめでは、投資信託保有者の評価損率は50%を上回り、iDeCoに至っては80%以上が評価損となっているとの事でした。

円高に動いた影響が強いからと記載されています。

ちょっとここまで極端な数字だと、私もこの記事の情報の信憑性には確信が持てませんが、とにかく記事の主張としては、円高に動いている時の投資信託は博打でしか無いのでやめたほうが良いという話でした。

確かに、15年以上前の記憶を見返すと、投資信託で大損した話で溢れていて、また投資信託で大損の話かと思えるくらい投資信託は危険なものという位置づけだった記憶があります。
投資信託は客を儲けさせるシステムではなく、作ってる側を儲けさせる金融商品であるという説明を受けたこともあります。
なので、まさかこんなに投資信託が良いものだと騒がれるようになるなんて、個人的にも違和感は凄いです。

記事で何人かの例も紹介されてましたが、要するに現在のように投資信託なら当たり前のように資産が増えると言われている言葉を鵜呑みにした初心者の方々が円高で焼き尽くされて大損した話です。

今は歴史的な円安に動いてきた背景があり、投資信託は間違いないとまで言われるほど大人気で、投資信託のリスクを喚起するような事を書くと批判にさらされるのが現状です。
明らかに加熱しすぎですね。

なぜ注意喚起が批判の的になるのか?
投資のリスクを話している人が居ても、誰も困らないのに。

理由は、自分がやっている投資への否定があるのは、不安だからです。
批判は不安の表れなのです。

反対意見をかき消したところで、市場の動きになんの効果もないので、その時点で投資に向いてない思考かもしれません。

ちなみに、私も結局初心者にすすめるのはインデックスです。
なんのことはありません。
加熱しすぎていると主張しつつ、やってることは同じです。

しかし、根本的に違う部分があります。

あくまでも、「リスク(損失)を取りたいならインデックス」という意味だからです。

これが投資の最も必要な考え方なので、説明しておきます。

投資の世界では、リスク(損失)と利益は完全に同じものです。
リスクを払った分、相応の利益を期待でき、利益を得た分、相応のリスクを払うのです。

結局、損失が出ても利益が出ても、「現象」としてとらえると、この2つが発生する原理は同じなのです。

つまり、損失を回避する方法と、利益を回避する方法は同じだということです。
損失を回避するには、利益を回避すれば良いだけです。

これが分かっていて、リスク(損失)も利益も両方欲しいのであれば、インデックスをどうぞ、という事です。

どちらか片方しか要らないのであれば、投資はしてはいけません。

損失も利益も両方欲しいから投資をしているのです。 

では、先ほど紹介した記事を見てみます。

失敗談のほぼすべての人が、退職金や積立の保険金でまとまったお金が入ったからという理由で投資を始めています。
あとは、老後資金としてためていたお金の人です。

これら全部、リスクとして払ってはいけない資金です。
つまり、投資なんてしてはいけない資金ということです。

現在現役の人が、給料の一部をインデックスに積み立てるのであれば、何も問題有りません。
それはリスクにも利益にもにさらして良いお金だからです。

しかし、老後資金はリスクにさらせないお金です。 ということは、利益にもさらせないお金ということです。
当然インデックスなどに手を出してはいけません。

よく、その理由を「インデックスは長期投資が前提で、長期投資出来ない年齢の人はリスクが高くなるから」という人がいますが、この場合、そういう問題ではないのです。

そもそもリスクを取るつもりがないなら、リスクを減らしているかどうかなど関係ありません。
どんなに長期で積み立てても、リーマンショックレベルの事が起きれば何の意味もありません。

何度も言いますが、損失と利益、どちらかを得ようとするのは不可能です。
両方得ようとするか、両方回避しようとするか、この2択しかあり得ません。

ちゃんとした投資家は全員、この両方を得ようとして、トータルで利益のほうが大きくなるように考えているだけです。

利益も損失も両方得て、損失の方を損切り(損出し)して利益の一部と相殺させ、手元に残りの利益+還付金が残ります。(NISA口座では損益通算ができないので、還付金はNISA口座以外での取引で受け取る事になります)
これが投資信託を含めた株式投資だと思って下さい。

オルカン至上主義の今、あえて逆行するようなことを言って、批判は承知ですが、長く投資を続けてきた身としては、「この加熱は一生は続かない」事は分かっているので、どんな時代でも必要最低限の注意喚起はしておこうと思っています。

損失を受けるつもりが無いなら、投資はしない。

これはどんな時代でも共通した投資の大前提です。

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