レコードを買おうと思ったきっかけは
カネコアヤノ

去年の7月ライブで
初めてレコードを購入した
レコードプレーヤーは持っていなかったので
部屋に飾るだけでも可愛いな、と
そんな気持ちで購入した。

わたしには行きつけのパン屋さんがある

「お洒落」という言葉だけで片付けるには
言葉が足りないくらいに
こだわりがギュッと詰まったパーラー
ここではレコードを流していたり
CDを流していたり
店主セレクトで
日々BGMが違い、空間の雰囲気も変わる。

買ったばかりのカネコアヤノのレコード
レコードプレーヤーを持っていなかったわたしは
いつものパーラーへレコードを持ち込んだ。

はじめて自分のレコードに針を落としてもらう。

一曲目
ジャカジャカジャカジャカ
力強くギターを弾く音
「わたしたちへ」のイントロが流れる。

身体中に鳥肌が立ち、痺れた
サブスクで聴くのとまるで違うのだ

レコードから流れる音に圧倒され
感情に合う言葉が見つからなかった。

一曲一曲丁寧に聴き進める
どの曲もパーラーの空間にマッチしていて
店主もわたしも聴き入ってしまった。

大切に大切にもっとじっくり聴きたい！と
わたしはレコードプレーヤーを買う
けれどもパーラーで聴くのとはなんだか違う

パーラーで聴いたカネコアヤノを忘れられず
頻繁にレコードを持ち込むようになった
店主は作業をしながら
わたしはパンを食べながら
レコードを聴く
この時間が好きだ。

とある曲のイントロが流れると
いつも店主の手がピタリと止まる

「こんな日に限って」
わたしもレコードで聴くようになり
より好きになった一曲

気がつくと店主にとっても
お気に入りの一曲となっていたようだ
このレコードも。

レコードが欲しくてたまらないけれど
このルーティンや時間が愛おしくて
買えないままでいる、と
とある投稿で書いてくれていた。

わたしも同じだ
新しくカネコアヤノのレコードが
受注生産されると知っても
欲しくてもこのレコードには
たくさんの時間が詰まっていて
とても大切で
なんだか新しいものは買えなかったのだ。

そんなレコードはよく家から持ち出すもので
少しずつ味が出てきたなあと感じる

どのレコードにも敵わない
愛おしい時間がたっぷり詰まった
唯一無二の大切なレコードになっていた。

県外に住むカネコアヤノが好きな
お友達たちを連れてパーラーへ行くことが
わたしの密かな楽しみでもある