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イッシッシッジュニア

「りんご」

 「どうぞどうぞ召し上がれ、甘いですよ、イッシッシッ」

「ブー!正解は、アッポゥ」

 「違うよ」

「じゃあ次、バナナ」

 「冷凍するとカチカチですねぇ、これで後頭部を殴ったらどうなるでしょうねぇ、イッシッシッ」

「ブー!正解はそのまま、バナァナ」

 「なにそれ違うよ」

「犬」

 「さぁ、看守が眠ってる隙に、鍵を取ってきなさい、イッシッシッ」

「なに言ってんのさっきから?」

 「なにが?」

「あんたちゃんと勉強してきた?」

 「してきたよ!」

「ちゃんとECCジュニアで勉強した?」

 「ちゃんとイッシッシッジュニアで勉強したよ!」

「イッシッシッジュニア?」

 「うん!言われた通りちゃんとイッシッシッジュニア行ったよ!」

「ちょっと待って嘘でしょ…!同じビルの3階にイッシッシッジュニアあるじゃない!」

 「ぼく3階に行ったよ」

「4階なのよECCジュニアは、なんでよりにもよって同じビルにあるの…」

 「ちゃんと確認してなかったってことですねぇ、イッシッシッ」

「もうなんなのそれ…、英才教育したかったのに」

 「えーさいきょういく?」

「りんごはapple、発音はアッポゥ、言ってみて」

 「どうぞどうぞ召し上がれ、甘いですよ、イッシッシッ」

「毒りんごみたいなこと言わないで!」

 「だって先生がそう言ったから」

「先生って誰よ?どんな人よ?」

 「なんか、すごいとんがった帽子かぶってて」

「魔女じゃないのそれ!サイアク!」

 「男だったよ」

「じゃあ男の魔女!どうでもいい!」

 「男の魔女?」

「とにかくもうそんな怪しいとこ行かないの!土曜日もあるから、次はちゃんと4階に行くのよ」

 「はーい」


☀️土曜日


 「ただいまー」

「おかえり、ちゃんと4階に行った?」

 「4階に行ったよ」

「りんご」

 「イッシッシッ、馬鹿な白雪ひ」

「イッシッシッジュニア行ってるじゃないのまた!」


男の魔女「3階と4階を入れ替えたのでございますよぉ、イッシッシッ」

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