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豊田市美術館に行く(2)

建物の中に入ると、ひんやりとした空気が漂っていた。
朝イチだからか、本来は休館の曜日に開館しているからか、来館者は少ないようだった。

入ってきた入口を振り返るこの眺め、この高さを絞った窓とゆったりとした幅のベンチ。
階段に午前中のいい光が落ちている。

この感じ。


人が流れてくる方があったので辿ってみると、外に出た。
なるほど、こちらがファサードなのか。水盤も見える。めちゃくちゃ大きい水盤なんだな。
スロープで登っていくと、ちょうど水の高さと目線が合う瞬間が訪れるのが楽しい。

スロープを登る。
水盤と目線が同じになる瞬間の楽しさ。



スロープと階段を使い分けて、体験と目線をコントロール。高低差が美しさと楽しさに。
なんどもスロープと階段を往復し、キラキラ揺れる水盤の光と、吹き抜ける風を堪能してようやく建物の中へ。

手すりを握らずにスルーできない。

館内も随所に谷口吉生さんだった。
人がいないときももちろんかっこいいが、人々が入ることでより素敵さが深まる空間だと思う。

まじまじと壁や手すり、天井なんかを見つめる私に、美術館スタッフの方が「建築を見にきたんですね♪」と声をかけてくださった。
その方も谷口吉生建築好きとのことで、お話できて本当に嬉しかった。(いつかまたお会いしたい)
普段スタッフの方が座っていらっしゃる椅子も、もちろん谷口吉生さんの作品で(羨ましい)、
よかったら…と写真を撮らせていただいた。

美術館スタッフの方に、別れを告げ、
順路の途中、私がアクセスしてきた坂道側から見えていて、いってみたいと思っていた部分に出た。
天井高を低く絞り、スロープになっていた。
天井高の体験、通路の幅、ここからの街の眺めがとてもよかった。

スタッフの方が普段座っている椅子。スパゲッティみたい。
スタッフさん曰く、「こちらは後から増設されたエレベーター」とのこと。
夜も見てみたい。
天井高を絞った通路のスロープ。好きな空間。
駅からアクセスしてきた時に外観で見えていた、ぽこっと飛び出ている部分がスロープだった。

谷口吉生さんの建築でいつも楽しみなのはレストラン。
椅子に座ったときの目線に合わせて、庇がぐっと下げてある。
これは座りにいかなきゃでしょう!と休憩がてら抹茶のケーキをいただいた。

外から。立っている時は低いように思えるが…
中で椅子に座るとちょうどよくって心地がいい。
街も遠くに山も見える。
抹茶とあんこのおいしさよ。

さて、お次は高橋節郎館とお茶室。
先程、椅子の写真を撮らせていた美術館スタッフさんから、
谷口吉生さんのお家にお茶室があったこと、
ここのお茶室で一日中当番だった日があったがもとーーーーっても幸せだったことを伺い、
さらにわくわくしながら、ケーキをほおばった。

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