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朝のお伊勢さんに行こう

ふと、伊勢神宮に行きたいなぁと思い、
そのまま宿を予約した。新幹線も。
なにもかもスムーズ。

伊勢神宮には一度だけ行ったことがあった。
そのとき、朝の良さを知った。
「次は前泊して早朝に行く」と決めていた。

占いで、おにぎりがラッキーアイテムですよと言われていた気がして、
なんとなく駅でおにぎりを買った。
朝は全然食べられない質なのでひとつだけ。

食べながら思い出したことは、
おにぎりがラッキーアイテムなのは翌日だったということ。そんなこともある。

何も困ることなくすいすいと名古屋着。
伊勢市駅へ向かう。

いくつも川を越える間、車窓からは細長い雲が見えている。
なんとなく龍の形…と思うと不思議、眼や頭や尻尾が見えてくる気がする。

名古屋で寄り道をしたので、伊勢市駅に着いたのは夕刻だった。

そそくさと宿に向かい、明日へ備える。
神社は朝。早起きは本当に苦手だが、がんばる。

翌朝4時に目が覚めた。
いそいそと準備をして、外宮へ向かう。
5月。快晴。素晴らしく気持ちの良い気候。
そして少しの夏の気配。

5時から開いているとは聞いたが、本当に開いている。すっかり開いている。

門の前で後ろを振り返ると太陽が昇るところだった。
ひだまりを見つけてしばらく光を浴びる。
ぬーぅっと猫のように伸びをして砂利敷きの道をざくざくと歩き出す。
鬱蒼とした木々の間から朝日を差して、葉っぱや枝が金色に光るのが美しかった。

ちりちり、りんりん、きらきら、良い音が私の耳に届く。
とても耳障りの良い、優しいささやきのような音。
そう、この音が聴きたかったのである。

葉っぱが落ちてくる音も良いナァと思いながら、順番にお参りをさせていただく。

途中、カラスがバサバサっと降りてきて、バサバサっと飛び去った。

御朱印もいただいて、大満足。
力強く筆を走らせてくださることに感謝。
(自分が朝が弱いから、朝からばりばり動ける人のことを尊敬している。)

早朝はまだ人も少なく、ゆっくりお参りできたことが嬉しかった。
まだ6時半。普段なら夢の中である。

さて次は内宮かな、と…
ここからがすこし不思議な体験だった。

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