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朝のお伊勢さんに行こう(2)

内宮へ行くためバスに乗…ればよかった。
私の足はなんとなーく駅に向かっていた。

昨夜、飲み物を買い忘れてしまい、あまり水分を摂っていなかった。
そうだ、駅の自販機でお水を買おう。

チャキーンチャキーンとお金を入れ、ぽちっと…。

…出てこなかった。
日本の自販機では初めてかもしれない。

まぁ、まぁ、と改札を通り停車中の電車の座席にぽすんと座る。

…ん?なんかこの電車違う気がする…。
電車を降りて確認。
全然違う行き先に乗っていた。よかった。
正しい電車に改めて乗り、ぽふっと座り直す。

後で振り返ると、なんでだ?ということが多いのだが、
不思議とこのときの私は、鼻歌まじり、終始ルンルンなのである。


しばらくして電車はのんびりと五十鈴川駅に到着。
調べるでもなく、足が向く方向にずんずん進んでみる。

ふと、宿の予約をした前後で、調べるともなく出てきた記事で書かれていた別院のことを思い出した。
それってなんかこの辺なのでは…。
セレモニーホールが隣にある別院って書いてたな…。

そう、月讀宮である。

特に目的地にはしていなかったのに、なんとなーく流れでたどり着いた月讀宮。

ここまできたら行くでしょう。
一礼してザクザク境内に。
ただ前に進んでいるだけのはずだけれど、
あれ?どっちから来たっけな…と不安になる感じ。
何度も振り返ってしまった。
嫌な感じはしないのに、ちょっと寒い。
背中がブルブルっと、ぞくぞくっとする感じ。
なんだか…違う世界の空気みたい。

ブルブルしながら御朱印もいただいて、
来た時と反対側の鳥居から外へ。

セブンを見つけ、小躍りでお水を購入。
そういやお腹も空いていたナと思い出す。
…人間の世界に戻った気持ち。ふー。

バスじゃなくて電車に乗ったのも、
自販機でお水が出てこなかったのも、
行き先を間違えそうになりながら、
でも間違えずに
なんとなくたどり着いたのも、
なにかの意味があるのかなーと思いながら。

もしかすると、「生きながら生まれ変わる」を体験させてもらったのかなーと思いながら。

ここまで来たら歩くか!
ぴっかぴかに晴れていたこともあり、
内宮までお散歩することに。まだ朝の7時。
ふだんならあり得ないほど早起きの達人すぎる。

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