今日のアウトテイク#111「デジタルノマドとはまた違う仕事しながら旅する人たち ほか」【メンバーシップ特典】(2024-03-08)

<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ
・投稿せずに、いや、やっぱりやめておこう、と思った殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・要するに「伊藤の現在地点」

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時間ギリギリになって書きたいことがどんどん湧いてくる。


#今日のBGM

#今日のコトバ

"どんな仕事にせよ、ちゃんとやること。
ただし、ボスのためではなく、自分自身のために。"
(トニ・モリスン)

Wednesday wisdom from Toni Morrison:

Posted by Daniel Pink on Wednesday, March 6, 2024

#「さらば国分寺書店のオババ」再び

別にここんところ書店の話を書いてるから、国分寺書店を思い出して本棚から引っ張り出してきたわけではない。

数十年ぶりにパラパラ読んでみたが、今でもめっぽう面白い。多少、古びた背景があるにせよ、話の内容そのものは、全然、色褪せていない。人間(のやること)て、そう簡単には変わらないのよね。

で、読んでて、ぼくはこの方の文体に大いに刺激を受けてるなと、今ごろ気づいた。似た味わいがあって好みの作家に嵐山光三郎氏がいるが、椎名氏のほうがヤンチャである。文体も、そしてカツドウも。だいたい旅人だからね。

が、そのヤンチャな文章の中に生身の人間が、ありのままに現されているので、どんどん引き込まれて読んでしまう。その牽引力には参る。

ロコツとかコーフンとかボーゼンとかケトばすとか、不意にカタカナが出てくるのがどうにも小気味いい。

これは話し言葉を書き言葉に置き換えたときのいわば一種のバグだが、意識してそうすることでズンズン読めてしまう効果があると思われる。

元々、業界紙の編集者をしていた人だから、当然、物書きの基本はちゃんと心得ているはず。けれど、そんなものはぶっ壊してズンズン書いていく。なんだけど、肝心なところはセオリーを踏まえてきっちり抑えてくる。この塩梅が巧み。流石。

そのへんが、昨今のSNS慣れし過ぎて話し言葉で(しか)書けないトーシローとワケが違う。

しかし、よくまぁ、こんな小さいことをこれだけオーギョーに、しかも、事細かく書けるなぁ、と感心してしまう。モノを書く人にはオススメ。書かない人にも。

それはともかく、こういう自然体というか自分流というか、そういう文体で、コワーキングもブログやSNSを書いたらオモシロイんじゃないかと思った。ここ、コンテンツマーケティングにつながる話ですけど。

いつも言ってるけど、ユーザーをお客さんではなく仲間ととらえて、畏まらずに日頃の言葉遣いでリラックスして話すように書く。ただし、馴れ馴れしくならず、分をわきまえて。←ここ、難しいけれど、それができたら、コミュニティとして成り立ってる証拠だ。

すでにそれが(意識せずにだろうと思うが)できてるコワーキングもある。そこのメンバーでなくとも、読んでて、垣根がなくてとても親近感を感じる。

ポイントは鎧をまとわず、素の自分をさらけ出すこと。「そんなこと、仕事の場でできまっかいな〜」という向きもおられるだろうが、それができてはじめて仲間になれる。

ちょっと試してみなはれ。きっといい反応があると思うよ。

#10年ぶりのイラスト

今日、ウェブサイトのデザインの打ち合わせで、写真よりイラストやな〜、どんな感じかな〜、あ、そうそう、そんな感じ、とかサンプルを見せ合ってて、ふと、昔、別の案件で描いてもらったイラストのことを思い出して、引っ張り出してきて見たら、「あ〜、やっぱりこの感じやなぁ」と。

そういうことって、忘れたようで忘れてないんだな、と思った。それはたしか、もう10年ぐらい前に依頼したイラストだけれど、今日の打ち合わせに用意してたわけではなくて、不意にアタマの後ろをよぎったのが、それだった。というか、ずっとアタマの片隅にあったんだろうな。意識してなかっただけで。

もしかしたら、10年ぶりに頼むかもしれない。

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「デジタルノマドとはまた違う仕事しながら旅する人たち」

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#デジタルノマドとはまた違う仕事しながら旅する人たち

昨日、カフーツに来られたYuri Wilson Bouchardさんにこれを教えてもらった。

Workawayは一言でいうと、世界を旅する人(ボランティア)と働き手を求めている人(ホスト)をマッチングするサービス。イギリス人のバックパッカーが2002年に始めた。

基本的には、労働力の代わりにホストは宿と食事をボランティアに提供する。世界の170カ国で旅人とホストをつなげ、旅人は文化交流やボランティア、ハウスシッティングなど、さまざまなカツドウに参加できる。

労働と言っても農作業から家の掃除、ベビーシッティングなど実に多岐にわたり、そう難しい技能が求められないものも含まれる。お手伝いする対象もNGOや、地元の学校、動物福祉、地域コミュニティ、環境保護団体、農場などなど、実にさまざま。ざっと見たところ、世界の591のハウスシッター、19,497人のボランティア活動する人、2371の環境保護団体などがホストとしてワーカーを求めている。

(出典:Workaway)

だいたい週に5日、1日4〜5時間程度、仕事をする。報酬はホストによってあったりなかったり。なしの場合はビザは要らない。人によっては数日〜数ヶ月、滞在する。

基本的には、サイトの検索結果からホストを見つけてDMで直接やり取りするみたい。

見ると、静岡県藤枝市のホストがおられた。

ホスト自身、バックパッカーであったらしい。手伝ってほしいことは、

  • アウトドア、便利屋(建築、改築、メンテナンスなどが含まれる)

  • ハウスクリーニング
    掃除は個人宅のみで、仕事とは関係ありません。

  • ガーデニング(草や葉を取るなど)

  • 創造的、芸術的スキル

  • 英語を教える(英語のスキルを上げたい)

  • ピアノを教える(初心者なので上達させたい)

で、週5日、1日5時間。週休2日。

このホストの方の募集要項の中のメッセージがいい。

ボランティアは23歳以上の方に限らせていただきます。カップルでもOKです。通常、1回に1人か2人のボランティアです。冬はとても寒いので、私たちに手紙を書く前によく考えてください。
また、家の中にクモがいることをお伝えしておきます。無害ですが、大きいです!冬には虫はいません。
掃除が行き届いていて、共有できるスキルがあり、自然が好きで、日本の田舎でのシンプルな生活を体験したい方には、とても良い経験になると思います。
私たちは、あなたがここで素晴らしい時間を過ごし、楽しむだけでなく、重要な仕事もこなしてくれることを心から願っています。
もしあなたが来てくれるなら、とても嬉しいです。

いいですねぇ。

オモシロイのは、これらの労働がSDGsの何に該当するか、こういう表示がある。

(出典:Workaway)

こういう風に地球に貢献するという意識をワーカーもホストも共有するのはとてもいいと思う。

さらに、過去にこのホストのところで働いた経験のある人たちからのフィードバックがある。これもいい。この方には今日現在で64件のフィードバックがある。

(出典:Workaway)

これとよく似た仕組みとしては、WWOOFが有名だ。

農場で無給で働き、「労働力」を提供する代わりに「食事・宿泊場所」「知識・経験」を提供してもらうボランティアシステム。

実はこっちのほうが古くて、発祥は1971年のイギリス。また、イギリスだ。その後、オーストラリア、ニュージーランドで発展したとのこと。

こちらにその日本版のサイトがある。

ただし、こっちはそのホストが有機農法の農家に限られているらしい。その点、Workawayは前述の通り、さまざまなホストがいるので、選択肢が多くて旅人には好都合かもしれない。

そういえば、もう6〜7年前かな、有機農法で農業される方とコワーキングをコラボさせられないか(いわゆるCSA)と考えていた時期があって、その際、兵庫県丹波市の農家の方々とディスカッションしたりイベントしたりしたことがあった。そのリーダーの農園にはWWOOFを利用して海外からボランティアが来られてた。ナツカシ。

と言ってたら、その時のブログが出てきた。

一応、言っとくと、ここで書いてるCSAについては、諦めたわけではない。

さて。

Workawayのことから想起するのは、いま、話題のデジタルノマドだが、旅しながら仕事する人なのは同じでも、決定的に違うのは、ノマドは自分の仕事を持って世界中を旅するが、Workawayではボランティアは行った先の仕事を手伝う、というところ。

デジタルノマドは、だから、滞在先で自分の仕事をするためにコワーキングを利用する。彼らは宿泊先よりも先にコワーキングを検索する。なぜなら、仕事を持っているからだ。

その場合、例えば、滞在先のコワーキングをマッチングするデジタルノマドのためのWorkawayがあったらどうだろうか?それも単なる「コワーキングスペース検索サイト」ではなくて、それこそ、Nomad Listぐらい詳細な情報が網羅されたコワーキングディレクトリ。

Nomad Listのことはここに書いた。

もちろん、このNomad Listにもコワーキング情報は掲載されている。しかし、地図上でマッピングされている程度で、せいぜいWi-Fiのスピードぐらいの情報しかない(はず、確か)。

なので、個々のコワーキングのもっと詳しい情報を掲載して、デジタルノマドの要求を満たすコワーキングとのマッチングを実現する。Nomad Listみたいに会員制がいいと思う。

もうひとつ、思いついた。

デジタルノマドもまた、Workawayのように、滞在先の国、地域のホストとマッチングして、そのホストの仕事を手伝ったらどうだろうか。

いや、もちろん、デジタルノマドビザ発給の条件として「自国のワーカーの仕事を奪わないよう」、デジタルノマドは滞在先の仕事はしてはいけないというルールがあることは承知している。というか、せっかくの「知の再結合」の機会を奪う愚策なので撤廃するべきと考えている。

ただ、Workawayみたいに、「宿と食事を提供するけれども報酬はなしね」ということにすればセーフなんじゃないか?無理くりというか、苦肉の策。

つまり、ここはコワーキングの「相互扶助」の精神を発揮して、お互いに助け合うことにしたらいいのではないか、という発想。

これに似た発想は、オランダ発のコワーキング「Seats2meet」だ。

ここは個人の知識や技能を他者に提供することで、利用料金が無料になる。まさに、「コワーキングの5大価値」の「Openness(シェア)」だ。

デジタルノマドをただの労働力とするのではなく、縁をつなぐことを前提に「お手伝い」「助け合い」の中で共創関係を結んで価値を産む、その拠点となるのがコワーキング本来の社会に対する役割のひとつだ。

妄想の域を出ないが、もしかするとデジタルノマド向けのジョブボードが実現するかもしれない。その日を楽しみに。

ということで、今日はこのへんで。

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