『卒業生には向かない真実』を読んだ

杉下右京には守れないものをそこに見た。

『卒業生には向かない真実』を読んだんですよ。
なんか三部作のラストにして突然ぶっ放ってきたな!?!?!?
びっくりしちゃった。
ありがとう。最高だった。本当に。今俺に必要な勇気が詰まってた。𝑻𝒉𝒂𝒏𝒌 𝒚𝒐𝒖 𝒗𝒆𝒓𝒚 𝒎𝒖𝒄𝒉本当に心の底から。

作者の「怒り」をかなり明確に感じた。二部でマックス・ヘイスティングが無罪放免になった時から感じてたけど今回は警察に信じてもらえない、司法の謎、社会への不信感がガッツリ盛り込まれてて救われる気がした。

悲しいんだけどね、でもこう言う怒りは現実にあるもので、それを肯定されると本当に救われる。(でも未成年で大学生にもなってない子供がそれを受け止めざるを得ない状況、フィクションであってもマジでキツい)

一部から実際の犯罪に強い影響を受けた作品だ〜〜った(二部からはピップが犯罪実録ポッドキャスト始めてるし)けど、性犯罪への司法の甘さって全世界共通なんか???って思うところがいっぱいあって「ウッギギギいいいいいいいいいいいいい!!!!!」になった。

なんか日本はマジで性犯罪者に甘い国としてカスカスカス!!!とかブチギレてたけどイギリスもカスなんだな〜と悲しくなった。本当にカス。
何が先進国だばかがよ。
でもだからこそそれに対して「怒り」を感じる小説が読めて本当に嬉しかった。

いや怒りが込められている。
これが、本当に、大切なんだよ。
俺は感情を馬鹿にする奴が嫌いなんだ。な〜〜〜〜〜〜〜〜〜にが感情的で良くないだ!!!!!理性が何した!!!!!!!なんの役にも立たねえよ理性なんて!!!!!!!!(そんなことはない)
でも感情って社会に馬鹿にされがちだけど本当に大切なものだろ。なあ。と思っているので……
本当にやばい時って理路整然とした言動も行動もできないんだよ。頭の中ひっちゃかめっちゃかで、とにかく「やばい!助けて!わああああああ!」しか考えられなくて(それすら考えられない時もある)、でも科学的で誰もが信じられる動かぬ証拠がないと助けてくれないし信じてさえくれないんだよな。ひでえ話だ。この世界は滅んだほうがいい。

俺は小学生の時に相棒が大好きで杉下右京が大好きだったけど(推しは伊丹さんだった、アイマスクも写真集もあるんだ)、でも杉下右京に救えないものがこの世界には多すぎるって気づいちゃったから、俺はピップの方が切実で大好きなんだ……
いや杉下右京の在り方に救われる部分があるのも勿論あるんだけど……
ルールを守ることは大事だけど、その守るべきルールが間違っているって場合がこの世界は多すぎるんだよな……

“どこから誰がどう見てもツッコミどころのない正しい悲鳴“以外は救われない世界で俺たちは生きていて、だからどれだけ歪な悲鳴でも悲鳴を上げたその人の恐怖と勇気を信じられる人になりたいねって話。

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