ヘッドライトが照らす先に、まだ洞窟の終点は見えない。コウモリが飛び交い、子どもたちが悲鳴を上げた。

この洞窟の奥に一流シェフが営むビストロがある。
メニューはお子様ランチのみ。しかしプレートに「村上牛の一口ステーキ～佐渡バター添え」「越後姫ジャムと新潟県産牛乳パンナコッタ」等が並ぶという、絶対美味しいやつだ。
しかも洞窟入場料100円で、ビストロに到着できればランチは無料。多くの人が挑戦するが、ほぼ途中棄権らしい。そこに俺は近所の子たちと参戦している。

遠くに店の灯りが見え、子どもたちが歓声を上げて走り出した。俺はもう空腹で倒れそうだ。道端の暗がりには白骨化した人々の姿がある。店の目前で力尽きたのか。可哀そうに。

子どもたちがテーブルに着き、俺も着席。その時シェフが言った。

「大人はダメです」

「ええーー？！」
「お子様ランチですから」

俺は膝から崩れ落ちた。白骨化の人々は絶望した大人だったのか？
可哀そうなのは俺だ。
気が遠くなる。

（412字）

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新潟推しメニューです。南蛮海老とか南魚沼産コシヒカリとかも入れたかったが、字数が(^^ゞ
冒険小説風・・・なのは最初の49文字くらいか(^^ゞ

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【今日の写真】みんなのフォトギャラリーから。
「洞窟」で検索。石見銀山だそうです。