あたしは数学が嫌い。当然成績も悪い。
今日も先生のお説教をくらってヘコんだ。
その帰り道、紅茶専門店のメニュー黒板が目に入った。

「数学ダージリン・・・数学ができるようになるかも？」とある。

「んなわけないだろ」と思ったけど注文してみた。
マスターが運んできた温かいダージリンを、あたしは一口飲んだ。
「いかがですか」
「普通の紅茶。でもなんだかほっとした。これで数学ができるの？」
「実は、数学ができるようにはなりません」
「やっぱり嘘だったのね」
「すみません。でも温まって、肩の力が抜けたでしょう。
数学に限らず『わからないから教えて』って聞くのが恥ずかしくて、ますますできなくなる、ということがよくあります。
肩の力を抜いて、素直に言えたら一歩進むと思うんですよね」

図星だった。
その繰り返しであたしは数学ができなくなって嫌いになったんだ。
あたしはスマホを取り出し、学校に電話をかけた。
「先生？今日のテストの問題わからなかったの。教えて」

（410字）
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土曜日出かけるし、ストーリー思いつかないし、今週、投稿できないかもなぁ・・・と思いましたがなんとか間に合いました。
私も「わからないから教えて」って言えないタイプ(^^ゞ
でも歳をとると、みんなに助けてもらうことが増えると思うので「助けて」「教えて」って言うように心がけている今日この頃です。

【今日のイラスト】みんなのフォトギャラリーから。
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ほっとする温かい紅茶のイメージです。