クリスマスが終わった。
「今年もお疲れさん！また来年」
オーナメントの古参、サンタ人形がツリーから降りた。
「お疲れ様」
「おやすみ」
天使、リボン、オーナメントボールたちも挨拶して箱に入っていく。

「待てよ、来年まで休みなんてイヤだよ」
今年加入した星形のオーナメントの一人が叫んだ。
「落ち着いてよ。クリスマスオーナメントは、クリスマスだけ活躍するのがルールでしょ？」
「でも、もっと活躍したーい」
星形はうなりながらぶるぶる震えた。
上の突起は丸みをおびてきた。
左右はそれぞれ四角くなり、下の二つはくっついて一つの四角になった。
「なんか着物姿みたい？・・・やっこさんだ！」
やっこ凧になった星形は、ひらりと飛んで壁に飾られた羽子板の横に収まった。

彼はその後、春には桜の花の型、七夕にはまた星形、秋には紅葉になり、一年間箱に入ることなく飾られ続けた。
「ルールを知らない奴」と陰口をたたいた仲間たちが、実は羨ましそうに見ていたことを彼は知らない。

（412字）

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やっこ凧への変身が伝わるか心配で・・・。
でもカッコイイやっこ凧さんが見つかったから、きっとこれで皆さんにわかってもらえるだろう（←他力本願(^^ゞ）