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渡辺貞夫コンサート2023

…一生に何度も出会うものでは無いかもしれない、と思うくらい素晴らしいコンサートだった！！！

アンコールでジョンレノンのイマジンを吹き始めると、さっきまでのジャズ演奏と違い、シンプルにメロディを奏でていたのに、なんだか感極まって涙ぐんでしまった。

…正直、渡辺貞夫(ナベサダ)は名前しか知らず、ジャズの世界で有名な人、位の認識しかなく。

私自身は弦楽器の方が好きなので、普段サックスを好んで聴く、という事も無いのだけど。

最初の一音、ワンフレーズ目から、今まで聴いたサックスの誰の音とも違う！と惹きこまれた。

「澄んだ上澄みの様な音」と思ったのだけど、澄んだ明るさのある、柔らかく美しい音色。

まるで初めからあった複雑なメロディの様に美しいアドリブを、軽やかに流れる様に吹き…
だけど、ただ音が流れていくのではなく、メリハリもあって、聴いていていつまでも飽きない。

ジャズライブでは見たことない、ケニアの歌とパーカッションに乗せてサックスを吹き、時にナベサダさん自身も歌うという斬新さ。

1933年生まれという事で、90才なはずなんだけど…
若い人より若々しいのでは？！と思う音色で現役バリバリなのを感じさせ、同時に長年の経験か、余裕ある演奏だった🎷

チェロ弾きの私はチェロの先生に何度か、
「サックスをよく聴いて。サックスみたいに弾いて」
と言われたことがあり。
それがどうもイマイチピンと来たことが無かったのだけど。

今日は初めて、先生の言うことが腑に落ちた。

バック演奏も素晴らしかった。

サックスを際立たせる音量バランスが抜群だ。

ナベサダさんのサックスの次にアドリブも多めだったピアニストさんの演奏は、特別凝った音使いでは無いと思ったが、CDで聴く様な演奏だと思った。

翌日はチェロの先生に会っていたので、そう話すと、
「CDの様に演奏出来るというのは凄いことだよ。なかなか出来る事ではない」
と言う。
確かにそうだ。

どの奏者も素晴らしかったが、ナベサダさんのサックス以外で特に私が注目して聴いていたのはドラマーさん。

最初はシンバルの音がとても綺麗とか、少しだけ捻った飾りの入れ方が絶妙だと思い注目し始めたのだけど、

そのうち、テンポ感や音量バランスの感覚が凄いと思い。

どうなってるんだろうと聴きながら指でカウントしてみたら、テンポはキープしたままだ。

その上で、ソロ奏者や音の勢いが変わる度に、それに合わせてジャストを僅かに前ノリさせたり、後ノリさせたりしている。

周りのテンポが変わった時も、瞬時にフォローしている。

なんだか凄い！
全体を凄く良く聴ける人なのだなぁと…

帰り道、思わずYouTubeでドラマーの竹村さんを検索してみた。
30代と若手ながら
YouTubeを見ると、リーダーライブをする様な人なんだ。

パーカッション奏者のン・ジャセさんとドラムの掛け合いはトランス状態になりそうな程心踊った！

ナベサダさんの演奏に話を戻すと、今でも演奏するにはきついと話すビリーホリデーの曲は、私も聴き覚えのある曲だから、やはり印象深い。

歌を本当に良く聴き込んでいるんだと思った。
私からしたら、サックスの音でもビリーホリデーの歌の様に聴こえる。

ボーカル曲では無いジャズの、私はよく知らない曲ばかりだと難解に思えそうな2時間があっという間だった。

アンコール２曲目はステージ皆が歌い盛り上がり。
(聞き覚えのある曲だけど題名が分からない)

アンコール二曲もしてくれたのでもう無いかと思えば、
もう一度ピアニストさんと出て来て、しっとりとサックスを聴かせてくれた。

最後はマイク無しの生音だった。

マイク無しでも、一階席の後ろの端っこにいた私の席まで充分届く。
柔らかくて本当に美しい音色だった。

もしも叶うなら、このメンバーのライブを、ライブハウスで間近で音をかぶるみたいにして聴いてみたい。

コンサート終わって前列まで行き、ステージ見学。

キーボードは何か、マイクは何を使っているか、パーカッションの配置などこっそりチェック。

CD販売もあったが、枚数が多くてどれを選んだら良いか分からない。

けれど、このツアーTシャツは今日しか買えない！と思い、珍しくTシャツを買ってしまった。

翌日のレッスンには、もちろんナベサダTシャツを着ていき、先生に自慢した。　
(きっと苦笑)

6月にユニット(Porgy&Bess)のメインライブが終わり、また忙しくなる前の今月半ば位までは、集中して他の演奏も聴きインプット中。

ユニット相方さんの誘いだったけれど、チェロを弾くにも大いに勉強になった。

素敵な勉強機会をありがとう。
またきっと、今度はアウトプットしましょう。

参考YouTube

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