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『デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング

『デニス・ホー  ビカミング・ザ・ソング』
を観ました。
と言っても、この感想を書きながら今香港の置かれている状況があまりに重くて、考えをまとめることが出来ずそのまま放っていました💦


今、香港ではデニスの師匠である梅艶芳(アニタ・ムイ)の映画が公開されています。
アニタのすぐ近くにいたデニスなのですが、中国本土に楯突いた人物としてその存在はスルーされているようです。

そんな国だとは思っていましたが、せめて『デニス・ホービカミング・ザ・ソング』の感想ぐらいはあげておこうかと思ったのです。
(あと、保管に入れていた『テーラー 人生の仕立て屋』と『ベイビーわるきゅーれ』を立て続けに消すという自分に、コレもやりかねないと凹んだので😭)

以下、ネタバレ&時間経過による抜け落ち有りです💦

予告でアニタ・ムイを観た時から大号泣だった映画なので、ハードル上げすきかなと思ったのですが、冒頭雨傘運動の俯瞰図から涙が止まらない😭

何となく人の気配がしないので、始まる寸前にシアター内を見回したらどうやら私1人らしい。
コレは存分に泣いて良いよという天の配慮❓️
はい、遠慮なく泣かせていただきました💦

私は何せ、周潤發(チョウ・ユンファ)のキュートな笑顔と肩幅に恋して観た『英雄本色』(男達の挽歌)で張國榮(レスリー・チャン)沼に堕ちた人間なのです😅


同時代の歌姫、梅艶芳(アニタ・ムイ)とレスリーは本当に仲が良くて、お互いの演唱會に出たり、映画撮ったり、ヤンチャな弟とシッカリ者のお姉ちゃん、みたいなイメージでした。
(実際にはレスリーの方が年上でしたが)


それが2003年の4月にレスリーが逝き、同じ年の11月にアニタが逝った時にはあまりにツラくて、以来香港のことは、というよりは香港の芸能界のことは耳に入らないようにしていました。

年月が経って、レスリーの映画もやっと観られるようになり、レスリーが笑っている演唱會の映像も観られるようになりました。
ああ、昔語りが長いぞ~、私❗

一国二制といわれた香港と中国の関係がどんどん変化していき、「レスリーが生きてたら、どう思っただろうね」なんて、哥哥迷(レスリーファン)の友人と話したりしたものでした。

そんな香港の自由を勝ち取るべき先頭に立ったのが、アニタ・ムイの弟子であるデニス・ホーと、かつてレスリーと組んだこともあるアンソニー・ウォン。


レスリー・チャンの話に戻りますが、彼はレスリー・チャンという着ぐるみを着て、本当の彼をなかなか魅せてくれない反面、そんな赤裸々に見せちゃって良いの?ってコッチが心配するぐらいな人でした。

というよりは、日本以上に、芸能人にはプライベートは無いと思っていたイギリス流香港パパラッチに開き直っていたのかもしれませんが…

レスリーがバイセクシャルであることは、彼がカミングアウトしてないものの、恋人である唐先生と当たり前のように手を繋いだり腰に手を回して歩いたり、同居している家もバレバレで。
私達、哥哥迷もそれを当たり前に受けとめていて、末永く幸せでいて欲しいと願っておりました。

なので、少なくもとLGBTQ+は中国本土はさておき、香港ではオーケーなのだと思っていました(当時その概念も言葉もありませんでしたが)

それが『デニス・ホー』の映画では、香港の民主主義を守ることと、デニスやアンソニーがカミングアウトすることも大変で…

一国両制(一国二制)が崩れるということは、個人のアイデンティティも香港人としてのアイデンティティも崩れるんだと、この映画を観て感じたのです。

いつか私が人生を終えたら、あの写真つきの香港式お墓で香港に葬って欲しい、そこまで愛した事があった香港がどんどん変わっていく。

更には世界はそんな香港にだけ関わっていられないほど、軍事クーデターやら、コロナやら。

今では香港のニュースなんて見る日はなくて…

ひとつの民族なので、軽々しく外から英国領の方が良かったのになんて言えません。
中国と同じ政治になることを望んでる香港の人も多く居るのも理解してます。

けれども個人的には、レスリーが楽しそうに笑っていたあの時代から約二十年。
今レスリーがいたら、唐先生と一緒に笑っていられる香港なのかなぁ、なんて考えてしまいます。

結局、最初から最後までレスリーが幸せかどうか目線ですみません😅⤵️⤵️

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