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長男2回目 2

事態はさらに悪いほうへ

長男自身、バスが一番酔いやすいと感じていたため、最寄り駅まで私が車で送り届けるようにもしてみた。
しかし電車に乗ってすぐに気分が悪くなり、下車して休憩。
それでも「もうちょっと」と再び電車に乗り直し1駅我慢するものの、やはりダメ。結局3回ほど駅で乗り降りをし、嘔吐を繰り返し、心が折れて・・・そのまま帰宅してくるということが起こった。

それでも、私の中ではまだ「長男はただ酔いやすいタイプなのかもしれない」と正常化バイアスがかかっていたのだろう。
できるだけ仕事を調節し、朝は半分寝たまま学校まで車で送り届けることもやってみた。
しかし彼の体力、気力は削られていき、長時間教室で授業を受けることができなくなってきた。途中で保健室に行き、最終的には早退する毎日。
そんな状態でも行ける日はまだいい方で、徐々に登校できない日が増えていった。もちろん登校した日でも、帰宅後はフラフラだった。

中1の子が、吐いても吐いても電車に乗り直して、必死に学校に行こうとしていた・・・もう今思えばそこで休ませるべきだったのに、私は中1の1月になってやっとこれは明らかにおかしいと思うようになった。
そして長男自身も、辛い学校生活そのものに恐怖心を抱き始めていた。
心は明らかに塞ぎ、口数も笑顔も減っていった。
早く布団に入るように促すが、なかなか眠れないようで、夜中にゴソゴソ動いている気配が増えていた。

長男は年明けから毎日のように吐いている上に、頭痛もひどい。
頭痛と吐き気のセットはよくないって言うじゃないか。
毎日のように朝食を吐いてしまうと、食道にも当然よくない。

しかも、もともとは食べることが大好きな長男。朝食を吐いてしまうから、お昼にはおなかがすいてしまい、大量に食べてしまう。
また、小学生の頃ほどゲームに溺れはしなかった(さすがに受験勉強を経たからか、多少マシ)けれど、他にやることがないからゲームをする時間は増え、体調が悪いゆえに家から出ることも減る。つまり運動量はガタ落ち。
当たり前のことだが、小学校の頃から丸くなっていた長男の体重は、あっという間に増えていった。

再び小児科へ

何か考えたこともないような病気が潜んでいるんじゃないか。
もしそうだとしたら、どんな状況でも対応してもらえるような総合病院の小児科に行って、しっかり診断してもらった方がいいのかもしれない。

そんなことを考え始めていた1月後半のある日、次男が急激に発熱した。
インフルエンザの蔓延している時期で、検査するなら発熱後24時間経たないといけないため、翌日近所の小児科に連れて行こうと思っていたら、夜になって長男まで発熱した。
これもある意味チャンスかも・・・と、子供2人を急遽総合病院の小児科に連れて行った。診断の結果は兄弟仲良く「インフルエンザ」、2人まとめて発症するというのは、幸か不幸か。
結果的には私が最もリスキーな状態に陥ったわけだが、なんとかうつることもなく、2人もすぐに回復してくれた。

そしてそこで、長男は運命の出会いをする。

私は、飛び込みで受診したその時の先生の名札に「主任」の文字を見つけていた。子供達の様子を診てくれる姿や説明のわかりやすさ等も含め、直感的に「この先生だ!」と思った私は、名前をしっかり覚えて帰った。

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