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消えたと思った悲しみを戻した本

ブエノスアイレスは秋の涼しさに身をすくめたかと思えば、夏の暑さがまた戻って、北向き(日本でいうトコロの南向き)の部屋から近所のカフェに逃げ出してきてしまったトコロ。

…というのもあるけれど、秀逸な本にやられてしまって、「星々の舟」。
Mika ち読んだことある?
裏表紙の説明を読んで、ああ、私には苦手な類のストーリーだな、と長らく手をつけていなかったのだけれど、たまに陥る日本語渇望症のせいで読み始めたら、それはそれは上手いコト心を持っていかれてしまって、今、自分の感情の持って行き場に困っているのだよ。

今年に入って、「人生は悲しい病」卒業したなー、とか、「私は可哀想病」も卒業した模様ー、とか思って「ああ、幸せな人生!」と寝起きしてたんだけど、
なんだろね、残酷なまでの哀しみや諦めを、サラサラと、しかも一つの「家族」を軸に、色んな世代の男女の目線で期待を裏切らずにストーリーが展開するものだから、なんて言うんだろう、私の中で「消えたと思っていた悲しみ」が戻ってきてしまったし、私の人生の悲しみに残酷さはなかったかもしれないな、と感謝?すると同時にこんな残忍な、不条理な出来事って存在するんだよな、と胸が痛んだり…。
(決してそれにフォーカスされてる訳じゃないのだけど、私の心に深く入ってしまって、抜けきれないw)

ま、でもあれかな、何事もバランスが必要だから、「悲しみ」が自分の存在を認めて欲しくて帰ってきたのかな。
Tango 歌うのに悲しみゼロじゃ無理だしね(笑)。

レコーディングが終わったら、一度帰りたいと思ってるのだけど、その頃には、新しい家族のストーリーとそれにまつわる諸々を聴かせてね。
(でも、FBで読んで色々受け取ってはいるのだけどね。会って話したくなった今日でした。)



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