吉澤 馨

不定期更新になります。

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信頼という依存

おはようございます。 今日はちょっとえぐっていきそうな感じがしているので、マイルドになるように努めます。 「信頼」や「任せる」という言葉がある。一見美しい言葉に聞こえるが、これには大きな落とし穴があると僕は感じている。安易にこれを使うのは、一種の「依存」ではないかと考えているのだ。 「信頼」や「任せる」とセットでよく使われる言葉が「自立」である。相手を一人の人間として尊重する。だからいちいち口出しはしない。仕事の関係はもちろん、親子や恋人の関係にも当てはまるだろう。

    • 『心理学的経営』の要約から見る人間の「個性」

      本文章の目的は大沢武志の『心理学的経営』を要約することで、人間の「個性」について読者の興味を誘うことである。 序章人間は合理的組織のみでは行動しない。個の認知、成長動機、自己実現によって、行動する。 人間の真実の姿 合理的組織の考え方は、ムダを省いて、最も効率のよいシステムを志向する しかしそもそも人間の行動は、ムダな情緒や感情を基底に持つところにその本質がある 人々が現実に従っているのは暗黙のうちにつくられたお互いの合意であり、規範である 仕事の動機づけ 小集

      • ドラッカー『マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則』の要約

        本文の目的は、ドラッカーの『マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則』を要約することで「マネジメント」への理解を促すことである。 序文マネジメントが使用される領域は広い 現代のあらゆる先進社会は組織社会になったため、マネジメントは企業だけではなく全ての組織で必要となっている 1960年代後半からマネジメントに関する本が増え、ブームとなったが、あまり役に立たず、新しい知識が必要になってきた 新たな領域として、①イノベーションのための組織を作ること ②企業以外の組

        • 業務委託に成果を求めるのは間違っている

          開業届を出して昨日で丸5年が経った。業務委託として働いて、6年目に入るので、これを機に「業務委託とは何か」について、書き留めておきたいと思う。 僕は今ある会社で業務委託の執行役員を務めている。5年前から業務委託を始め、ほぼ全ての案件でリーダーやマネージャーといったポジションを経験した。どこの組織でも成果を求められ、また社員や業務委託のメンバー達に成果を求めてきた。 それが間違いだったのではないか、というのが今回の記事を書くに至った動機だ。 なお特定の組織や人を批判する意

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        信頼という依存

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        記事

          『雇用の未来』を読んで考えた、雇用の未来

          近年、「日本の終身雇用制度は崩壊した」とか「メンバーシップ型からジョブ型の雇用に切り替えよう」とか「年功序列はやめて、成果主義や能力主義にしよう」といったことが言われ、やれスキルを身につけようとか、やれ副業をしようといった繰り言を目にするようになった。 その原因については言及しない。単に、1980年代にアメリカで起きたことが40年遅れで日本にやってきた、くらいの理解に留めておいて十分だと私は思っている。今の日本と同じことが、昔アメリカで起きていた。 『雇用の未来』という本

          『雇用の未来』を読んで考えた、雇用の未来

          見えない彼ら

          近頃お化けや幽霊を見なくなったらしい。らしいというのはどこかで誰かが言っていたのを聞いたからだが、自分でもそういえば見なくなったなという感じがある。子どもの頃には何度か見て聞いた。幻覚や幻聴かもしれない。 はじめに記憶しているのは長野の祖父母の家の近くの公園でのことである。高台に建つ家から坂を上がると突き当たりに神社と併設した公園があった。そこにブランコがあって、朱色の支柱が交差した上に人の首がのっていた。 当時、神戸で凄惨な事件があった。いま三十代より上の人たちは神戸の

          見えない彼ら

          許し

          きのう家へ帰る途中に、小学生の女の子たちと中学生の男の子たちが、何か道端でいざこざがあって、そのあと別れるのを目にした。去り際に女の子の一人が「謝らなくったっていいよ! 許してあげるから」と言って笑った。男の子たちは「純粋〜」と言った。彼女はまた笑った。それから二つの塊は離れていった。僕は女の子がどうして笑ったのか、気になった。笑えることなんてなかったんじゃないかと思った。それでもその場をおさめようとして彼女は笑ったのではないか。彼女の笑い声は機械の音のように甲高かった。怒っ

          となりの批判

          肯定の時代だと思います。何をしても、それいいねとか、そういうのもありだよねとか、柔らかい表現で、受け止めてもらえる。でも、受け入れては、多分もらえていない。あくまでも、自分と相手との間には境界線があって、止まりはするけれど、入りはしないです。あなたとわたしは別の人、だから文句も言いませんが、一緒にはしないでね、という冷たさがある。なので、受け入れる、受け容れる、というさらにもう一つ先には、進めないのです。 それは恐くなってしまったからだと思います。痛めつけられるのが、とても

          となりの批判

          ×SNS

          テラスハウスの一件は、SNSの問題ではない。 まずはじめに断っておくと、僕は件の内容について、ニュース以上のことを知らない。テラスハウスを観たことがないので、リアルタイムで何が起き、人々がどう反応していたかも大して知らない。しかし違和感を持ったので、ここに書き記しておく。 彼女の自殺は、SNSでの誹謗中傷が原因であるとされた。そこから、個人を特定できる仕組みがSNSに必要であるとか、そういう議論がなされている。その後、番組制作側にも問題があったのではないかと指摘がされ、放

          政治家

          しっかりとやっていきたい、○○一丸となって(もしくは一枚岩となって)がんばっていきたい、そういった言葉を、耳にする機会があるだろう。○○の部分は、国民でも、社員でもいい。この文章は、そのような表現に疑問を持つ人に向け、書いている。なぜあれらの言葉は、これほどまでに説得力を持たぬのか。それは具体性を欠いているからに他ならない。 「しっかりと」の「しっかり」は、実際どのくらいの程度を指しているのか分からない。たとえば毎日何分何時間、何をするかとか、毎月の目標をどの程度に定めるの

          差別と罪

          アメリカで白人警官に黒人男性が殺された。このニュースを聞いて、男性が何をしたのか、について考える時間は少なかった。ほぼなかった、と言っていい。ただ何かをして、もしくは何もしていなくとも、黒人だという理由で殺されたのだろうと思った。 それで後日、新聞を読んでいると次のような記事があった。「男性は当日、スーパーで二十ドル札を使用。これが偽札と発覚」偽札を使用された店の、アラブ人店主のコメントが続く。「客は通常、そうとは知らずに偽札を使う。男性は質問に協力的だった」つまり男性は知

          差別と罪

          ご近所

          近所の古いマンションの入り口に、鉢に入った花が並べてある。大小様々で色あざやかなものもあれば、なんてことはない、地味な印象のものもある。その花々を毎朝、白髪の老婦人が世話している。婦人の背中は張っていて、しかし、まっすぐ天に向かって伸びているというわけではなく、しなやかな枝のように緩やかな弧を描きながら、でも伸びている。たまに会釈をする。 先日急いで家に帰ることがあった。注意が逸れていたので、これまた近所にある邸宅の、植木の葉や枝に頭をぶつけた。植木は垣根を越え、公道にまで

          相手に言葉を伝えるには

          この文章は、自分の言葉が相手に伝わるようにしたい人に、読んでほしい。 さて普段、僕らは相手と言葉を使って、暮らしている。それは対面の会話、LINE、職場の文書、チャットなど、さまざまな場面やデバイスやツールで、使用されている。しかしながら、その内容の精度について、語られることは少ない。実際には多くの言葉が、相手に意味不明な状態で、伝わっている。 たとえば、きのうの友人とのチャットや、ネットに流れる政治家の動画を、見てみて欲しい。曖昧で、何を言っているのか(言っていたのか)

          相手に言葉を伝えるには

          読む

          おはようございます。今週も書いていきます。 このコロナ禍に、幾度となく、#ブックカバーチャレンジ、の文字を見た。幸か不幸か、僕のもとにそれは回ってこなかったが、横目でそのタグを追いながら、想うことがあったので、記しておきたい。あれ読んでないだろう。 たしかルールは、本のカバーを写真であげて、中身については説明しない、だったと思う。もはや本はファッションであって、インテリジェンスでも、インフォメーションでもない。○○を読んでいる自分が好きなのであって、○○が好きなわけではな

          都合のいい文化

          おはようございます。きょうも書いていきます。 文化という言葉は、都合のいい言葉だと思う。文化が合わない、文化が違うという会話を、した経験は無いだろうか。カルチャーマッチといえば、更に親しいかもしれない。いずれにせよ、文化というある基準に則したときに、それに合う合わない、といった判断する行為を指している。 これがいつからか傲慢な態度のように感じるようになった。なぜはじめから規定のものがあって、それに合っていないと、もしくは合わせないと、排除される嵌めになるのか。またその規定

          都合のいい文化

          広報はコンテンツからコミュニケーションへ

          おはようございます。きょうは特別に日曜版ということで書いていきたいと思います。 先日このnoteでも紹介した、やがわんの#リブセンスnote100本チャレンジが見事達成となった。この企画は、GW期間(4/29〜5/10)に、リブセンスのスタッフが、noteを100本書くという企画だ。いま、僕が記事を書いている5/10,AM10:00の時点で、書かれた記事は102件になる。 僕は当初、「この企画は、よくわからない。」と書いた。「無目的」という表現も使った。書いていたときは気

          広報はコンテンツからコミュニケーションへ