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【絵師さまインタビュー②】M.keiさんの場合(Art Jun所属)

はじめに

Art Junは、栃木県宇都宮市にある障碍者福祉サービス事務所です。
ここの利用者の皆さんは、みな思い思いに自分の好きなアートを創造しています。
雰囲気はこんな感じ(インタビュー風景)

作品を拝見しながら、お話を聞く。

「オパールをイメージして描きました」


ドラゴンの絵と骨の絵。

「緑の骨の絵はちょっと調子のよくない時に描きました」

えっ、とてもそうは見えません、いい絵。

「竜(ドラゴン)の絵の方が……。初めに額を見て、四角い絵を描くために構図を考えました。白い真四角の額なんです。この額に合うような絵がいいな、って」

ドラゴンはオパールをイメージしました。

「背景のようなところは竜の翼なんです。オパールで出来ているドラゴンというイメージ」

なぜ、オパールを?

「美しい表現をしたいな、と。美しいもので思ったのが宝石。白に合う宝石はオパール……というふうに考えていって」

オパールはM.keiさんにとって特別な宝石ですか?

「オパールは化石に混じっていることがあるんです。もともと動物や化石は好きなんですけど、化石に宝石が混ざっていることがある! そういうものが地球上に存在しているんだって事実に驚愕したんです」

「骨が好きって、変わってるねと言われます」

骨は何となく怖いイメージがあるけれど、好きなんですね。

「変わってるって言われます。私の周りも骨は怖いという人が多いので、いいづらくて(笑)、ジレンマなんです。
 でも、人体、というより生物の中でいちばん好きなのが骨。かっこいいと思います。
 このモンスターも骨っぽい部分があるでしょう? 癖のように描いてしまうんです」

骨を際立たせたモンスター。

「モンスターの絵は、動物の身体を観察して描きます」


空想の生物も現実の動物を観察して描きます。

モンスターの絵は迫力がありますね。

「動物の身体を観察して描いています。この絵だと、馬とか、爪は肉食獣とか」

架空の生物を描くときでも現実の生物の観察から始める……。
それが、フィクションにリアリティを与えているんですね。物書きの私も見習いたい姿勢!

画材はどういうのが好きですか?

「水彩が中心です。透明水彩と、ぺんてる絵の具を使います。学校のパレットみたい」

「目玉の絵にはストーリーがあります」

この目玉の絵もすごくいいんですが。

酸性雨を象徴している。

「山の向こうから来るドラゴンで、皮膚がどろどろなんです。どろどろが落ちるといろんなものを溶かしてしまいます。周りの空気も淀ませていく。……来るだけでやばいぞ、というのを描きました」

私が買いたいです。小説や詩に合った絵をお願いすることもありますが、逆に絵からストーリーを喚起されたりできそうです。

「目がいっぱい涙を流しているのは、酸性雨をイメージしているのもあります。どろどろが山に落ちて木々を枯らす……。確かにこの絵はコンセプトがあります」

「ご縁のあった方のご期待に応えたいと思っています」

「ご縁があって、自分の絵に魅力を感じていただけるのなら……この絵で表現したいと思っていただけたら、その方のイメージに見合った作品を描きたいと思っています。自分の絵は癖が強いところもありますが、だからこそ、それでも力になれることがあるかな、と。
あ、人間も描けますよ(笑)。」


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