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AIと作ったラジオ劇台本『幽霊猫のうた』【フリー台本】

今回は、三人用のラジオ劇台本です。Stand.FMでの朗読パーティ(2023年8月)用に書き下ろしました。
また、2023年9月11日のラジオ劇公演(同じくStand.FM内にて)に際して、タイトルを含め、改稿しております。


幽霊猫のうた

作:ChatGPT & 奥村薫

ミヤビの囁き

夕暮れが、このちいさな村を優しく包む頃、私はいつものように村を彷徨う。私の名はミヤビ、かつてこの町で飼われ、今は幽霊猫となった。私は、子供たちの声を聴きながら、ニンゲンが作り上げる暖かな光景を眺めるのが好きだ。だが、そこには喜びだけではなく、嘆きも悲しみもある。私はそれら全てを肌で感じとる。私はミヤビ。ニンゲンを愛する幽霊猫である。

クロハの囁き

村はずれの森に、静かにたたずむ神社は我が住処。私の名はクロハ、この地に古くからある神社の主であり、烏天狗の末裔なり。人々が願いとともに訪れるこの場所を見守るのが、我が使命。時には助言をし、時にはただ黙して聴く。どんなに小さい願いでも、それは価値あるもの。私はクロハ。神社を見守り、人々の願いを聴く者である。

キツネビの囁き

私の名はキツネビ。この神社の周りをふらつく、ちょっとした化け狐さ。ニンゲンをからかうのが趣味だけど、悪気じゃないんだ。美しいもの、楽しいものに目がなくて、時々化けては、遊んでしまう。ニンゲン界のあれこれは本当に魅力的だからね。私はキツネビ。彼らの世界に少し遊び心を加える者である。

第1節

【キツネビ】(独り言)あ~、やはり神社の杜(もり)は、気持の良いものだなあ。遊び疲れたときには、ここで休むのが一番だな。
クロハ殿、ご機嫌は如何?
【クロハ】おお、キツネビか、久しぶりだな(苦笑い)、どうした?
【キツネビ】クロハ殿のほうも…困った顔だな?何があった?
【クロハ】確かに、困っている。我が神社に、不思議な霊が現れるのだ。
【キツネビ】ほぉ、それは興味深い!いったい何者だ?
【クロハ】それが分からない。姿も曖昧だし、何も語らぬ。ただ…ただ、静かに佇んでいる。
【キツネビ】そうか、それは、確かに困った。
(内心の声で「そうか、そうか、面白い暇つぶしになるかもな」)
まず、それは「ヒト」か?
【クロハ】人、だと思う。
【キツネビ】そうか…誰か縁のあった人かもしれないな。
一つ提案がある。ミヤビなら何かわかるかもしれない。彼女は、人については我々より詳しい。
【クロハ】幽霊猫のミヤビか…。それも悪くない。確かにあれは我々ほど長く生きているわけではないが、人の中で暮らしてきた。呼んできてくれまいか
【キツネビ】承知した。ちょいと待っていてくれ
(時間経過)

第2節

【キツネビ】クロハ殿、ミヤビを連れてきた。
【ミヤビ】クロハ、この神社に何かが出るってキツネビから聞いたんだけど…
【クロハ】ああ、ミヤビ、よく来てくれた。境内の片隅にだ…。
我にはぼんやりとしか見えぬが、ミヤビ、どうだ?
【ミヤビ】本当に…なんとなくしか… でも、少しお顔のあたりが見えてきたような…。
えっ…彰(アキラ)?
【キツネビ】彰って?あの彰?
【ミヤビ】ええ、亡くなって、もうだいぶたつ…そろそろ命日かしらね。病気の療養で空気の良いこの村にやってきのだけど、結局、ね…
【クロハ】おや、霊の姿が少しはっきりしてきたな。
【キツネビ】やつれてはいるけれども、相変わらず粋な奴だね~
【ミヤビ】彰は都会から来た詩人ですもの
彰(呼びかけながら)どうして…
【クロハ】彼には、我らがみえているのだろうか?
【ミヤビ】彰!
【キツネビ】いわゆる「未練」ってのでしょうよ。彰君ならば、ミヤビさんは、縁があるどころじゃあない
【ミヤビ】たしかに。それは潔く認めますわ
【クロハ】(ためいき)そういうことか…。しかし、相変わらず、何も語ろうとしないな。これでは、その未練を聞き出すわけにも――
【キツネビ】詩人の未練は「詩」でしょうよ。それにもしかしたら「ミヤビさん」かも。
【クロハ】ミヤビ、彼の詩集は全部持っているかい?何かこころあたりは?
【ミヤビ】わからないわ。詩はよくわからない。彰があんなに大事にしていたものなのに。今この刹那に生きる猫にとっては、あんなもの、訳が分からなかったのよ!
【キツネビ】なぁるほど~
【クロハ】ミヤビ、もう一度彼の詩を読んでみてはくれまいか。そこに何かの手掛かりがあるかもしれないのだから
【ミヤビ】ええ、クロハがそう言うなら…。
彰、あなたは何も言ってくれないのね。
ごめんなさい、あまりにも思いがけなかったことなので…
今日はこれで失礼させていただきますわ
(ミヤビ、去る)

【キツネビ】(クロハに向かって)ミヤビのねえさん、大丈夫でしょうかね…
【クロハ】ああ、ちょいと気にかけておいてくれないか
(時間経過)

第3節

(翌日またミヤビが神社にやってくる)
【クロハ】やはりここに来ていたか、ミヤビ。相変わらず静かにたたずんでいるだけだ
【ミヤビ】ええ
【クロハ】ミヤビ、お前までなんとなく影が薄くなってないか?
【ミヤビ】…
【クロハ】で、彰の詩については考えてみたか?
【ミヤビ】はい、でも彼が何を伝えたかったのか、はっきりとは…
クロハ、彼の未練を解消するには、詩を完成させるにはどうすればいいの?
【クロハ】我も彰の詩を読んだからなぁ。彰の詩にはミヤビへの彼の思いが込められていたよ。それを見つけることが、詩を完結させる一歩となるだろう。
【ミヤビ】私への思い、ですか?
(場面転換。時間経過)

第4節

【キツネビ】あら、ミヤビ、まだ詩のことで頭を悩ませてるの?彰君が以前言ってたわよ、"考えすぎると詩の魂が消えてしまう"って。
【ミヤビ】でも、これは彰の未練を解消するために必要な――
【キツネビ】未練、未練って、その未練があるからこそ彰君は詩を書けたんじゃない?あんた、それ忘れちゃいない?
 【ミヤビ】…
【キツネビ】もう!あんたのほうが、未練より先に消え入りそうね。
【ミヤビ】キツネビ、どうすれば彰の詩の本質を掴めると思う?
【キツネビ】本質を掴む?あんたが思うよりずっと簡単だわ。ただ、彼の言葉を心に受け止めるだけ。詩人の心があるからこそ詩は生まれるのよ。
ミヤビ、ほんと、あんたってにぶいわね。彰君が「何を表現したかった」よりも彰君が「あんたに何を感じさせた」か、それが大切じゃない?
【ミヤビ】私に何を感じさせたか…
【キツネビ】そう、それが詩の真実よ。それがわかったら、あんたも詩人になれるかもしれないわね。

第5節

(時間経過)
【ミヤビが詩を読む】
月の灯りで猫が舞う、夜の闇を引き裂いて
静寂を破り、無音の音楽とともに。
幻影を追って、時を忘れて
永遠と刹那の狭間に、一瞬の儚い夢。
 
【ミヤビ】はぁ、まあこれは良いとして、最後の詩がこれなのよね。それまでの彼の詩とは、なんか違う気がして。
 
「冬の終わりに、梅の枝(え)の、影が落ちては揺らぐとき、
密かに願いを、木に託す」
 
【キツネビ】その頃はもう、彰君、ずっと床に就いていただろうからな。あ~!梅の木と言えば、そろそろ神社の梅も実る頃か…
【ミヤビ】そういえば、冬の終わりごろ、彰は無理して神社に行ったっけ――
【キツネビ】それだよ。それ!梅の木に何かを託したとか?

第6節

(場面転換。ミヤビとキツネビは神社の梅の木の近くを探している。)
【ミヤビ】どこにあるのかしら。穴を掘って埋めたとか…
【キツネビ】いや、その時の彰にそんな体力はあるまい
【クロハ】おお。お前たち、なにか分かったのか?
【ミヤビ】彰の最後の詩に、「梅の木のあたりで、願いを木に託した」と…
【クロハ】う~む、このあたりで見つからなかったとすると…
もしかして、この奉納された絵馬のことか?
【キツネビ】おお。たくさん掛かっているぞ。もしかしてこの中に!
【ミヤビ】この中に、彰の願いが? クロハ、どれだか分かる?
【クロハ】どの絵馬にも、みな願いが込められている。ゆっくりと、一枚ずつ見てくれ
【ミヤビ】どれなのかしら、えっと(一枚ずつチェックする)、これでもないし――
【キツネビ】これだ!彼の名前と…しゃれた猫の絵まで描いてあるぞ、あいつ絵心もあったんだなあ
【ミヤビ】え?
【キツネビ】読んでみろ、ミヤビ。これが彰の願いだ。
【ミヤビ】(絵馬を受け取って読み上げる)
「未来は見えず、ただ今を生きる。ミヤビよ、私の歌となれ。」
(BGM開始)
私の歌となれ…?
【クロハ】(静かに)彼の心が、今、君に託されたのですね。
【ミヤビ】彼の心…、(絵馬を持つ手に力が入る。絵と願いの文を眺めつつ)詩って今まで分からなかったけど、彰のこのつたない筆跡を見てると、ふふ、何だか…こういうことだったんですね。
(ドラマ化した際にはここでミヤビがハミングなどをするのも可)
 
【キツネビ】あの絵馬をミヤビに見てほしかったんでしょうかねえ
【クロハ】かもしれないなあ、良き旅を、彰よ。
 
【ミヤビ】彰、アキラ… ありがとう。「あなたの歌」、は…まだまだ続いていきそうですよ。
【キツネビ】うんうん、そうだねえ、 ミヤビ。

 (終わり)

音声劇版

Stand.FMで、2023年9月11日、ライブ・ラジオ劇やりました
出演:

  • ミヤビ:ツッキーこと月嶋紫乃

  • キツネビ:Cocoさん

  • クロハ:奥村薫

「ライブ声劇🐈‍⬛『幽霊猫のうた』作:ChatGPT&薫。出演:Cocoさん、月嶋さん」劇自体は15:30より開始しています
https://stand.fm/episodes/64fe9e7b1f016b9f1a1679dd

コンテンツのご利用について

今回は、ChatGPTをアイディア出しなどに使いつつ、おもに手で書き上げました。
もしかして、これらを「朗読してみたい!」「使いたい!」と思う方が居られましたら、喜んで提供いたします。以下の「ご利用について」をご一読くださいね!

トップ画像は、AIにより作成 [Image Creator, Powered by DALL-E]

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