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ChatGPTで出力した計算問題をInDesignで自動組版できるか試してみました。

学参DTPを生業としている私としては前々から気になっていたのでやってみました。
学参系の著者さんや編集さんがChatGPTで原稿が量産できるようになれば、
将来的にこの手の仕事が増えるのでは? みたいな皮算用実験です。笑

まず、軽くChatGPTを試してみたところ意外なことがわかりました。
「中学数学の計算問題を10問作ってください。」みたいな感じでお願いしてみたところ、出力された数式はLaTeXで出力されるようでした。
なのでLaTeXの構文を自動組版すればいいってことですね。

ちなみにChatGPTに「数式はmathMLで表現して」ってお願いしてもやってくれませんでした。
何でも出来る訳じゃないみたいですね。
構文がきまってるなら別になんでもいいんですけどね。

とりあえずよく使う下記の数式を試してみました。
上付き、下付き、分数、根号、連立方程式、シグマ、インテグラル、ベクトル、リミット。

ChatGPTにお願いした内容が下記。


下記を使った計算問題を作ってください。
また、中間式と解答も入れてください。
・累乗(上付き)、累乗(下付き)、分数、根号
・連立方程式、分数、'{'から始まる式
・シグマ
・インテグラル
・ベクトル(矢印)
・リミット


下記がChatGPTで出力されたテキスト。
内容の良し悪しは置いておいて下さい。

ChatGPTで出力されたテキスト。

下記はコピペしたテキスト


(1) 計算をしなさい:
[3^2 \times \frac{1}{2} \times \sqrt{16} = 3^2 \times \frac{1}{2} \times 4 = 9 \times \frac{1}{2} \times 4 = 18]

(2) 計算をしなさい:
[\frac{3}{4}x + \frac{5}{6}y = 15, \quad \frac{2}{3}x - \frac{1}{2}y = 7]

[\begin{cases} \frac{3}{4}x + \frac{5}{6}y = 15 \ \frac{2}{3}x - \frac{1}{2}y = 7 \end{cases}]

[x = \frac{\frac{3}{4} \times 2 - \frac{5}{6} \times 7}{\frac{3}{4} \times \frac{1}{2} - \frac{5}{6} \times \frac{1}{2}} = \frac{\frac{3}{2} - \frac{35}{6}}{\frac{3}{8} - \frac{5}{12}} = \frac{\frac{9}{6} - \frac{35}{6}}{\frac{9}{12} - \frac{5}{12}} = \frac{-\frac{26}{6}}{\frac{4}{12}} = -\frac{13}{3}]

[y = \frac{\frac{2}{3} \times -\frac{13}{3} - \frac{1}{2} \times 7}{\frac{2}{3} \times \frac{1}{2} - \frac{1}{2} \times \frac{1}{2}} = \frac{-\frac{26}{9} - \frac{7}{2}}{\frac{2}{6} - \frac{1}{4}} = \frac{-\frac{52}{18} - \frac{63}{18}}{\frac{4}{12} - \frac{3}{12}} = \frac{-\frac{115}{18}}{\frac{1}{12}} = -\frac{115}{18} \times 12 = -\frac{230}{3}]

(3) 計算をしなさい:
[\sum_{n=1}^{5} (3n - 1) = (3 \times 1 - 1) + (3 \times 2 - 1) + (3 \times 3 - 1) + (3 \times 4 - 1) + (3 \times 5 - 1)]
[= (3 - 1) + (6 - 1) + (9 - 1) + (12 - 1) + (15 - 1) = 2 + 5 + 8 + 11 + 14 = 40]

(4) 計算をしなさい:
[\int_{0}^{3} x^3 ,dx = \left[ \frac{1}{4}x^4 \right]_{0}^{3} = \frac{1}{4} \times 3^4 - \frac{1}{4} \times 0^4 = \frac{81}{4}]

(5) 計算をしなさい:
[\vec{v} = \langle -2, 4, 1 \rangle]

[= -2\vec{i} + 4\vec{j} + \vec{k}]

(6) 計算をしなさい:
[\lim_{{x \to 2}} \frac{x^2 - 4}{x - 2} = \lim_{{x \to 2}} \frac{(x - 2)(x + 2)}{x - 2} = \lim_{{x \to 2}} (x + 2) = 4]


数式がLaTeXになっていることがわかります。

このテキストをESTKで自動組版してみます。処理の感じは下記動画を

下記が完成した組版

完成した組版

ESTKの内容は公開はしませんがやってることは単純です。
簡単に説明すると、LaTeX数式を検索し、あらかじめ登録してあるライブラリのパーツをはめ込んで、文字を置き換えてるだけです。
つまり、検索→張り込み→置き換える、だけ。
構文がLaTeXって決まってるので変換は楽です、ちょっと調べればリソースがたくさんあるし。

まとめ
テキストの大元がChatGPTで作成されたとしても組版の作業としてはいつもとあまり変わりませんね。
同業の皆様、ご安心下さい。やることはいつもと同じです。
ChatGPTが作るテキストの良し悪しは僕の範囲ではないので言及はしませんが、使い方次第って感じがしますね。使いこなせるかどうかがポイントですかね。著者や編集の皆様がChatGPTを利用して原稿を量産して下さればいいなー、なんて思います。
新しい技術で業界が盛り上がればいいなぁ、と期待します。

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