5.元気を取り戻したれん
そして6月1日、れんは無事に4歳になりました。
3月の末から5月の末まで、動物病院に通い、ようやく元気になりましたが、れんは以前よりも、ご飯を食べるスピードが少しだけゆっくりになりました。
3月末に突然発症した顔面神経の麻痺と、耳の奥の炎症は、飲み薬と点耳薬で、日に日に良くなり、耳から赤っぽい汁が出る症状も、数週間後にはおさまりました。
病院に通い始めてから数日の間は元気がなく、ひとつ年上の「ちぃ」とも遊べず、ご飯を食べて寝るだけの生活でした。
ごはんを残したりはしないのに、数日で体重が1割近く減ってしまい、脇腹にさわると、肋骨の形がはっきりとわかるほどでした。
少し元気が出てきたれんは、ある日、ちぃとのおもちゃの引っ張りっこで負けてしまいました。
ものごころがついてからは、ちぃに負けたことのないれんのプライドは、少なからず傷ついたようでした。
ちぃは以前、チビだったれんを赤ん坊だと思って、勝ちを譲っていたようですが、次第にれんが大きくなり、体格も逆転して、本当に力負けするようになっていました。
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