松雪泰子さんについて考える(58)劇団☆新感線『神州無頼街』

松雪さん出演シーンの充実度:8点(/10点)
作品の面白さ:?
上演年月:2022年3月~5月(大阪、静岡、東京)
視聴方法:WOWOW
 
※会場での観劇ではなく、WOWOWで視聴した感想です。
※多少のネタバレを含みますが、決定的なオチや展開には触れないようしております。
 
YouTubeで制作発表記者会見の動画を見ることができる。主演・高嶋政宏さんの発言のいくつかが、場を盛り上げようとするリップサービスとはいえ、セクハラすれすれ。福士蒼汰さんと宮野真守さんが健気にツッコミを入れつつ場を取り繕っているが、気の毒な姿だった。司会者すら仕切りに窮している。松雪さんも、苦笑いのよう。

松雪さんは基本的に、記者会見やインタビューを見る限り、もの静かで余計なことを言わない。10代や20代の頃は違ったのかもしれないが、少なくとも近年は、年齢以上に謙抑的な印象。それすら「松雪泰子」を演じているのかもしれないが…。

しかし、作品の中では180度違う役柄をけれん味たっぷりに演じるから面白い。プロである以上当たり前なのだが、本作も例に漏れず、記者会見での受け答えと比べると、同一人物に思えない。

おどろおどろしい衣装に身を包んだ悪役を、豪快に演じる。詳細は省くが、淫靡なシーンもありつつ、これまでの新感線作品以上に男勝りな立ち振舞いも。

しかし、役を終えてカーテンコールになると、他の出演者と比べて控えめな動きの中に、含羞が滲む。このギャップに、なんとなく安心感を覚える。

本作は、近年の劇団☆新感線らしいド派手作品の系統。個人的にこのタイプはどうも好きになれないため、これ以上は省略。

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