読書記録(03)谷崎潤一郎『蓼食う虫』
谷崎潤一郎を読もうと思い、手始めにこの作品を選んだ。
本当は『痴人の愛』あたりから手に取るのが定石なんだろうけど、本作のあらすじを読む限り、どうやら読みやすそうだったので。
極めて俗世的な話。性交渉をもたなくなった夫婦がグズグズ悩む。夫も妻も、家庭外に異性のパートナーをもつものの、子どもがいるし離婚するのは憚られるよね、でも…という。
令和の今でもこのストーリーのままドラマ化できそう。しかし、昭和初頭(1920年代後半)の作品と知って驚いた。約100年前の小説である。当