窒素でいいです その3

窒素の話はたいてい皆さん、???となります。
そして、それは実演をしてもそう。どうやら平和な気持ちでいられる人にはこちらが酸素だろうが、窒素だろうが、どうでもいいようです(笑)。
色々な事があっても、どうでもいい、と思えるおおらかな状態、これ、ある意味理想です。

窒素でいいです、の「発動機会」は触覚的な接触前段階です。
触れてしまえば、これまで探ってきた様々な術理を役立たせられます。
しかし、現実社会はその「接触」を避ける時代になりました。
いじめも陰湿化して、簡単には証拠をつかませないようになってきましたし、その矛先も、肉体から、精神へと変わりました。
現代は精神をどう守るか、それの方が大切な時代です。

しかし、それでもやはり、「最後の砦」はこの肉体。その肉体は触覚を強く受け止めるように出来ています。
触覚に耐性がなくなれば、どうしても、そこから生まれる「気持ち」は嫌なものとなるでしょう。

考えてみれば、私が甲野先生を見つけられたのは、自分自身がギリギリのところまで追いつめられたからだったのです。
立場や技など、事前に身を守る技術はいくつも学びました。そして、事前にそれを発動しておく事は「当然」の事と思われています。
しかし、それでも、人には必ず「隙」は生まれるはず、私の考えは相当にネガティブだったのです。

どんなに隙を突かれて、これは不味い、となった状態であっても、身を守れる方法はないのか、と探して、甲野先生を知り、縁を持ちました。
触覚前であれば、まだ触覚があるから「我慢」をしよう、と考えられます。
我慢は私の大切な武器でした。
ちょっと我慢して、身体に状況を受け入れたなら、そこから身体に身を任し、相手の想像を超えて、逆転をする。それが私のふるまい方になりました。

ダメな自分がこんな事もできるようになったのか、とある意味、そこには満足もありました。
しかし、そこでも不安を探すのが私です(笑)。
そして見つけたのが、襲う気持ち、狙う気持ちはあったとしても、こちらに触れもせず、攻撃もせず、ただ、いやらしく、心を削ってくる相手への対応でした。

狙われれば、狙われている、とわかります。
人には「感応」する力があるのです。
テレパシーと言えば、超能力となり、オカルト的になり、思考停止してしまいます。言語として伝わるものは少なくても、態度としては結構な割合でこちらへと伝わってしまうのが、身体の持つ力なのです。
狙われている、と自覚しなくても、身体は嫌な身体となり、そこには緊張が生まれます。
緊張がある中で動けば当然、その動きの質は下がります。
しかし、動かなければ、ずっと狙われ、嫌な気持ちが続きます。これをどうにかしたい、と考えたのです。

その時、窒素でいいです、は見つかりました。
窒素でいいです、という術理は、相手をどうにかする術理ではなく、なにより、自分が素の状態、ゼロの状態、フラット、リラックス、自然な状態へと行くためのものです。
身体を落ち着かせれば、心も落ち着きます。
心落ち着けば、ゆっくりと、自分が持ついくつかの選択肢を探れます。
これまでの稽古によって、いくつもの術理を私は持っています。しかし、その宝物の術理を心揺れている時には見る事が出来ず、崩れてしまっていたのです。

お互いの身体は感応します。
窒素でいいです、の心がけによって、こちらが自然さを取り戻せば、それまでいじめてやろう、とちょっかいを出していた相手は予想とは違う反応に困りだすのも当然です。
相手の攻撃をものともしない力があるなら、最初から相手のちょっかいは気にならなかったはずです。
力をつけて解決をする、という方法はもちろん有効です。しかし、力をつけなくても、すでに、もう、自分は大丈夫だったのだ、と思わせてくれるのが、窒素でいいです、なのです。

とりあえず、窒素でいいですに関してはいったん、これで一区切りとします。
ただ、全ての術理は身体から生まれているわけですから、全然別の術理を聞いたとしても、そこには必ず、繋がりがあるのは知っていて欲しい事です。
もし、今、なにもわからなくても、身体を辿れば、必ず、わかるものがあるのです。

私の稽古は決まりがありません。
技もないし、基本もない。その日、一応、これを伝えよう、と思うものはあっても、参加者次第でどんどん変わります。
ですから、もし、参加される機会がありましたら、ご自分の「わからん」を大切にして欲しいのです。
その「わからん」が手掛かりとなり、あぁ、わかった!まで探っていけます。自分の身体の中にほんの一つでも「わかった」を得たなら、それが細胞分裂のようにどんどんと膨れ上がっていきます。そのスピードは時間をかければかけるほど、どんどん加速します。

たくさんの疑いを持って、わからんを大切にして、稽古に来てください(笑)。

不定期稽古のお知らせ

まだ調整中ですが、5/10(金)夜から、甲野先生の名古屋稽古を開催予定です。受付開始までしばらくお待ちください。

「つくば稽古」
日時:2024/6/2(日)13:00-20:00
参加費:10000円(当日払い)
会場:つくばカピオ リフレッシュルーム
住所:茨城県つくば市竹園1-10-1 

「東京ロングヒーリング」
日時:2024/6/4(火)10:00-17:00
参加費:24,000円(当日払い) 最大人数6名
会場:大岡山西住区センター
住所:目黒区平町一丁目15番12号

「東京夜稽古」
日時:2024/6/4(火)18:00-21:00
会場:大岡山西住区センター
住所:目黒区平町一丁目15番12号
参加費:参加費10000円(当日払い)
同日10-17時にある「東京ロングヒーリング」に参加の方は5000円

共に詳細、申し込みはウェブサイトから。
http://www.karadalab.com/

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