「わからない」と「わかる」、きっかけは身体

思いがけず、「わからない」について書いてみましたが、わからないものを求め続ける事が今の時代は難しいのかもしれません。
答えは簡単にやってきます。
それこそ、ネットを頼れば、間違っていた答えもやってきますし、たくさんの検索結果に飲みこまれて、何を求めていたのかを忘れたりします(笑)。

わからない、を持ち続け、求め続けるのは簡単ではないなぁ・・・と思ったりします。

言葉にすれば、私もついつい、大変だぁ・・・と書いてしまいますが、実際のところ、私はとても気楽です。日常生活すべてを稽古と共に過ごすようになったからです。

「わからない」というのは頭よりの働きです。
これまで学んできた事、出来上がった観念に照らし合わせても理解が出来ない、わからない、ってそんな感じではないでしょうか。
しかし、それは理解が追い付いていないから。
この「理解」というのがまたくせ者っぽいですね。なんとなく使えてしまう言葉だからこそ、本当に理解できているのか、どこまで理解できているのかわかりません。

時間の身体感覚は線のかたち

今回私が伝えに行く身体感覚は時間と夢です。
時間は線であり、夢は点です。

時間は過去と未来を結べば線になります。分岐もしますから直線ではないかもしれません。あみだくじのようになっているかもしれません。
しかし、同時に違う未来に立つ事は難しそう、それは感じていると思います。
また、過去にもなかなか戻れない・・・。
線というのはわかっていても、両端が曖昧だと、線はなくなっていきます。

過去と未来、どちらも今とは違い、「よくわからないもの」として存在しています。
未来は未だまだ来ていないし、過去も見方によって変わります。自分がしっかり立てていないと、過去も未来もあやふやになります。

時間というものを線として捉えられた時、過去と未来、それぞれを「決めてしまえば」、身体が変わります。
そして、それを求めて身体を動かした時、身体感覚的に変化があるのが見つかります。この見つかった瞬間こそ、「わかる」瞬間なのです。

時間以外の線を手掛かりに

ただ、自分が自分に対して「わかった」と許可を出すのがまた難しい(笑)。私はそうでした。
なかなか「そうか、わかった!」と思えませんでした。
これは自己肯定感が低かったからでしょう。
ただ、身体を探れば、「わかる」経験を次々と得られ、その内、疑う事を忘れて、ただ、わかる事を積み重ねていくようになります。身体はもう持っているし、これまでもここにあったものだからです。

線の身体感覚を手掛かりに時間を探るわけですが、それでも相手は時間です。常識的な頭は頑固としてわからない、というかもしれません。
そんな時には「違う線」に助けてもらい、線そのものの身体感覚を高めていきます。

身体の中にはたくさんの線があります。
まずなにより、背骨、正中線。これは大人気です(笑)。
正中線は頭を抜けて、天へと行きますし、脚を通って地に潜る事も出来ます。意識さえ持てば、どこまでも高く、長く伸びていきます。

また視線も線です。
一つのものに目を縛られないように、意識的に視点を変え、線として伸ばしていく。
視線はまた視野にもなり、身体感覚が次々と変わるのが分かるかもしれません。

また、スピリチュアルなところが好きなら二重らせん構造を持つといわれるDNAを手掛かりにしてもいいかもしれません。
私たちはどれだけ今の線から出ようとしても、もうすでに、出られないところにいるのだ、と思えるかもしれません。

ただ、どれも、外からの暴力的な刺激に対してあまりにも無力です。
この「邪魔される前提」が私の稽古の変なところです。
どれだけ邪魔をされてもなくならない身体感覚、それを求めてきました。
線の身体感覚を得たいならうってつけのものがあります。
それが腕です。

腕はつい、肘が動きすぎてしっかり伸ばす、というのが難しいものです。
しかし、世の中は機械やスマホ、腕を使わなくてはいけない仕事が減りました。腕を線として使う事なく生きていけるので、皆忘れてしまっています。

頭に腕はない

手を動かすときに、安易に目的地に行かせない。
これが大事な事です。あえて頭には「無駄」と思える作業をさせるのです。
手を伸ばすとき、左右どちらでもいいのですが、腕を回旋しながら出していくのです。
もちろん、腕には限界があり、左右どちらでも、動きが詰まった時には反対側へと回旋方向を変えていきます。
すると、結果的に「らせん」の動きが現れてきます。

この動き、初めての方には大抵伝えています。
理由は「簡単」だから。
簡単にできて、身体が変わる。それを伝えるのに、ちょうどいいんです。
文字に起こして説明をすれば頭が先に働きます。
頭に腕はないんです。だからわからない。
実際に自分の手を回旋させて動かし、線を自覚したなら、きっとその働きに驚くはず。
そして線の凄さが分かれば、前へと進む、後ろへと戻る、それに集中できると思います。結果的に左右にある、心揺らせるものを気にしなくなります。

腕を動かす話、もうちょっとしようかな。

【不定期稽古】

「つくば稽古」
稽古日時:2023/3/26(日)13:00-17:00(入退室自由)
会場:つくばカピオ リハーサル室1
参加費:6000円
申込、詳細はこちらのページから

「川崎稽古」
稽古日時:2023/4/22(土)13:00-17:00(18:00 撤収、入退室自由)
会場:川崎市 宮前区「等覚院
参加費:8000円
申込、詳細はこちらのページから

「甲野善紀浜松稽古」
稽古日時:2023/4/8(土) 16:30~20:00
稽古場所:浜松市福祉交流センター(フクシコウリュウセンター)
参加費:8000円
申込、詳細はこちらのページから

私の稽古はどこの稽古場も、基本もなければ、覚えなくてはいけない技もありません。ペアを組んで号令に合わせて行う練習もありません。気楽に、興味本位でご参加ください。

【定期稽古】3月の予定

3/3(金) 栄中日文化センター
3/3(金) 一宮中日文化センター
3/8(水) 名古屋稽古
3/10(金) 名鉄カルチャー名駅
3/11(土) 浜松稽古
3/12(日) 名古屋稽古
3/15(水) 大垣稽古
3/16(水) 浜松ロングヒーリング
3/17(金) 栄中日文化センター
3/17(金) 熱田稽古
3/23(木) 瀬戸ヒーリング
3/23(木) 犬山中日文化センター
3/24(金) 東山稽古
3/24(金) 名鉄カルチャー名駅
3/26(日) つくば稽古
3/28(火) 豊田中日文化センター

個人稽古などの問い合わせ



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