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「納豆で投球に粘りが出る」は本当か?

こんにちわ、カラガラ(@kara_gara)です。先日こんな記事を見ました。

この記事で私が気になったのは、祖父江選手のこれらの発言。

祖父江:
いっつも納豆食べています、門倉さんは。いつも納豆食べています、朝と夜は。

─そんなに納豆が好きなんですね。

祖父江:
そうですね。
粘りが出るらしいです、野球に(笑)

─ピッチングにも粘りが?

祖父江:
出るみたいです、門倉さんいわく(笑)
ドラ要素@のもとけより引用

ここで門倉コーチは「納豆でピッチングに粘りが出る」旨の発言をしています。

果たしてこれは本当なのでしょうか?今回は「納豆で投球に粘りがでるのか?」を考察していきたいと思います。

投球における粘りとは?

そもそもピッチングにおける粘りとはなんでしょうか?調べてみると

野球で投手が安打を許しながらも失点しないで乗り切ること
野球で、投手が打者を塁に出しながらも点を与えない投球をすること

Weblio類語辞書より引用

などの情報がヒットしました。これらの情報から私は

粘りの投球=ピンチでも動じないピッチングができること

だと理解しました。ピンチで動じる投手は失点が増え負けやすく、投手としての能力が低いとされることが予想されます。当然、門倉コーチの現役時代から、粘りの投球ができることは大事だと考えられてきたのでしょう。

これは会社に置き換えて考えると分かりやすいかもしれません。たとえ普段は普通に仕事ができていたとしても、大事な商談のときに限ってミスやポカをする人を、仕事ができる人だとは思えないのでしょう。

重要な場面でもパフォーマンスを発揮できること。粘りが重要なことは理解できました。

現役時代の門倉コーチは本当にピンチに強かったのか?

こうなってくると、「門倉コーチは本当に現役時代にピンチに強い投手だったのか?」と疑問に思う人もいるかもしれません。そこで調べてみました。

使うのはLOB%という指標。

LOB% (Left On Base Percentage) は野球における残塁率を測る指標である。投手が出したランナーの内、ベース上に残ったランナーの割合を示している。
LOB% = (安打 + 与四死球 - 失点) / (安打 + 与四死球 - 1.4 × 本塁打)
wikipediaより引用

LOB%とは要するに塁に出したランナーをどれだけ返さなかったかを確かめる指標で、高ければ高いほど、ピンチでも失点しない粘り強い投手と言えます。

LOB%の平均は70~72%程度だと言われているので、それより上であればピンチに強いと言えるでしょう。例えば、2020年の大野投手は86.6%と規定投球回を投げた12球団の投手で最高の数値でした。

お待たせしました。門倉健投手の日本球界時代の成績から計算したLOB%がこちらです。

タイトルなし

見てもらえばわかると思いますが、LOB%が72%を越えている年が多いです。平均LOB%は74.7%でした。つまり、

現役時代の門倉コーチはピンチに強かった

ことが分かりました。この成績を見ると、納豆と投球の粘り強さの発言にも説得力が出てきましたね…。

なぜ納豆で投球に粘りがでるのか?

粘りの重要性を理解したうえで、納豆で粘りがでるかどうかについて考えていきましょう。

先に結論を言えば、納豆で粘りを出すことは可能だと考えられます。

それはなぜでしょうか?私は3つの要因で可能だと考えました。

納豆を食べるとメンタルが強くなる
2014年の論文では、納豆を食べれば、メンタルは強くなるという研究があります。
なぜ納豆でメンタルで強くなるかと言えば、腸内環境が改善されるから。腸は迷走神経で脳と繋がっているので、腸内環境が悪くなると思考も落ち込んでしまいます。

発酵食品で社交不安が治る
他にも発酵食品には社交不安を治す力があるかも?という研究もあります。
社交不安とは、人前で注目が集まるような状況で、強い不安や恐怖、緊張を感じ、何か失敗して自分が恥をかくのではないかという心配や強い不安を感じること。
野球におけるピンチでは、横から後ろから敵チームの選手に見られるのはもちろん、観客や選手たちの注目も集まるため、社交不安は粘りの大敵でしょう。

納豆で運動のパフォーマンスが上がる
また納豆に多く含まれているビタミンKはビタミンDの働きを補完する役割があります。
ビタミンDは非常に重要な栄養素で、アスリートがビタミンDを飲んだら運動のパフォーマンスが上がったとか、ビタミンDでメンタルの不調が改善するなんていう科学的根拠の高い証拠がたくさん出ている栄養素です。
そんなビタミンDの働きを助けてくれるビタミンKを多く含む納豆は、投手のパフォーマンスを向上させ、メンタルを安定させることで、投球に粘りが出てくることが考えられます。

門倉コーチの犯した間違い

しかし、世の中に完璧な食品などないように、納豆も完璧な食品ではありません。納豆は1日1パックまでがいいのです。

最初の記事で門倉コーチは朝と夜に納豆を食べているとのことでした。皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、納豆にはイソフラボンが含まれています。このイソフラボンには男性ホルモンを下げる可能性が示唆されていまして、個人的には食べ過ぎはオススメしません。男性ホルモンは筋肉の発達にも重要なホルモンですから、アスリートにとっては特に重要なはず。

イソフラボンは厚労省の基準では上限値が70〜75mg/日なので、1日1パックまでがよろしいかと思います。

また、特定の発酵食品だけでは腸内細菌のバリエーションが増えません現代人の腸内細菌のバリエーションの少なさが万病のもとなのでは?という話もありまして、色々な種類の発酵食品から体に良い細菌を摂取したほうがいいのではないかと思います。

具体的には、キムチぬか漬けザワークラウトヨーグルト味噌など、色々なバリエーションの発酵食品を普段の食事に組み込んでみましょう。朝はヨーグルトにしてみてはいかがでしょうか門倉コーチ?

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結論

納豆でピッチングに粘りは出る
ただし納豆だけでは腸内環境改善に不十分
より粘り強くなるためには他の発酵食品も混ぜ合わせてみては?

というお話でした。

今回は野球の観点で話をしましたが、腸内環境改善は現代人の不調の根源だったりするので、意識した方がよいポイントなのではないかと思います。
視聴者の皆さまにおかれましても、「自分はここぞという時にダメだな…」とズルズル落ち込んだときは、納豆をグルグル混ぜて粘り強さを補強していただけると幸いかと思います。どうぞよしなに。



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