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【2020】中日球団がどれくらい給料を出ししぶってるのか見てみよう

はじめに

今年も契約更改の季節がやってきました。ちまたではドラゴンズに対して抗議文が送られるなど、ニュースやSNSをにぎわせていますが皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

私はといいますと先日面白いnoteを読みまして。

詳しくはnoteの内容を読んで欲しいのですが、ざっくり言うと

WARという指標を使って本来払うべき年俸を調べ、得をしている球団をどこか調べよう

という内容になっています。

「これを使えば球団がどれくらい選手を買いたたいているか分かるのでは?」と思ったので、今回は中日ドラゴンズにおける年俸とWAR、そしてWARから算出した適正年俸の関係について調べてみました。

方法

今回は年俸とWARは1.02 - Essence of Baseballから引用しました。ただし今季途中で育成から支配下になった選手についてはニュースに記載されていた金額を打ち込んでいます。

WARとはなんぞやという方はDELTAさんのサイトをご覧いただければと思いますが、要はその選手の活躍がどれぐらいチームの勝利に貢献したかという指標ですね。

適正年俸の算出は、まず中日の総年俸をチームの総WARで割った値を1WARにおける年俸とし、2020年実際記録したWARを1WARにおける年俸と掛け合わせ適正年俸を算出します。その適正年俸から実際の年俸を引けばどれぐらい球団が得(あるいは損)をしているか分かるという算段です。

…自分で書いててよくわからなくなってきたのでさっさと結果を出しますね。

結果

総年俸は21億9760万円
総WARは31.1(投手:18.4 野手:12.7)
21億9760万円÷31.1=7066.2…

という訳で中日における1WARの年俸は約7066万円です。

そしてその7066万円と今シーズンのWARから割り出した適正年俸から実際の年俸を引いた差額のランキングを見ていきましょう。

まずは球団が得をした選手がこちら

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1位は大野雄大投手。2020年の年俸は1億3000万円でしたが、WARからみた適正年俸は3億5331万円。一部報道では4年12億の契約を結ぶとの話ですが、割と妥当な年俸かと思います。ちなみにこのWAR5.0はオリックスの山本と同率で12球団の投手トップの数字です。さすが沢村賞投手ですね。

野手では2位に高橋周平選手がランクイン。今季6000万円の年俸でしたがWARは3.4と2億4025万円分の活躍をしました。先日の契約更改では8000万円の年俸でしたが、さすがに中日球団側が得しすぎではないかと思います。


では今度は球団側が損をした、年俸以下の活躍だった選手を見ていきましょう。

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ワースト1位はビシエド選手。2020年のWARは1.0で適正年俸は7066万円で、球団は2億2934万円払い損となりました。来季は3年契約の最終年となるため巻き返しに期待したいですね。

投手では今年引退した吉見選手がワースト2位にランクイン。今季年俸は9000万円でしたが、WARは-0.6とチームの負けを増やしてしまう結果に。「自分の立ち位置を見ると、ちょっとしんどいのかなというのがあった」ということでしたが、チームのことを考えるのであれば理性的な判断だったのかもしれません。


また、最も年俸通りの活躍をしたのは大島選手でした。WAR3.5は野手陣トップ。今年の11月7日で35歳になったベテランですが、まだまだ元気ですね。


…この結果の中に入っていない選手がいることに気付いたら、あなたは相当な中日ファンですね。DELTAでは1軍に出場していない選手は掲載されていないので、

投手
田島、阿知羅、石川翔、笠原、垣越、竹内、小熊、伊藤準規、ロメロ、
鈴木翔太
野手
髙松、藤井、大野奨太、伊藤、石橋

などの選手や育成選手は上の表に乗っていません。WARを0と考えるのであれば、大野奨太やロメロは球団にとって高い買い物だったでしょうか。

2020/11/29現在の契約更改を見ると

松田亘哲  23歳 300 ±0 11月29日
柳裕也   26歳 4100 ▼400 11月29日
祖父江大輔 33歳 7000 △3500 11月29日
石橋康太  19歳 655▼65 11月28日
福田永将  32歳 5500▼1000 11月28日
石川昂弥  19歳 1275 ▼225 11月28日
梅津晃大  24歳 1500 ±0 11月28日
大島洋平  35歳 25000 ±0 11月28日
岡野祐一郎 26歳 1100 ▼100 11月28日
渡辺勝   27歳 680 ▼20 11月28日
小笠原慎之介 23歳 1450 ▼450 11月27日
木下雄介  27歳 900 △200 11月27日
福敬登   28歳 契約保留 11月27日
岡田俊哉  28歳 3150 ▼1050 11月27日
又吉克樹  30歳 4200▼750 11月27日
松葉貴大  30歳 2500 ±0 11月27日
福谷浩司  29歳 契約保留 11月27日
阿部寿樹  30歳 4500 △1500 11月27日
笠原祥太郎 25歳 1250 ▼400 11月26日
木下拓哉  28歳 契約保留 11月26日
三ツ間卓也 28歳 1200 ▼400 11月26日
遠藤一星  32歳 1260 ▼140 11月26日
井領雅貴  31歳 1200△100 11月26日
高橋周平  26歳 8000 △2000 11月26日
堂上直倫  32歳 3000 ±0 11月26日
平田良介  32歳 18000 ±0 11月26日
大野奨太  33歳 7450 ±0 11月26日
高校野球ニュースより引用

といった感じでした。

ここから今年のWARから算出した適正年俸(1軍出場選手のみ)から今年の契約更改を引いた数が球団の利益になります。

現状の球団の収支は…

約-1億7363円

でした。

考察

「あれ?球団が損してるってこと?」と驚いた人もいるかもしれません。実際には笠原や大野奨太など1軍未出場の収支が入っていないので正確ではありませんが、11/29現在では球団は得をしている訳ではありません。

これはビシエドや平田、堂上などの複数年契約組が大きな活躍をできなかったことが足を引っ張っているのかなと思います。

ただし福谷、京田、木下など安く買いたたかれそうな選手がまだ契約更改していないため、最終的にどうなるかはわかりませんね。高橋周平に至っては1億6000万ほど買いたたかれていますし。

また今回のWARを使った年俸査定にも問題点はいくつかありまして、
・単年のWARで評価するのはどうなのか?(メジャーだと3年分のWARを参考にしたりする)
・負け試合で投げる投手に価値はないのか?

・育成のためファームにいる選手の査定はどうするか?
・選手寿命が短い投手や外野手と寿命が長い捕手や内野手の年俸が同じ査定でいいのか?

みたいな所はうーんって感じですね。1軍に出れる人数は決まっているのに1軍の結果だけで年俸を判断されるのは選手としてはしんどい面もありそうですね。

まとめ

中日球団は現状では損をしている
でも高橋周平はもっと粘った方がいい

って感じですかね。

個人的に今回の記事を書いてよかったのは「やっぱり中日は野手(特に外野手)が弱点だな」と再確認できた事です。問題がドラフトにあるのか育成にあるのかは分かりかねますが、今年はアルモンテ選手の退団も決まってしまったので、両翼を守れる強打の外野手が獲得できればなと思います。

また「ベテラン選手との複数年契約はリスキーだな」とも感じました。ビシエド選手は3年間でみれば適正年俸と比べて大きな損ではありませんし、平田選手に至ってはもう少しもらった方と感じるほどの活躍がありました。
しかし、大野奨太選手や堂上選手はそうではありません。もちろん成績が全てではないですが「財源が厳しいならリスクのある長期契約は減らした方がいいのでは?」と思います。

逆にもう少し前に京田や木下、高橋といった選手と割安で長期契約を結んでおけば、契約更改でもめることもなかったのではないでしょうか?今年で言うとA・マルティネスと長期契約が結べれば、将来球団が得するのではないかと思います。

以上最後はとりとめなくなってしまいましたが、『【2020】中日球団がどれくらい給料を出ししぶってるのか見てみよう 』でした。今後は今回のWAR式査定を煮詰めて中日球団にオススメの年俸査定を考えて見たり、他球団とのトレードを画策してみたいなと思います(やる気力が残っているかは分かりませんが)。

以上ここまでの執筆は、カラガラがお送りしました。


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