土曜日はゲームの話。最近「ストリーマーグラセフ」という企画というか配信シリーズが楽しくて、毎日追っかけて視聴しています。Grand Theft Autoというゲームの世界で、配信者さん達が「いち人間として生活する」というもの。それも本当にその世界のいち住民として過ごす、いわゆるロールプレイの企画です。立ち上げられたのはゲーム配信者の「しょぼすけ」さん。

Grand Theft Autoは殺人強盗何でもアリの自由度の高いゲームですが、そこに一定のルールを設けて、何でもアリは何でもありなんだけどあくまでリアルな「その世界のいち住民」として生活する、というのがこの企画の趣旨なのだそうです。

配信内では実際に配信者さんが職を探すところからはじまり、パン屋さんやハンバーガー店では研修を受けて実際に商品を売り、タクシー運転手になったら実際にお客さんを運び、公務員になれば秩序を守る、といった感じで、その仕事の役割を忠実に果たしてお金を稼ぐんですね。もちろん中には、やむにやまれぬ事情で犯罪に手を染める人、ギャングとして動く人もいます。

もちろん仕事だけじゃなく、プライベートな時間もあります。仲のいい友人（現実の配信者さんとしてではなく、あくまでその世界の住人として、ですね）と遊びに行ったり、カフェで雑談したり、時には恋愛したりしながら、あくまでゲーム世界の住人として話が進んでいくのです。

ゲーム参加者は、ゲーム内で住人として知り得た情報のみで行動することが求められます。なのでプレイヤーは、全ての情報を知り得ない。あくまでゲーム世界の住人にとっては、ゲーム世界だけが「現実」なんですね。だから配信者さんごとに物語がある。同じ事件でも、配信者さんによってとらえ方見え方が全然違うんです。あくまでゲーム内の「その人」として物事を捉えるのです。当然、情報が錯綜することや、行き違いすれ違い衝突などもあります。上司の何気ない行動がすごく不審なものに見えたり、人間関係に悩むことがあったり。それがまた一人の人間らしくて面白い、そんな感じでしょうか。

昔「トゥルーマン・ショー」という映画がありました。一人の人間が生まれてから生きてきた人生が、実は巨大なドームに造られたセットの中で行われていて、その様子が全世界に「トゥルーマン・ショー」というテレビ番組として放映されていた、というストーリーの映画なのですが、ストリーマーグラセフを視聴する我々は、まさにトゥルーマン・ショー（映画ではなく、映画内で描かれるテレビ番組）を視聴する人、という立ち位置かなと思っています。リアルなひとりの人間として、Grand Theft Autoの世界に降り立ってからのその人の人生を追っかける、という感じですね。

私がいつも見ているのが、番田長介さん演じる「警察署長」ロールと、ベガスヤマモトさん演じる「自動車屋店長」ロールです

ええなと思ったのが、どちらも忠実に「組織の偉い人」としての行動を取っているところです。叱るべきところは叱る、謝るべきところは謝るをわきまえているし、部下がトラブルを起こした時には関係各所に対して謝罪に回ったり、何かあるときにあらかじめ根回ししていたり、敵味方関係なく押さえるべきところはちゃんと押さえていたり。配信者さん自身がおそらくそういった経験をされてきたのでしょうね、と思えるぐらい、ちゃんと「組織の偉い人」としての動きを全うされています。見ていて「そうそう、ここではこうすべきだよね」と思える場面が多々ありました。他方で、部下との関係にちょっと悩んでいたり、思いが伝わらなかったりすることもあるようで、そういったところも含めて本当にリアルだなぁと思いながら観ています。

あと、とくに事件がないときのベガスヤマモトさんの配信が本当にイイ。演じているのか、配信者さん自身が実際にそうなのかはわからないのですが、心の底から車が好きな人で、何時間も黙々と車を弄ってたり、弄った車でマップの端っこまで行って朝日をただただ眺めながら煙草をふかしていたり、誰よりもこの世界の「日常」を楽しんでいる感じがして、ただただ眺めているのが楽しいです。

とにかくおススメの企画だと思います。筋書のないリアルなドラマが同時多発的に起こるので、楽しいですよ。配信ベースなので、全部追いかけようとすると大変ですが、切り抜き動画や、配信者さんが編集した動画もたくさんアップされていますから、そういったものから見ていくのも良いかなと思います。

見出し画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました、ありがとうございます。